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メイドインアビス第2期 第4話の度し難感想 ファプタ登場ぞす

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 第3話ラストシーンからの続き。謎の少女「ファプタ」に押し倒されてしまうレグ。レグの喪われた記憶の中に、ファプタの残像が浮かぶぞす……。どうやらレグはこのファプタと呼ばれる少女を知っているらしいぞす……。

 振り向くと、成れ果て村の住人達が押し寄せようとしている。そうか、あのロボットは住人達を牽制するために撃ったのか。しかし住人達は撃たれる恐怖をものともせず、迫ろうとしている。ファプタは「王女」と呼ばれているけれど、村人達は「臣下」ではないようだ。

 一方のナナチとマジカジャ。ナナチにとっての「価値」の話をしているが……。
「仮面の男が置いていった暖かな呪いの塊」
 ミーティがいる! いや、そっちもアレだけど、ボンドルド第6層に来ていたのか。てっきり第6層まで来たら、もう帰還不能だと思っていた。んー、でもボンドルドの場合、仮面が本体だから、帰還しなくてもいい分身をイタズラに第6層に送り込んだのかも知れない……。

 ファプタのねぐら。
 石のオブジェを直しているファプタ。生活必需品には見えないので、部屋のインテリアだろう。
 石と石の間に、接着剤と思われる粘性のものが見える。接着剤に使えるものといえば、「にかわ」「アスファルト」「漆」といったところ。ファプタのねぐらを見ると、かなり原始的な生活を送っている様子なので、文明のレベルは低い。でも錆鉄に油を混ぜて塗料を作るといった知識を持っているところを見ると、何かしらの原料を加工して糊を作るくらいの知恵はあるのかも知れない……ぞす。
 石の頭に付いている穴は自然に付いたものではなく、たぶん自分でえぐった物。成れ果て村にもこの爪でえぐったような3本線のシンボルは色んなところで使われている。さて、これは何を現しているのだろうか? ……ぞす

「やっぱりファプタのレグだ」
 ……な~んでレグのおちんちんの匂いを知っているのかなぁ?
 まあ、そういう関係だったんでしょう。生殖機能はないけど生殖器はあるという状態だから、交流を深めるためにボノボ的な性交をしていたかもしれない。
 ただ、レグはその時の記憶を喪っていて、新たに書き換えられた記憶では倫理観も変わっていて、性交で交流するという発想も喪ってしまっているのかも知れない。
 それにしても、レグのケモノに対する性癖は、もともとはファプタ由来かも……。

「そんなわけなざぞす。レグ、前もレグ言ったぞす」
 「レグ」の名前はリコが昔飼っていた犬の名前から付けられたものだった……はずだけど。しかし記憶を失う以前も、レグはレグと呼ばれていた。さて、これはどういうことか。
 仮説としては、リコはもともとレグの名前を知っていた。どこかでレグと会っていた。その名前を覚えていたから、犬にもレグと名付けていた。
 ……ふうむ。リコってまだずいぶん幼いようだけど、犬を飼っていた、というのはいつ頃の話だろうか。その犬はどこにいったのだろうか? 孤児院の中で飼っていた?
 リコの記憶もちょっと疑う必要がありそうだな……。

「レグ……人の子と同じ時間、歩むつもりか? あいつら死んでもお前そのまま。どうするつもりぞす」
 じゃあやっぱりファプタは不老不死の存在なんだ。ということはナナチも不老不死? まだナナチがそういう存在である、と示唆された描写はないけども。ボンドルドとの戦いの時でも、ナナチが怪我しない、ということは気になってはいたけど、どうなんだろう?

 時計塔。
 これが意味するのは、機械文明がありますよ、とそれから第6層の時間は止まっていますよ、あるいはリコとレグの時間はやがてずれていきますよ、というテーマ的な示唆とか。

 時計塔に続いて登場するのが、機械文明の申し子であるロボット。
 でもレグみたいに人間に近いタイプでもない。この違いはなんなのだろうか?
 ロボットの頭部と思われるところに、人間を逆さまにしたようなサインが記されている。このロボット自体に価値があることが示されているのだろうか。

「確かに見蕩れるほど美しかったが、かつての僕は、あいつに何をしたんだ……」
 と、顔を赤らめながら考えるレグであった……ぞす。
 よほど心惹かれたんだろうな。やっぱりレグの性癖って……。レグは「なに」をしたんだろうなぁ。

 急にトコシエコウの花びらが大量に降ってくる。トコシエコウの花びらを撒くのは、お祝いと葬儀の時。足元を見ると、木の板が放り捨てられている。
「シェルミは奈落へ還り巡る」
 ……奈落へ還り巡る。アビス信仰によれば、魂は一度奈落の底へ落ちていき、やがて“命を願った者”の胎内に戻るという。第6層は“あの世”にもっとも近い深淵である。
 魂はアビスのどこへ格納され、どのように地上に返還されるのか……。死と再生をこの物語の中でどう描写するのか。もしかするとこの作品は、ダンテの『神曲』のような世界を描こうとしているのかも知れない……ぞす。

 さあやって参りました。前回から引き続いてリコの脱糞。第2期始まってから3回目の脱糞シーンだ。脱糞ヒロインとしての記録をどこまで伸ばすのか、今後も目が離せない。

 その脱糞を後ろから捕らえたシーン。一瞬全裸なのかと……。狙って描いたな。いいぞぉ。

 ええっと、これはメモ帳かな? 束にしているみたいだけど……。

 お宿から離れるリコ。不気味な影が被さっている。
 回りの影と比較して見るとわかるが、3本の影が異様に濃い。リコに不穏な何かが迫っていることを示唆している。アニメだからできる表現だ。

 知らない人について行っちゃダメって言われたでしょ。でも行っちゃうのがリコ。
 リコの弱点は危険を察知する本能がやたらと弱いこと。レグは逆に危険を察知しすぎてしまう。2人一緒の時はちょうどよくなるけれど、単独行動させるとあまりにも危険……。

 ここの絵、妙にエッチじゃない? 私がそういう目で見ているだけ?
 第6層において、人間の子は非常に価値が高い。そんなリコに手を出せば“制裁”が下る。それを知りつつ、成れ果ての住人はリコに手を出さずにはいられない。欲のリミッターがおかしくなっている様子がよくわかる。たぶんファプタに対しても同じように手を出そうとしていたのだろう。ここの人々は“価値”あるものを得たいのだ。

 右目の内側の線が色トレスになっている。鼻のラインに描かれていない立体があることが意識されている。いい絵だ。

 マァァさん。生きとったんかい! でも少し姿が変わっている。皮をひん剥かれて、その後再生したところが色違いになっている。やっぱりここの人たちって、基本的には不老不死なんだろうね。生皮剥いだくらいでは死なない。火葬砲で焼き尽くさない限り、死なないんだろう。

 メイニャを救い出して着地するマァァ。あ、助けようとしたのってリコじゃなくて……。
 着地の瞬間、着ぐるみ(?)の下から空気が入り込んで膨らんでいる様子がしっかり描かれている。いい絵だ。

 こだます清算の音。リコは周囲をぐるっと見回す。こういったキャラクターは頭部に立体なんてないのだけど、あたかも立体を感じられるように描かれている。しかもごまかしが効かないよう、頭をゆっくりめに動かしている。いい絵だ。

 さあ、脱出シーンだ。ここはコマ送りで見よう。

 どのコマで止めても破綻がない。立体的に描かれてる。いい絵だ。このシークエンスの原画担当は非常にレベルが高い。いい動画が見られて非常に満足。

 マァァと手を繋いで歩くリコ。その回りに出ているモヤのようなものはなんだろう? 匂い? 何か意味のある絵なのかな?

 すごくいい匂いがする……。
 と、店の前にパイプが。ちゃんとした人工物。鉄加工品だ。このパイプはこの村で生成したのだろうか。それとも廃品を拾ってきたのだろうか。

 いい匂いに混じって、ウンコ💩の臭いが……。
 ウンコの実体は出てこないが、ウンコに対するこだわりを感じるアニメだ。こんないい声で「ウンコ」って言ってくれるのもいい。
 しかしそのウンコの臭いは自身の体臭かも知れない。下した後って、なぜか自分からウンチ💩の臭いがするものだから……。

 風船状のものを割ると、中から料理が出てくる。割った瞬間匂いが拡散するし、割るまで料理が保温される。いったいどういうものか不明だけど、なかなか面白い発想で描かれている。
 でもここの人たちって、どうも不老不死っぽいけれども、食べる必要ってあるのかな? 食べることは「生きるために必要」なのではなく、ある種の趣味、もしかしたら「人間性を忘れないようにするための行動」かも知れない。

 ワズキャン! 変わり果てたなぁ……。やっぱりガンジャ隊の人たちはみんな成れ果てになって、ここで生きているんだ。それにしてもワズキャンって昆虫以外の、普通の料理も食べるんだ。ここで出されている料理が「普通」のものかどうかわからんけど。

 エピソードの最後に出てきたのは、ヴエゴ。ヴエゴだけはなぜか人間の姿を留めている……。撫でている謎の物体は頭に3本の爪痕のような印が入っている。どうやらファプタのねぐらにあったオブジェはこれを模したもののようだ。でもこれ、なんだろう?

次回


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