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ハンサムじゃないとダメですか? ──かたすみの女性史

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歴史ドラマの主人公が女性なのは、もちろんうれしいけれど、 エンターティメントの悲しさ、ドラマの女主人公は、みな有能で勇ましく、美人で自信満々の“勝者”です。 来年のNHK大河ドラ… もっと読む
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#鷺只雄

かたすみの女性史【第2話】壺井栄をナメるなよ !(その3)

かたすみの女性史【第2話】壺井栄をナメるなよ !(その3)

壺井栄をナメるなよ !(その3)栗林佐知

←(その2)からつづき

■壺井栄の生涯(下)

 引っ越し続きの貧乏生活の中、栄はツケで米を買い、繁治の仲間たちにごはんを炊いてもてなし、さらには、妹二人を小豆島から上京させて学校に通わせ(学費は四姉が負担)、赤ん坊の姪を引き取り、まわりの者たちへの世話を惜しまなかった。

昭和10年頃の栄

 昭和2年終わり、繁治は、アナキストからコミュニストに転身

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《注》【第2話】壺井栄をなめるなよ!

《注》【第2話】壺井栄をなめるなよ!

《注》
●(その1)
*1)徳永直の「妻よねむれ」は、1946(昭和21)年3月の『新日本文学』創刊号から連載開始。
ただし、「妻の座」初回が掲載された1947年7月号には「妻よねむれ」は載っていない。「妻の座」の第2回は、「妻よねむれ」の連載終了(1948(昭和23)年10月)後の1949(昭和24)年2月号に載り、以後、7月号までつづいている。だからつまり、「妻の座」と「妻よねむれ」は、一緒の

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