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無断キャンセルをなくすためにできること

こんにちは。COO室のHMです。

飲食店の皆様から待ち望む声を多くいただいていた「トレタ キャンセルプロテクション」を1月9日にリリースしました。

飲食店予約時にお客様が予約フォームにクレジットカード情報を登録することで、キャンセル等が発生した場合に、キャンセルポリシーに従って、飲食店側がキャンセル料の徴収ができる機能です。直前キャンセルや無断キャンセルによる損失を軽減し、キャンセル料徴収の手間が省けます。一方、予約したお客様にとってもスムーズにキャンセル料の支払いが完了します。

2023年の忘年会シーズンは、アフターコロナを感じさせる賑わいが街のあちこちで見られ、2024年の新年会、歓送迎会シーズンも活況です。トレタが保有するデータでも、コロナ禍の2019年と比較して100%前後の来店人数にまで回復しています。ところが、残念なことに、来店人数の増加に比例するかのように直前キャンセルや無断キャンセルの発生件数も増加傾向のようです。先日訪れた飲食店でも「無断キャンセルがあった」と店長が肩を落としていました。

無断キャンセルをなくしたい、それがトレタの願いです。このnoteでは、無断キャンセルがなぜダメなのかを解説します。

「無断キャンセル 」と「直前キャンセル(ドタキャン)」は飲食店にとって別物

直前キャンセルはキャンセルの意思が示されるので、飲食店は予約席を開放して別のお客様を案内するなどの何かしらの手を打てます。もちろん、意思表示が早ければ早いほど、飲食店が講じられる策の幅は広がります。

ところが、予約時間日時を過ぎてもお客様が現れず、連絡もない「無断キャンセル」は、来るか来ないかはっきりしないお客様を待つことになります。電車が遅れているかもしれない、予約時間を勘違いされているのかもと考えると、予約席に他のお客様も通すことはできません。

ちなみに、トレタが2018年に分析したデータでは、飲食店における予約のキャンセルは予約全体の約1割、さらにその中の1割が無断キャンセルに該当します。2018年に経済産業省が発表した「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」によると、無断キャンセルによって発生する飲食店の損害額は年間約2,000億円になると試算されています。恐ろしい金額ですね。

キャンセルによって発生する負の連鎖

無断キャンセルが発生したとしても、次のお客様を通せばいいと思う方もいるかもしれません。ところが、そうした賑わいは限られた時間帯だけのこともあり、一般的に飲食店にとってキャンセルを埋めるのは簡単なことではありません。もちろん、立地や価格帯、業態によっては次のお客様をすぐに案内できる場合もありますが、それはほんの一握りの飲食店です。

席を埋められなかったとしても、食材を他のお客様に転用できると思われるかもしれません。当然、多くの飲食店では食材を無駄にしない努力をされています。しかし、来店時刻に合わせて仕込んだ料理や、鮮度が命の食材を扱う飲食店では、転用は難しいこともあります。せっかく準備した食材を廃棄しなくてはならない悔しさを思うと、胸が痛みます。

機会損失や売上損失だけでなく、キャンセル対応にまつわる業務の増加、用意した食材の廃棄に加えて、配置したスタッフまでも無駄になるなど、無断キャンセルは付随する損失も大きいのです。スタッフの精神的なダメージも大きく、モチベーションの低下も招きます。ある居酒屋の店長は「無断キャンセルが発生すると人間不信になる」とこぼしていたほどです。

無断キャンセルと直前キャンセルは似たようですが、無断キャンセルのほうがはるかに悪質と言えるのです。

なぜ無断キャンセルは発生するのか

では、なぜ無断キャンセルは発生するのでしょうか? マナーが悪い人が増えたの? 

飲食店の方々に話を聞くと、決してそんな理由ではないようです。多くはキャンセルの連絡をうっかり忘れていただけなのです。うっかりしてしまう背景に、飲食店へのキャンセル連絡の時間帯や手段が限られていることや、お客様が連絡しやすい時間帯が、飲食店にとっては忙しい時間帯であることが挙げられます。ランチタイムで忙しいだろうから後でと考えているうちに、キャンセル連絡そのものを忘れてしまうのです。

もうひとつの理由が、無断キャンセルの影響を軽く考えている認識不足です。自分が行かなくてもすぐに席が埋まるだろうと考え、飲食店の迷惑になっているとは認識していないのです。外国人旅行者の一部にはキャンセル連絡の習慣がないとも耳にします。このような文化や常識の違いも、この認識不足に含まれます。

最後は、悪意のある無断キャンセルです。困らせてやろうとわざと無断キャンセルを発生させる犯罪行為です。しかし、これは稀なケースでしょう。

飲食店はどんな無断キャンセル対策ができるのか

無断キャンセルがなくなることが理想ですが、ゼロにできる方法はありません。業態や席数、立地などによって最適な無断キャンセル対策も異なるため、これさえやればいいという特効薬も存在しません。複数の策を組み合わせて講じることで、無断キャンセルの発生を防ぐほかありません。

うっかりの無断キャンセルが多いのであれば、予約のリマインドを行ったり、キャンセルの連絡をしやすい環境を整えるのもひとつの手です。オンライン予約の場合はオンラインで簡単にキャンセルができるようにしたり、来店日時直前までキャンセルを受け付けるのも手です。外国人旅行者の来店が多い飲食店では、多言語での予約リマインドやキャンセル受付を行う対策も有効です。これらに加えて、事前決済やキャンセルとなった席のリセールや、キャンセル料の回収など、無断キャンセルに関連するさまざまなサービスが続々と登場していますので、取り入れてみるのも良さそうです。

トレタでは、2023年6月にキャンセル料の請求・回収業務を、かんたんに請求・回収・管理することが可能になるデジタル請求ツール「Payn(ペイン)」の提供をスタートしています。

1月に提供スタートしたトレタ キャンセルプロテクションは、キャンセル等が発生した場合に、飲食店がキャンセル料の徴収ができる機能です。デポジット(事前預かり金)とは異なり、事前決済ではなく、あくまでもキャンセル等が発生した場合のみ決済の対象となります。新規のお客様や一定額以上の予約のお客様のみトレタ キャンセルプロテクションでの予約をご案内してキャンセルによるリスク軽減を図るなど、柔軟な対応もできます。

コロナ以前よりもダメージの大きい無断キャンセル

コロナ禍以前に比べて、人手不足や食材費、光熱費の高騰などのコスト上昇などの背景から、無断キャンセルが与える損失はさらに大きくなり、深刻化しています。仕事帰りなど当日に思い立って飲みに行こうという機会が少なくなったせいか、当日の空席が埋まりにくくなったという声も聞かれており、ダメージのリカバリーも難しくなっています。

飲食店の支援を行っている私たちトレタとしては、飲食店に損失を与える無断キャンセルがなくなることが願いです。Paynやトレタ キャンセルプロテクションなどの機能やサービスの提供に加えて、飲食店を利用する皆さんに、無断キャンセルが飲食店に及ぼすダメージについて知っていただけたらと考えています。

もし、うっかり無断キャンセルをしてしまった時はすぐに飲食店に連絡をしてください。気まずいかもしれませんが、飲食店の方は連絡を待っていますよ!


トレタは今、さまざまなポジションを募集しています。飲食店を支援するトレタに興味をもった方はお声がけくださいね。もちろん、カジュアル面談からでもOKです。