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【投資の種類5】 モノの予約をする先物

今回は、先物についてお話します。少し長めの文章になりますが、投資の種類についての説明は今回で最後です。

1 先物とは

投資に興味がある方は「先物」や「先物取り引き」、「先物商品」といった言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。素人同然の私は、かつて「先物とはどのような商品だろう?」と考えていたことがあります。

しかし実際のところ「先物」という「もの」は存在していません。先物、あるいは先物取引とは「未来の価格を決めて取り引きする」という行為のことを指すのです。

たとえば、あなたがレストランの料理人だとします。そのレストランの名物は、 1500 円の牛肉のステーキです。来店するお客様の大半がステーキを注文します。したがって、牛肉は毎日仕入れなければなりません。

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ところが、品質や生産量などによって牛肉の仕入れ値は日々変わります。レストランでの提供価格は 1500 円と決めていますので、人件費などの諸経費を無視すると、
・500 円で仕入れた時の利益は 1000 円
・600 円で仕入れた時の利益は 900 円
となります。

「仕入れ価格によって提供価格を変えれば良い」と考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、同じ料理の値段がコロコロ変わるような営業の仕方をしていては、お客様の信頼を得にくいでしょう。

そこで、お肉屋さんに頼んで「今後3年間、私はあなたの店から定期的に牛肉を購入するので、毎日500円で売って欲しい」と交渉します。交渉が成立するか決裂するかは分かりませんが、お肉屋さんも安定した収入がほしいはずですので、きっと了承してくれるでしょう。

このように、将来的にどのような価格になるかは分からないが、ある価格を設定して、今より“先”の“物”を購入する“行為”のことを「先物」と言います。

2 代表的な先物の種類

代表的な先物の種類を挙げると、これまでに出てきた投資の種類そのものになります。すなわち、以下のとおりです。

・株
・債券
・貨幣
・現物

3 先物のリスク

先物にも当然リスクが伴います。未来の価格を現時点で決めていることが主なリスクです。

先のレストランの場合で考えてみましょう。ある時点で、「今後 3 年間、牛肉を定期的に 500 円で購入する」という取り決めをお肉屋さんと交わしました。ところが 3 ヶ月後、そのお肉屋さんでは同じランクの牛肉の価格が 300 円になってしまいます。しかし、自分は取り決めどおりに 500 円で購入しなければなりません。これでは損することになってしまいますね。

逆に、牛肉の価格が急に高騰して 700 円で売られることになる可能性もあります。この場合には得をすることになります。

また、「3年間」「定期的に」という約束があるため「今月はお客さんが少なくて売上が厳しいし、牛肉も余ってるんだよな」という時でも購入しなければなりません。購入後も客足が伸びなければ、お店としてはかなりの損失になってしまうでしょう。

このように、将来どうなるかは誰にも分からないのに、とある時点で“物”の購入を予約するという行為には、それ相応のリスクがあるのです。

4 まとめ

今回のまとめです。

・ 先物あるいは先物取引とは、価格を決めて予約をする行為である
・投資対象のほとんどが先物取引可能
・モノの価値は刻一刻と変わるため、未来の価格の決定にはリスクがある

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しがない薄給の会社員です。大金持ちになることは、とうの昔に諦めましたが、将来、無一文になることには恐怖を感じています。衣食住に苦労せず、人生をゴールしたい、そんな思いでノートをはじめました。ノートが多くの人の役に立つことを願っています。もしよろしければ、サポートをおねがいします。