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「切り絵で世界旅」西安城壁(西安/中国)総延長距離13km。想像を超えた規模に驚嘆する

 西安で一番楽しみにしていた一つが、西安城壁である。中国は国土の広さに比例して何もかもスケールがでかい。城壁もまたその例外ではない。

城壁の高さは12m

 遠くからでも見渡される城壁の高さは12mもある。西門にある階段を上り、城壁の上部についたときの感激は今も忘れない。その幅の広いこと。何と12~14mもあり、車が4、5台走れるほどだ。もちろん自動車を走らせることはできないが、歩いている人や自転車に乗っている人は大勢いる。

道幅が12~14m。車が4、5台走れるほど広い

 西安の城壁は随や唐時代の城壁を基盤に、明代の初めに大規模に補修された。その後も頻繁に補修されているが、規模は明代のままらしい。現存する都市城壁では中国最大規模であり、世界的にみても最大級である。東西に長い長方形の総延長距離は13kmにもなる。ふと思いついたのは、「この上でマラソンができるな」ということだった。「城壁マラソン」。見晴らしもユニークでいいではないか。

 さらに驚くべきは、実は今の規模は随や唐の時代の7分の1の規模らしい(つまり、明代の大規模補修で7分の1にスケールダウンされたことになる)。とすれば、昔の地図をもとに概算すれば総延長距離約31kmになる。途方もない規模だ。これならフルマラソンだって可能だ。

 それにしても途方もない規模の城壁だと改めて思う。敵からの攻撃を防ぐための都市城壁は世界中にあるが、さすがに万里の長城を築いた国だけのことはある。それだけ外敵の脅威におびえながら暮らしていたのだろう。

 そんなことをぼんやり考えながら、城壁の上から市中の風景を眺める。いまは環城公園として市民に親しまれ、祭日には提灯が飾られるらしい。もし私の家が近所にあれば、毎日の散歩コースにすることは間違いない。

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