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#1 この1問!整式の除法と余り~余りの工夫~

問題

とりあえず,問題を解いてみてくださいね!


テーマ

整式の除法についての余りに関する問題ですね。(1)に関しては基本事項ですが整式の除法へのアプローチの原則への理解が必須です。(2)(3)については少し難しい要素がありますが,完璧にしておきたいですね!計算力も一定必要になります。

略解

式①と式②の立式が基本的なポイントです。剰余の定理や因数定理を暗記して使うことができるだけでは,このように2次式で割るときに困ってしまいますので,このアプローチができるようにしましょう!(1)の解法は基本ですよね?

最初の1式目がハードルが高いですね。よく「余りの工夫」と呼ばれるアプローチになります。$${P(x)}$$を$${(x+1)(x-1)^2}$$で割った余りは何も考えなければ$${ax^2+bx+c}$$となりますが,$${P(x)}$$全体を$${(x-1)^2}$$で割った余りが$${2x+5}$$となることから,この余り$${ax^2+bx+c}$$も$${(x-1)^2}$$で割った余りが$${2x+5}$$となります。そのため,このように工夫しておくことができます。
このように「余りを工夫」する理由は文字を$${ax^2+bx+c}$$と3文字使うより,$${a(x-1)^2+2x+5}$$と1文字で済ませてしまう方が複雑にならなくて済むからです。

ちなみに,$${ax^2+bx+c}$$とおいても次のように解答することもできます。こっちは先ほどと違って論証はそれほど難しくはないですが,その対価として計算が煩雑になります。ただ,単純に$${(x-1)^2}$$で実際に割り算するので,解法としてはこっちの方がまっすぐですね。

入試問題では(3)の解答にはそれまでの(1)(2)が誘導になっていることも多いので,しっかり誘導にのることが大切です。(2)では別解も紹介しましたが,「余りの工夫」は身に付けておきましょう。1式目は(2)の結果「$${P(x)}$$を$${(x+1)(x-1)^2}$$で割った余りが$${\frac{1}{2}x^2+x+\frac{11}{2}}$$」であることと,「余りの工夫」を使っています。

そのうえで,$${P(x)}$$を$${(x+1)^2}$$で割った余りは(2)のように筆算して求めています。

(3)まで解ききれれば,整式の除法と余りに関する問題の解法はマスターできるでしょう!何度も繰り返し解いておきたい問題ですね!

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