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「切り絵で世界旅」サン・マルタン運河(パリ/フランス)両木立に囲まれた運河を観光船がゆるりと進む


映画「アメリ」にも登場した運河

 3月某日、午前中にベルサイユ宮殿を訪れ、午後、オルセー美術館、チュイルリー公園、シャンゼリゼ通り、凱旋門を回った。そして少々疲れた夕暮れ。さてどうしようかと思案する。そうだ、映画「アメリ」の主人公が小石を投げて水切り遊びをしていたサン・マルタン運河へ行こう。映画「北ホテル」も運河沿いにあったはずだ、と思いつく。

 サン・マルタン運河は、ナポレオンの時代、飲料水の確保のために1825年に造られた運河である。いまは貨物船の代わりに観光船が活躍している。セーヌと違い、全長わずか5kmの中で25mもの高低差があるため、途中に9つの閘門(水位調節用の門)を設け、船が来ると水門を開いて水の高さを調整する。両側を木立に囲まれた運河をゆっくり観光船が進む様子を眺めていると、なんとも気分がよい。

 そうそう、「北ホテル」もちらりとチェックした。映画の舞台になったからといって観光地になったりせずに、1階ロビーはレストランバーとしてさりげなく建っていたところもパリの文化成熟度を感じたものだ。


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