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【心を揺さぶる名言5】希望はいいものだ 決して失われない(映画「ショーシャンクの空に」より) 

「ショーシャンクの空に」を初めて観たのがいつのことか、覚えていない。1995年6月に日本で公開されているが、初めて観たのは映画館ではなかった。たぶん、DVDを借りてきて、観たのだろう。その後、「午前十時の映画祭」などで、何度か映画館のスクリーンでも鑑賞できた。

最初は、誰に薦められたのかも覚えていない。
ただ、この作品を観たときの感動は忘れられない。
何十回と見返すたびに発見があり、現在、「この作品は、今の自分に対する警告である」と受け止めている。

※ここからネタバレを含みますので、注意してください。

無実の罪で捕らえられ終身刑となった銀行員アンディ・デュフレーンの獄中生活、脱獄を描いた作品。アンディをティム・ロビンズ、レッドをモーガン・フリーマンが演じている。

アンディがえん罪だったことは、物語の途中で判明する。しかし、証言者を射殺するなどして、刑務所長がもみ消しを図り、アンディは脱獄への準備を着々と進めていく。

紆余曲折を経て、脱獄に成功する。
雨が降りしきる中、自由を手にしたアンディが点に向かって慟哭するシーンは、映画のポスターにも使われている。ある意味、最大の見せ場をポスターやDVDのジャケットに活用しているという大胆な選択。

この映画の本筋は、アンディ・デュフレーンというえん罪の犠牲者の脱獄というドラマを描いているのだけど、ほかにも大きな筋がある。それが「長期刑が奪い取る人格」とでも言おうか。

レッドが年老いて、仮釈放を認められたが、社会になじめない。自殺を企図するが、アンディの言葉を思い出して、行動する。

行動した先に隠されてあった手紙に書かれていたのがこの言葉だ。
「Hope is good thing maybe the best of things. And no good thing ever dies.」
(希望はいいものだ。多分最高のものなのだ。そして、素晴らしいものは、決して失われない)

で、アンディとレッドがジワタネホで再会するシーンで最後を迎える。

なぜ、この映画が私の心を打つのか。

いま、私は無実の罪(本来の自分とは違う評価のようなもの)で、管理職にまつり上げられている。ずっと「現場に戻りたい」と言っているのに、実現しない。金は、現場にいるよりも多めにもらっている。しかし、今の自分がやりたいことでは決してない。「いつか、現場に戻してほしい」と言い続けて、10年以上が経過した。形式的には優遇されているように見えて、自分は「ショーシャンク刑務所」で終身刑を消化しているような錯覚に陥っている。
ここから抜け出すために行動をすべきかどうか。ずっと考えているが、答えが出ない。
もう10年間も、現場で闘っていないのだ。50歳。いま、戻って本当に闘えるのだろうか。
このまま死んでしまうのか。

そんな思いを持って、この映画を観てしまう。そのたびに、アンディの最後まで希望を持ち続けた生き様に身を震わせている。

「希望はいいものだ。多分最高のものだ。そして、素晴らしいものは、決して失われない」

そのために、映画の登場人物たちは、自らの道を切り開いた。

自分にできるのか、できないのか・・・。

2022年8月18日 トラジロウ

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