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なつかし劇場/スタンド・バイ・ミート

このお話は、今は遠くなりし、昭和の時代のフィクションでございます。

バイクで、SMTRに集合する、浜ちゃん、クマ、小生。

焼き肉や寿司、スパゲッティーなど何でも食べ放題の名店です。

しかしながら、満腹になってしまえば、もう価値はございません。

そこで、貧乏高校生は知恵を絞りました。

スーパーのタダでくれる薄い袋に、肉を入れて、持って帰ろう。

焼き肉を食べつつも、店員の目を盗み生肉を袋にイン。

生肉の収穫は2〜3キロ。

クマの家に持ち帰り、冷蔵庫で保管です。

庭の池に錦鯉を飼っている、プチ金持ちのクマの家には、大型のホットプレートがあるのです。

そして翌日、赤羽ダイエーの食品売り場に集合。

コーラや玉ねぎ、エバラ焼き肉のタレを購入し、クマの家に向かいます。

クマの家の前に着くと、


「さあ、2日連続の焼き肉だぜ〜!」


盛り上がる馬鹿連中。

その直後、戸口に近づいたクマに異変が、


「か、母さぁ〜ん!」


岸壁の母の逆バージョン的な、魂の叫びを残し、頭をかかえしゃがみ込むクマ。

浜ちゃんと小生が戸口を見ると、


「バルサン中」


の張り紙が!


「おいおい!どーすんの?」


数秒の沈黙。
やがてクマが立ち上がり、、


「みんな、庭にまわってくれ、オレが取ってくる」


意を決して、戸口を開け、突入するクマ。

庭にまわり、しばらくすると、、

ホットプレート、肉、紙皿、割り箸を黒いゴミ袋に入れ、タオルでマスクをしたクマが、縁側のサッシをガラガラと開け、ケムリと共に登場!


「お〜!パチ、パチ、パチ」


拍手で迎える、浜ちゃんと小生。

さすがはプチ金持ちの家、庭にコンセントがあるのです。

早速、焼き肉を開始する、馬鹿連中。


ジュゥゥゥゥ!
ジュゥゥゥゥ!


期せずして、野外での焼肉大会となります。

天までつき抜けるような青空の下。

立ったまま食べる焼き肉は、やたらとうまく感じます。


「うめえぇぇぇ!」


肉を噛み締め、青空を見上げ、感情がほどばしる、小生。

これがのちに、23区の貧民窟といわれた、足立区、荒川区、北区の中で初めて行われたバーベキュー大会として、

令和の世にも、語り継がれる事となりました。













最後までお付き合いいただき
ありがとうございました。(*´∀`*)










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