見出し画像

【読んだ本】 ビジネス大学30分 プロジェクトマネジメント/延江 俊輝

この本を一言で言うと...

実践的なプロジェクトマネジメントのノウハウがケーススタディで学べる本

読むべき人は...

① プロジェクトマネジメントについて学び始めの人

② PMが陥るであろうリアルな状況をケーススタディで想定したい人

読んで学んだことは...

顧客接点マネジメントについて、以下の学びがあった。

● 顧客の発注動機の理解

費用に見合った「期待効果」が得られるかが、顧客の発注動機に大きな影響を与える。期待効果は「費用削減型の効果」「付加価値型の効果」「発注するしかない義務型」の3タイプに分かれる。

また、外部委託の理由は2種類あり、自社にノウハウやマンパワーがないために外部に頼らざるを得ない場合と、自社で対応可能だが外部委託することでリソース・コスト面でメリットがあると判断した場合。前者は顧客をリードすることが歓迎され、後者の場合は教示するようなスタンスだと嫌悪感を示されるケースがある。

● 顧客体質の理解

企業は冒険や実験的な試みを好む体質と、嫌う体質のどちらかに別れることが多い。顧客の体質に合わせて提案内容などをオリジナル志向か他社追随志向かを使い分ける。

● 顧客体制の理解

顧客側に意思決定の責任を持つメンバーが存在しているかどうかを確認する。顧客側の責任体制の弱さは、スケジュールの遅れや認識のズレに繋がる。

また、発注側と受注側の上位責任者でプロジェクトをコントロールする「ステアリング・コミッティ」を設置するのも有効。

● 顧客満足度を高めるためには

プロジェクトにおける顧客満足は「成果物が満足いくものだったか(費用対効果が高かったか)」と言えるが、この効果測定は成果物完成後にしか測れず、また顧客側の運用努力にもよるため、成果物だけで顧客満足を測ることは実際には難しい。

現実的な顧客満足は、プロジェクトが期待どおりの品質と納期で完了したかなどを含めた「プロジェクト推進期間中での満足度」である。不測の事態できちんと問題解決を行えたか、日常のコミュニケーションにズレがなかったかなどが、顧客満足度を左右する。この顧客満足度を向上させるためには、顧客の体質や立場を理解した上で適切な行動を取る必要がある。

読んで思ったことは...

プロジェクトマネジメントを大きく「プロセスマネジメント」「顧客接点マネジメント」「組織マネジメント」に分けた上で解説している本。その中でも「顧客接点マネジメント」は、PMBOKには載っていない現実に即したノウハウが詰まっていて参考になった。

特に「プロジェクトにおける顧客満足を何で測るのか」という内容については、プロジェクトの評価指標を検討する上で参考になる。
顧客満足は「プロジェクト推進期間中での顧客の満足感」で測られる。一方で、顧客の満足感が高くてもつくったプロダクトが成功するとは限らない。

このジレンマを解消できるような品質の高いプロジェクトを生み出す仕組み(評価の仕組み)を検討していきたいところ。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?