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またわけわからんの増えたー!

最近、youtubeで
十代や、二十代の若者が

「解離性同一性障害なんです」と語り

人格交代の瞬間を動画に留め、公開している。

コメント欄には
「やらせじゃないの?」という声もある一方で

「すごい!こんなふうになるんだ」

「大変ですね」

という擁護する、優しい声もある。


ところで私は、今年で40歳になった。

彼ら、彼女ら からみたら

もう、いいババアである。


いいババアを自覚しているので

ちゃんと大人になろうと思って

公言はしていない。

(※ババアジジイの年齢なのに
公言している人という人を
ディスっているわけではありません、あしからず)



わたしはこれまで
「解離性同一性症」と
診断されていることを 隠してきた。


という話を昨日もここに書いたのだが

今日も書く。


ついに 本格的な
〝治療〟に 乗り出したためだ。


何で今になって?という話は
後々 書いていくとして…


あえて Facebookや Twitter(ババアは決してエックスと呼ばない)に

文字で記さないのには理由がある。

わたしはもう 40歳なので

「社会的信用を無くすリスク」を避けたい為である。


このような発言は 当事者の方には
大変失礼かもしれないが

「解離性同一性障害」というのは

いわゆる「多重人格」というやつだ。

シーンで、コロコロ感情がかわり
(まぁ人格が交代してるんだけど)

時には記憶すら無くしてしまう。
(人格が違えば脳も違うから仕方ない)

まず、仕事や私生活に支障が出るので

社会的な信用はなくなるし

「なんだか演技みたいでキモイ」と言われてしまう。

心無い人からは

「人格交代とかいって、辛いことから逃げてるだけじゃん、弱っわ」

と痰唾を吐きかけられる。


私は26歳だったか27歳だったかで

「解離性同一性障害」と診断されてからは

絶対に周りにバレないようにしてきた。


バレたら 人生詰む。


そう考えていたからだ。
(今も…だが)



「性同一性障害」のこともそうだが

世間が「多様性」を

認めてくれる様になったのは

本当に最近の話だ。




ところで なぜ人は「多重人格」になるのか?



これを知っている人が
どれほどいるだろう?


理由を聞くと納得してもらえると思う。


ものすごく辛い経験をしている時

皆はどうやって乗り越えるだろうか?




たとえば、自分がクラスでいじめにあっているとしよう。


どうするか?


わたしは


「こんなん、痛くも痒くもないよ」という顔をして
ヘラヘラ笑って過ごすか


もしくは


いきなりブチギレるパフォーマンスをして
机やらイスやらを蹴飛ばし
「こいつをキレさせたらやべぇ!」という印象を
イジメっ子に与えようとするかもしれない。



両親が劇団員という「演劇一家」に生まれ育ったので

「何かの役に憑依すること」は幼いころから得意だった。

ピンチになったら迷わず
「なんか違うキャラ」になって
その場をやりすごすことを日常にしていた。



「解離性同一性症」は

幼いころに

自分ではどうにもならないような
ショックな事、辛い事が身の周りで起きて

感情がプッツン切れそうな経験をした人が

なりやすいと言われている。(例外もある)


つまり、「このままではヤバい!心が押しつぶされる!!!」

と、心が砕けそうになった時

脳みそが、自分とは 別の「人格」を生み出して

その「人格」に ピンチな経験を

代わりに体験してもらい

「本体」を護ろうとしてくれる


そんな 脳の スペシャルな働きによって起こる

不思議だけど 理にかなっている 症状が

「解離性同一性症」で

それによって
日常生活に支障がでてくることで
精神的に参ってしまうことを

「解離性同一性障害」と呼ぶ。




私の場合
「役になりきっている」と思っていたことが

カウンセリングや
筆跡や記憶のテストなどから
「役だと思っていたのは 人格そのものが交代していた」

とわかった。







今日の診察で面白いことを

精神科の先生に言ってもらえたので

忘れない様に残しておく。

自分用メモだ。




先生「新しい 入居者が いらっしゃったんですね」



私「また わけわからんの 増えたんですかね…」



先生「わけわからないわけではないですが
増えたんでしょうね…」





難解な会話だ。



私の頭の中には
現在 4人の同居人(人格)がいる。




頭の中を シェアハウスだと想像してみる。


住人は

1 女
2 男
3 うつ
4 トラ

の4人が 共同生活をしている。

(123の名前は自分でつけているが 今は書かないことにする)



若い頃は3人だった。

1、2、3が
交互にでてきていた。




人間の脳は基本的に
「一人乗り」なのだ


その脳の操縦席(コックピット)に
交代交代で
個性的なヤツが乗り込んで

ときに乱暴な運転をしたりするから
たまったもんではない。


特に3、うつ が出てきた時は
三途の川をさ迷う羽目になったこともある。



4 トラ

誕生の経緯はこうだ。




個性的な3人を
なんとかまとめよう(人格統合)とした際

訓練の結果


なんとか1つに統合することに成功した。

3つの クセが強い人格を
まとめるんだから

リーダーはちゃんとしてなくちゃダメだった。


1、2、3を 納得させるために
お医者さんが
一人一人を呼び出してはなしを聞いてくれて

「じゃあ トラ をリーダーにしましょう」

ということで

トラ を リーダーに決めた。


トラ というのは

私が「お芝居をやる際につかう芸名」だった。

そこには もともと人格は 無かったが

トラという名前をつけて
しっかりしたキャラクターを作って

「人前に立つときは トラの命令を聞く」
という約束をさせた

という解釈が正しい。

人格を統合したときの 詳しい話は 
いずれ書くことにする。


しばらく、問題は起きなかった。

20代の最後はこれで何とか乗り切った。

30代に入って

結婚、出産(はしていないが、東洋医学でいう小出産は経験した)

があったとき

「トラ」が おかしくなりだした。

リーダーがブレブレだったので
1や2の人格がほっとかなかったし
3の「うつ」も顔をのぞかせた。


大好きだった
義母が亡くなったときも大変だった。


私の中で


統合したはずの 人格が
また 散ってしまった。


そして彼らは次第に

トラに物申すようになった。


いわゆる「脳内会議」だ。

私は「一人談判」と呼んでいる。

「脳内会議」のやり方も 知っているが

ここでは 恥ずかしいので 書かないことにする。



「脳内会議」を 例えるなら

「国会」だ。

内閣総理大臣を トラとして

脳内が 与党と野党に別れる。

たまに、全然関係ないところから野次も飛ぶ。


私は 岸田さんほど タフではないので

参ってしまった。


国民の支持率が下がってしまった今
今の総理大臣(トラ)では
制御ができなくなった。




「先生…… 今、とても しんどいです……」



震える声で 私は言う。



精神科医の先生は、こう返す。


「今、ちょっと大変かもしれませんね。

新しいシェアメイトが 一人増えちゃったんでしょう。

慣れるまで 会議しましょう。

会議はできますか?」




〝会議はできますか?〟



私が 治療を受けていた
13、4年前には

こんなことを 言われなかった。

研究は…医学は…進歩しているんだ…

精神科医の先生たちも

こうして前向きに 
理解してくれるようになったんだなぁ。


ホッとした。


こういう状態を

鼻で笑ったりされない

バカにされない



自分にしかわからない苦しみに

耳を傾けて
聞いてくれていることが
嬉しかった。


久しぶりのメンクリ。

行って良かったなぁと思った。




なにより

「人格統合が一回できたなら
またできるはずです、大丈夫」

と、言ってくれた。



ずっとひとりで悩んでいたモヤモヤが

少し晴れた。



そして、決めた。


「解離性同一性障害」のことを

もっと多くの人に

知ってもらいたい。


でも、

やり方を間違えたら
大ヤケドをする。


慎重に

でも

時には大胆に。




「解離性同一性障害」

症状は、全員が全員違う。


それに私は 専門家じゃぁない。


だから
ここで書くことはすべて

〝私の場合〟

の話である。





最後に 1つ。





新しい 〝入居者〟は誰なのか?

それはまだ

私もわからない。


ただ、どうも 変わっている。


「紙芝居」を あんまり見たことがないようだ。


今日、病院に行く前に


友人の紙芝居を観に行った。


「紙芝居… こどものとき
こういうの見たかも」


と、思っている 私がいた。



13年も 紙芝居をやってきたはずなんだけど…



そこで改めて悟った。



「ああ… どうりで

だから私 今 紙芝居が できないんだ」





私(トラ)の 同居人は

みんなそこまで 紙芝居が好きではない。


だから トラが弱っていると
紙芝居が できない。


でも、今はそれでいいと思っている。



本番前にはカチッと トラが出てくれるし。



今日の あれは  
誰だったんだろう。。。




自分だけど
自分じゃないのが


なんだかもどかしいな。


面白いけどね。ハハッ(ミッキーマウスのような甲高い笑い)


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