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あなたの本当の価値を創造する新時代の自己紹介術‼『自己紹介2.0』

はじめに
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こんにちは。伊藤 航です。
いつも本の紹介をご覧いただき、誠にありがとうございます。

本日は「Tokyo Work Design Week」発起人・オーガナイザー、&Co.代表取締役である横石 崇 氏の『自己紹介2.0』をご紹介いたします。

昨今では、『○○2.0』といった類の本が書店で目に付くようになりました。例えば、メタップス創業者、佐藤航陽(さとう かつあき)氏の『お金2.0』オリエンタルラジオ、中田敦彦(なかた あつひこ)氏の『労働2.0』などがあります。

そもそも「2.0」とは、元々はソフトウェアが大型アップデートされ、「バージョン1」から「バージョン2」に移行することを意味します。

新しい自己紹介の方法とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
早速、その内容を見て行きましょう。

「いかに覚えてもらうか」は間違い

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 新たな出会いには、自己紹介がつきものです。しかし、自己紹介するとき、ついつい会社名や部署名、名前などを伝えるだけで終わってしまっていないでしょうか。

自己紹介は「自分は何者か」を端的に説明して、「いかに覚えてもらうか」という手続きを、1分にも満たない限られた時間の中で行わなければなりません。短いときには数秒ということもあるでしょう。このような”厳しい条件下”で、多くの人は「うまく伝えられない」「頭が真っ白になる」「気の利いた言葉が出ない」「インパクトを残せない」など、コミュニケーションへの苦手意識を抱えてしまいます。

しかし実は、「いかに覚えてもらうか」という目的そのものに落とし穴があるのです。覚えてもらうことも良い印象を残すことも「目的」ではなく、あくまでも「手段」に過ぎません。

自己紹介における最大のミッション。それは良好な信頼関係を築き上げることです。初めて会う人と挨拶を交わし、短い時間の中でお互いに信頼を勝ち得ることで、次のステップへ向かうことができます。

記憶されるより、期待されよ

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 自己紹介において相手との信頼を築くためには何をしていけばいいのでしょうか。大切なのは、「期待のマネジメント」です。

「期待」とは、良い結果や状態を前向きに待つ感情のことです。初めて会った人の中から期待を生み出し、相手と自分との間にポジティブな感情を引き出すこと。そうした期待を生み出してコントロールしていくことこそが、自己紹介の成否を決めると言っても過言ではありません。

経営学者のピーター・F・ドラッカーは、「コミュニケーションの4原則」のひとつで、「コミュニケーションは期待である」と述べています。

参考までに「コミュニケーションの4原則」を紹介しておきます。自己紹介がコミュニケーションのひとつである以上、いずれも学ぶに相応しい原則です。

❶ コミュニケーションは知覚である
❷ コミュニケーションは期待である
❸ コミュニケーションは要求である
❹ コミュニケーションは情報ではない

ドラッカーは、「人は自分自身が期待する事象しか知覚できない」として、知覚を促すための期待こそがコミュニケーションを促すための鍵だと考えました。

期待こそがすべてのコミュニケーションの源泉なら、コミュニケーションの”はじまり”である自己紹介においても、「期待を生み出せるか」どうかが明暗を分けます。

自己紹介のうまい人は、自分と相手の”未来”を見据えて、自分に”期待”してもらうことに注力しています。過去と未来、記憶と期待。これらの使い分けができたとき、自己紹介は自分のものになっていくでしょう。

「期待値」を自分でコントロールする

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これまで、「期待」を生み出すことの重要性について触れてきました。
では、「期待」はどのように生み出して、マネジメントしていけばいいのでしょうか。

ここで注意すべきポイントは、期待値をひたすら上昇させればよいというわけではないということです。期待値を上げたところで、中身が伴っていなければ本末転倒です。期待と実力のギャップは、マイナスの印象を拭えなくなるでしょう。大事なのは、相手の客観的な期待値を適正な状態にコントロールすることです。

それは人でも商品でも同じです。下記の図にあるとおり、「実際の品質」と「事前の期待値」の差分によって、相手の満足度は変わってきます。品質の評価を決めるのは、あなたではなく相手です。相手が思っている期待値を上回ることができれば「合格」、下回れば次の機会はないでしょう。

期待をマネジメントする[AIMASモデル]

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 人間関係の構築は、農業にたとえることができます。

作物を収穫するにはまず、土を耕し、種をまかなければ始まりません。仕事においてもまずはやはり、協業する相手、取引する相手との関係を築くための「土台づくり」が出発点になります。いわば自己紹介とは、「土を耕す」「種をまく」行為に似ています。また、土壌が良いほど、作物はよく育ち、良い果実が収穫できるわけですから、「最高の自己紹介」ができれば、「最高の成果」につながる可能性も高くなります。

その「期待のマネジメント」をするためのロードマップとして役立つのが「AIMASモデル」です。「アイマス」と読みます。これは、基本的な自己紹介のフェーズを5つに区切ったものです。

まず、初対面の人に「自分は誰なのか」と伝えるのは、「Attention(注意関心)」と「Interest(共感)」の部分にあたります。そして、その先にある「Seeding(種まき)」で、相手と話し合いに入って初めて種をまくことができます。

ここで抑えておいていただきたいのは、あくまでも自己紹介は手段に過ぎないということです。自己紹介では笑いをとったり、目立ったりして印象に残ることが成功ではありません。自己紹介は、相手の期待を得るという目的があって、それを達成するための手段であり、ツールなのです。

最強の自己紹介は「未来」を語ること

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突然ですが、ここで問題です。次に紹介する事例のうち、どちらの自己紹介のほうが、相手の心を揺さぶることができると思いますか。ここではマッサージ師を例にしています。一方は、「最強の型」、もう一方は「最弱の型」です。ちなみに、どちらのほうがより「興味をそそられたか」という視点で考えると、正解の手がかりになるかもしれません。

【A】
❝ はじめまして。わたしはマッサージ師の○○と申します。横浜にある小さな店で、10年ぐらい勤めています。将来的に、これまでのスキルを活かして、全国展開のマッサージ店の起業を視野に入れています。❞
【B】
❝ はじめまして。○○と申します。わたしは一瞬で相手のどこが疲れているかを見抜くことができます。なぜなら、マッサージ師として、この10年間で1万人以上の身体をほぐしてきたからです。もしよければ、ちょっと肩を診させてもらえませんか? ❞

お分かりになったでしょうか。

答えは、【A】が「最弱の型」で、【B】が「最強の型」です。
2つの型を簡単に構造化してみるとこうなります。

【A】現在 ⇒ 過去 ⇒ 未来
【B】未来 ⇒ 過去 ⇒ 現在

【A】が「現在から始まって、未来を語る」のに対して、【B】は「未来から始まり、現在できるお願い」で終わっています。いずれも似たような自己紹介に見えますが、実は圧倒的な差があります。

相手との「未来」で「提供できる価値」は何なのか。
それが示されているのが一番の違いです。

【B】では初っ端から、相手との「未来」において「提供できる価値」が何なのかを簡潔に提示しています。相手との間で生まれる「未来」を意識しているために、この時点ではまだ「マッサージ師」という職業や職能は伏せられたままですが、「どういうことだろう?」と相手の中に好奇心や期待感を生み出すことができます。

この「未来」から語ることができるかが、最強の自己紹介への第一歩です。

また、【A】では地域や店舗規模といった事業の内容について語っていますが、【B】では、今までに施術を行った顧客の具体的な数を伝えたり、提供できる価値の裏付けを行い、1行目で語った内容の信用度を高めています。

地域性や事業の規模を伝えるのが悪いと言っているわけではなく、1行目で述べた「提供できる価値」に対する根拠があるかないかが大切なのです。

おわりに
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「自己紹介2.0」とは、自分が提供できる未来を伝え、相手に期待してもらうことでビジネスに不可欠な「信頼」を得ることです。

振り返ってみると、私は典型的な「最弱の型」で自己紹介をしていたことに気づきました。インサイドセールスでは、まず一番初めにお客さまから信頼していただくことが重要です。その鍵となるのが「期待」と「根拠」です。

「期待のマネジメント」という言葉が出てきましたが、ハードルを上げ過ぎても逆効果になってしまうので、工夫が必要だと感じました。

適度な期待感を持っていただき、その期待を上回るパフォーマンスを実現できれば、顧客ロイヤルティを高めることができます。

たかが自己紹介、されど自己紹介。皆さまも本書を読んで、お客さまから「全幅の信頼」を手に入れてみてはいかがでしょうか。



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私は本で世界を変えられると信じています。そして常に既存の考え方とは違う考え方をします。世界を変えるために美しいデザインかつ情報に優れた記事を世に送り出そうと努力するうちに、このような『note』ができあがりました。一緒に世界を変えてみませんか?