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僕が教員を辞めたのは、今このためなのかもしれない。

なぜ?という問いへの回答は、理由も目的もあり得る。

僕が先生という仕事を退職したのは、過去のこと・理由で言えば「心苦しい時間が積み重なったから」だし、未来のこと・目的で言えば「自分を知り、可能性を広げるため」だったからだ。

ミニマリスト・複業というスタイルで身軽に複数同時展開的に活動する。その中で自分の指針を見つけていこう。そう思って”安定”を手放した。(これからの時代、何が”安定”かはさておいて)

そのタイミングで新型コロナウイルス騒動。各所一気に動き出したオンライン活動にお声かけいただき、身軽な立場だからと次々に参画。そこから話が展開し、僕の日々は出来上がり、思いもよらなかった形で今、生きている。


オンライン。

自分にとってここまで大きなものになるとは思っていなかった。そしてそれらが「教育」という軸で結びつきつつあることも。

教育。

やっぱりこれが、僕の核にあるらしい。


教育系NPOカタリバのオンライン事業。立ち上げ後のいったんの安定期→変革期にこの事業に関われていること、本当に有難い。

子どもの意欲を大事にすること。そのために変化を厭わないこと。NPOだからこそのスピード感で、どんどん変わっていけること。運営メンバーとして、高い意志決定レベルでそこに携われていること。コミュニティ的な観点から、教育的な観点から自分が思い描くものを提案できること。

”学校”が本来やりたかったことが結晶化した、”理想の学校”みたいな場所を目指していけるのかもしれない。学校だけではどうしても漏れてしまう部分をカウンターバランスとして補完して、「学校とカタリバオンラインとの二つによって出来上がる公教育」みたいなものが描けるのかもしれない。

そしてその時、小学校非常勤教員であり、カタリバオンライン運営メンバーでもある立場として両方に関わる自分。その重なりに、狭間に、グラデーションに、また見えてくるものがありそうだと思えている。


オンライン体験フェス。配信じゃなく、双方向というやり方。そこに生まれるやり取りがあって、予想外が起きるからこそ互いの存在に意味があるということ。ずっと考えてきたそんなことが、まさかここで繋がるなんて。

そうした言葉にはしなくてもメンバーみんな「双方向じゃなきゃ仕方がない」と思っていて、オンライン=双方向の可能性が自分の中でどんどん広がっていく。一方的でないということが、すごく温かさをもっていること。

ここから生まれたオンライン観光という世界観。実際に会っていなくてもオンラインで、双方向でやり取りできたから、地理的距離を越えて心が近くなる。それをこれまで本当は、我々オトナはしたかったんじゃないかということ。その心地好さを子どもはきっと、直感しているだろうということ。それこそ”教育”に一番必要なものなんじゃないかということ。


それがきっかけでお声かけいただいたオンライン修学旅行ライブ配信も。テーマは教育、双方向、互いのいる意味。

やっぱり”教育”は自分から離れないみたい。

携わるそれぞれの場所で言ってきた、双方向が大事で、予想通りじゃ”あなたと私”が出逢った証が無くて、触れ合い影響し合うから互いの存在に意味があって、その実感が人にとって根本的に大切なんじゃないかってこと。

それは僕が10年間の教員生活で考えてきたことで。
退職し、オンラインで始まった色々を通して、「教員であった僕」は肯定されてきた。


だからここにふと、

僕が教員を辞めたのは、今このためなのかもしれない。

なんてことを思う。


コロナでオンライン隆盛の時に自分が身軽であったこと。これまで教育に身を置いてきたこと。学校という場所が感じつつある変化の必要性。そんな今とこれまでが、このタイミングで混じり合う。

教育の、オンラインとオフラインのハイブリッド、教育の「こうありたかった」と「今ならできる」の統合。

今その道が見えつつあって、自分にいくつかの足場があって、やろうと思えば出来そうな状況に自分がいること。”こうありたかった”を、やっぱりやりたいと感じること。

時代と状況のその重なりは、運命や使命とでも呼べるのかもしれないな、なんて。


だから、この問いへの回答。

僕はなぜ教員を辞めたのか?

やっていることとか時代とか、そうしたものが繋がった時に感じられる納得・意味もまた、理由になり得るのだと思った。


改めて、教育の、オンラインとオフラインのハイブリッド、教育の「こうありたかった」と「今ならできる」の統合。それが自分の来た道と、今いる場所とをうまく繋げている。
だから自分が今いる意味と、やるべきことをそこに見出せる。

カフェだって、目の前のその人を大切にするということだし。

うん、今はいったんこれで好いんじゃないだろうか。ミッション?ビジョン?生涯をかけてこれをやりますなんて言えないけれど、ひとまずこれでエネルギーは十分。

変化したりクリアしたりしたら、またそのタイミングで次のミッションがきっと見つかる。「とりあえずの結論」として、自分が熱をもって取り組むのはこれだということ。
それを重ねて変化するのなら、それが自分で好いのだということ。


ということで、”複業教員”として。こんな方向性で、今は歩いてみようと思います。

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