ユーラシア大陸横断日記17 カスピ海を目指してクングラード(コングラット)へ(ウズベキスタン)
ユーラシア大陸を西へ西へ、中国の上海からポルトガルのロカ岬まで。
陸路・海路でユーラシア大陸を横断した、ユーラシア大陸横断(2008)の記録です。
ヒヴァで完全におなかを壊して数日。宿の主人のおっちゃんからもらったあやしげな緑色のカプセルのおかげで回復し、ヒヴァに別れを告げ、また西へと進んでいくきます。
前回はこちらです ↓
砂漠を越えてカスピ海へ
なぞのカプセルをくれたそのあとも、おっちゃんはお粥をつくって出してくれたり何かとからだの具合を気にしてくれたりで本当に助かった。
ありがとうおっちゃん!
おかげさまで体調も次第によくなってきた。
ヒヴァでは観光的なことがほとんどできていないけれど、ずいぶん長居してしまったし、そろそろ出発しようと思った。
宿のおっちゃんはタクシードライバーでもあるので、このあとのこともちょっと相談。
ウズベキスタンを西に横断し、カザフスタンに再入国してカスピ海横断フェリーに乗る、これが自分のちょっとした夢だった。
フェリーが出る港はアクタウ。
アクタウ行きの列車がヒヴァの西にあるクングラード(コングラット)という街から出ているところまでは日本を出発する前に調べて知っていた。
まずはクングラードに行かないといけない。
「ここからクングラードに行きたい」
おっちゃんに聞いてみると、例によってクングラードに行く交通手段はタクシーしかなかったが、これもおっちゃんがドライバーなのでそのまま送ってくれることになった。
何から何までありがとうおっちゃん!
ヒヴァからクングラードへ
お腹の調子もよくなってヒヴァを出発。
カスピ海の横断に向けてまずはカザフスタンに再入国、横断フェリーの出る港アクタウへ向けて動き出す。
宿のおっちゃんに、まずはクングラードまで送ってもらう。ヒヴァから西におよそ360kmにあり、ここからカザフスタンのアクタウに向かう列車が出ている。
クングラードまで、ひたすら砂漠の道を走り続けた。
かなり距離があるので、途中で別のドライバーさんにリレーのように引き渡され、クングラードらしき場所のターミナルのようなところ(つまるところ自分でもよくわかっていない 笑)に夕方ごろに到着した。
なんのトラブルもなくいたってスムーズ。ただこの辺までやってくるとガイドブックやインターネット上の情報はほとんどなく、当然宿の情報もない。
ここがクングラードなのかもほんとのところわからない。
とりあえず列車の出ているはずのクングラード駅に行くことにしようと決める。
こんなところまで来る旅行者は珍しいのか、すぐに人だかりができて、
「どこに行くの?」
とあっちこっちから聞かれまくった。
幸いなことにターミナルっぽいところなのでタクシードライバーさんもたくさんいる。
「クングラードの駅に行きたいのだけど…」
ドライバーさんたちはわれもわれもと名乗りをあげ、「自分が連れて行こう!」と盛り上がる。
タクシーに困ることはなさそうなのでひとまず安心 笑
結局、話し合いの末に1人のおっちゃんドライバーが駅まで連れて行ってくれることになった。
荷物を積み込み、自分も乗り込んでタクシーは出発する。
そういえば、値段を聞いていなかった。
乗る前に値段交渉するのがあたり前の世界だけど、長旅の疲れかガイドブックもネットの情報も何もない不安からかうっかり忘れていた。おそるおそる聞いてみると、
「ただでいいよ!サービス!」
と料金をとらずに駅まで届けてくれた。感謝感謝…
見ず知らずの旅人に本当にありがたかった。
クングラードの駅で
タクシーで10分もかからずクングラード駅に到着。
おっちゃんにお礼を言って、とりあえず駅の中に入ってみる。
列車の切符を買わねばならない。
周囲をぐるっと見回すと、片隅に窓口のような場所を発見。制服姿のおばちゃんがこっちを見ている…
「アクタウに行きたい」
とにかく聞いてみると、なんとなく気難しいかんじにみえていたおばちゃんだったが懇切丁寧に教えてくれた。
このクングラード駅から列車に乗ってカザフスタンのベイネウに向かう、ベイネウからアクタウ行きの列車が出ているから、そこで乗り換える、とのことだった。
出発は朝。今日はここで1泊する必要があった。
「どこかに安くていい宿はありますか?」
これもとにかく聞いてみる。わからなかったらとにかく聞く!だった。
「ここに泊まっていったらいいよ」
!?えええ!?周りに泊まるようなところは見当たらなかったから、宿探しは苦労するかなと思っていたら、なんと駅に泊まれるらしい。
おばちゃんのいる窓口の奥になぜか部屋があってそこに泊まったら?という。おそらくだけど、駅員さん用の宿泊スペースっぽい。
でもお高いんでしょう?と思って値段を聞いたらこちらもなんと1泊160円。
安い…!ほんとにラッキー。ありがたく泊まらせてもらうことにした。
泊まれる場所も決まり、ほっとひと安心。
駅前の道でたくさんお店が出ていたから、そこで夜ごはんを買うことにした。
そういえばこれがウズベキスタンラストナイト。
明日の朝には列車に乗り、国境を越えてカザフスタンへと向かう、はず。
ヤラマーでの国境越えに始まり、タシュケント、サマルカンド、ブハラ、ヒヴァ、そしてクングラード。
いろんな巡り合わせで、いろんな人たちと出会い、元気にここまでやってこられた。
みんなに感謝しながら、ビールを1本買って最後の夜をお祝いした。
こちらに続きます ↓
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