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海外展開を進めてきて、ついにアメリカ攻略の道筋が見えた

mybestは海外8つの国と地域に進出しています。

日本では「mybest」を月間約3,500万人に使ってもらっていますが、海外でも全部合わせるとすでに月間1,000万人のユーザーがいます。

うまくいってる国は、台湾、インドネシア、タイ、ブラジルあたり。逆に苦戦しているのはフィリピン、アメリカ、イギリス。英語圏の国はやっぱり難しいなというのが実感としてあります。

今年はアメリカを獲りにいきます!

というわけで今年はアメリカに注力します。

これまでは僕も99%国内事業に時間を割いていたのですが、今期からは2〜3割くらいをアメリカに割きたいと思っています。

というのも、アメリカを獲らないと何の意味もないからです。もし獲れなければ、逆にアメリカを獲った会社が他の国にも進出して、ひっくり返されてしまいます。ITの世界は「Winner takes all」。だから、アメリカ攻略は必須なのです。

アメリカ攻略が難しいのは、競合がすごく強いからです。

たとえば「The Wirecutter(ワイヤーカッター)」。有名なモノ比較系のサイトなのですが、ここはドメインが死ぬほど強いんです。ニューヨークタイムズが買収して、ニューヨークタイムズのドメインの傘下に入ったからです。

それ以上に強いのが「Consumer Reports(コンシューマー・リポート)」。80年以上の歴史があり、商品を比較する独自の試験施設を持っていたりして、向こうではすごく有名な存在です。

アメリカでの競合は手強いのですが、それでも僕は攻略できると思っています。今回はその理由をお伝えしたいと思っています。

アメリカ版mybest。クリックすると飛びます。

世界中の人が使うサービスを作りたい

と、その前に僕らがこれまでどうやって海外展開を進めてきたかを少しお話しします。

海外展開を始めたのは、創業してまだ1年経ってないくらいの頃でした。

セオリーとしては国内事業を完成させてから海外に展開するのが普通だと思うのですが、僕は「世界中の人が使うようなサービスを作りたい」という思いが強くありました。だから、少なくとも種まきだけは早期に始めておきたいと思っていたのです。

mybestは、選択という領域の課題解決を目指して事業展開していますが、「現状の選択」がGoogle検索で行われている以上、初期のマーケティング手段としてSEOがとても重要になります。

でも、SEOをおさえるのには少し時間がかかる。そこで「種まき的に海外もマーケティング手段をおさえることだけはやっておこう」と思ったというわけです。

1カ国1000万円で始められる

「海外展開」というと莫大な予算が必要なイメージがあるかもしれません。

でも僕らは別に実店舗を出すわけではありません。向こうに拠点を構えて、仕入れがあるといったようなものではない。インターネットのサービスなので日本にいながらできるわけです。

なので1カ国1000万円ほどあればチャレンジできてしまいます。

本来であれば、その国の独自性や国民性なんかを市場調査をしてからちょっとずつやるのかもしれませんが「まずやってみたほうが早い」と考えました。

どの国も進めていくなかで、初めてわかることはたくさん出てきます。いちいち悩んでそこで時間がかかるくらいなら、一回やってみちゃったほうがいい。悩んでる時間のほうがもったいない。

僕はまず「1000万円でそれぞれの国や地域のポテンシャルを見極められるなら、30年後のGDP上位の国はとりあえず全部やってみよう」と思いました。ネットで「国 GDP 将来」と検索して、いちばん上に出てきたレポートに書いてあった上位にあがっている国を全部やる。

まずは上位の11カ国にチャレンジしてみることにしました。「とりあえずメディア立ち上げてみよう」ぐらいのノリだったので、海外展開における壁があったかというと、実はほぼありませんでした。

気合いで外国人を集めてくる

初期の頃の集合写真。写っている人のうち約半分は外国籍のメンバーです。

海外展開を進めるうえで、誰かにアドバイスをもらいにいくようなこともありませんでした。自分で考えて、完全に手探りです。

まずやったのが「人集め」。

台湾の人とインドネシアの人を雇ったのですが、台湾の人は台湾語教室に行って先生を引き抜いてきたり、インドネシアの人は代々木公園でやっていた「インドネシアフェス」みたいなもので屋台を出している現地の方をリクルーティングしたりしてました。

あとは友だちの友だちを頑張って芋づる式に紹介してもらったりとか、採用媒体に出稿する資金力もなかったので本当に気合いで探してました。

日本に住んでいる海外の人のいいところは、日本特有といわれたりもする「細やかさ」や「勤勉さ」を持っている人が多いこと。漫画やアニメといった日本の文化が好きで移住してくる人が多いので、日本的な気質に近い人が多いのかもしれません。そういった気質は徹底したクオリティを追求する僕らのコンテンツ制作にすごく向いていました。

当時のオフィスはまだマンションのワンルーム。10畳もないような部屋だったのですが、そのころから外国籍の社員が3人ほど、アルバイトも数名いました。ちなみにいま社員は200人くらいまで増えていますが、そのうち30人くらいは外国籍のメンバーです。

「いいものを選びたい」という思いは同じ

海外展開を始めてみて思ったのが「文化の違いによる壁は意外にないな」ということでした。

「mybest」は最適なモノやサービスを選択できるサービスですが、別に日本人だけが選択のために情報を探すわけではありません。そこは、台湾の人であろうが、インドネシアの人であろうが、みんな同じように探しています。

もちろん選択の基準はモノによって違うことはあります。

例えばファンデーションだとしたら、国によって気候は違うので日本人が求める指標とは違ったりします。汗で落ちないことを重視する傾向の国もあれば、ベタつかないことを重視する国もある。

ただそこも仕組みでキャッチアップできる範囲内かなと思っています。

「世界で勝てるぞ」という手応え

いろいろな国に展開していって「これなら世界で勝てるぞ」という手応えを感じました。それは日本人気質のきめ細やかな「オペレーション」が強みになることに気づいたからです。

オペレーションで世界を獲った日本企業がトヨタです。「トヨタ生産方式」はハーバードのMBAの教科書に出てくるくらい世界でも有名です。彼らの武器は「クオリティが高くて安い車を作るオペレーション」でした。

実は僕は、新卒で入った投資銀行でトヨタ系列の自動車部品の会社を担当していたことがあります。そこでトヨタ生産方式を間近で見ました。「カンバン方式」や「アンドン」など、それまで名前しか聞いたことのなかった工夫のすべてを生で見ることができた。「ああ、これが世界を獲ったオペレーションなのか!」と興奮したのを覚えています。

「ものづくりの精神」でアメリカは攻略できる

アメリカコンテンツ内の説明画像

いいオペレーションを作りあげるために必要なのが「ユーザーにいいものを届けたい」という「ものづくりの精神」です。

コンテンツは「ユーザーにいいものを届けたい」という「ものづくりの精神」が最終的なクオリティに大きく影響します。ユーザーをリアルに想像した配慮や細やかさがあるかないかで、写真や文章にも大きく差が出てくる。

そこはやっぱり日本人のほうが強いと思っています。海外のコンテンツを見ても、日本以上にきちんとしたコンテンツを作っている国は見当たりませんでした。

アメリカの競合もドメインパワーはすごく強くて、今はもちろん敵わないのですが、それも一時的だと思っています。最終的には「いいコンテンツかどうか、ユーザーの課題を解決できるかどうか」が勝負を分ける。

Googleも、ユーザーの課題解決が最もできるコンテンツを検索上位に出そうとしているわけです。ユーザーファーストを追求する。ユーザーの課題解決を追求する。そうすれば勝てる。というより、僕の中では勝てない理由が見つからないんです。

いま、アメリカからモノを輸入しまくってます

アメリカで販売されているソフトクーラーバックの検証

精神論ばかり話しましたが、具体的にどのようにアメリカを攻略しようとしているのかというと、アメリカのAmazonなどでモノを買って輸入し、日本人が日本でそれを検証してコンテンツ化する形で攻略していこうと考えています。

なので今オフィスには、アメリカから届いた荷物で溢れかえっています笑

現地に拠点を作ってやることも考えました。ただ、現地で日本と同じレベルのオペレーションを作って、日本人ならではの「ものづくりの精神」を根付かせ、各ジャンルごとに専門性を持ったメンバーを採用していくのは難易度が高い。それよりは日本で専門的な知見を持った日本人が、海外の文化の違いを理解してコンテンツを作るほうが難易度が低いと判断しました。文化の違いはオペレーションでアジャストできると考えています。

ちなみに、コンテンツ制作をする商材に詳しいメンバーを、うちでは「ガイド」と呼んでいます。うちのガイドは日本においてそれぞれの商材の選択において、とても影響力がありますが、これを世界展開するということは「世界中のその商材の選択に影響力を及ぼす」ことになります。

それってすごいことだと思うのです。

たとえばカメラのコンテンツを作っているガイドは、もともと日本の家電量販店で働いていたようなメンバーです。mybestでガイドをやることで、日本でいちばんカメラの選択に影響力を持った人と言っても過言ではないと思うのですが、海外展開を進めていくと「世界でいちばんカメラの選択に影響力を持つ人」になっていくわけです。メンバーにはそういう「世界一のガイド」を目指してほしいと思っています。

アメリカのアクションカメラコンテンツのアイキャッチ画像

あるのは心理的ハードルだけ。海外に出よう!

上記のようなやり方で、僕はアメリカを攻略できると考えています。

アメリカ攻略はメルカリもスマートニュースも完全には達成できていない、日本のスタートアップの悲願です。そこをいちばん最初に僕たちがやり遂げたいと思っています。

アメリカ攻略を進めていき、将来的には海外事業のほうが日本の事業よりも大きくなると考えています。アメリカだと収益的なポテンシャルとしては日本の7倍くらいありそうだと見込んでいます。

それから最後に伝えたいのは、他のスタートアップもどんどん海外にチャレンジして欲しいということです。

海外展開すること自体、心理的ハードルは高いのかもしれません。でも実際のハードルは意外にそんなに高くはない、というのが僕の感じていることです。ただ、やるかやらないか、だけです。

僕自身、英語は話せません(笑)。そこは日本にいる外国の人を頼れば大丈夫です。現地の文化を知っているし、日本人的な気質も理解しているので、いい「橋渡し」をしてくれます。

もしかしたら見積もりが甘いかもしれません。やはり文化の違いは大きく、日本にいながら攻略することはできないかもしれません。ただそれも含めて、チャレンジしてみる価値があると思っています。

今はリモートワークの環境もかなり整備されてきていて、現地に行かなくてもできることは多くあります。昔は「海外で事業をやる」といったら向こうに拠点を置かないといけなかったかもしれませんが、今はそれがなくてもできる。これはすごいチャンスです。

まだまだ僕らもこれからではあるのですが、一緒にチャレンジする会社がどんどん出てきてほしい。先にできない理由を列挙して止めるんじゃなくて、まずやってみてその都度対処していけばいいんです。

ノックアウトさえしなければ、乗り越えていけます。

一緒に世界を獲りにいきましょう!

僕らと一緒に世界を獲りに行くメンバーを募集しています。

トヨタは世界をとって、戦後の日本の経済成長をリードしました。しかし、いまはかつての勢いはありません。日本全体の経済も下り坂です。僕はやっぱり自動車などの鉱工業に変わる次の基幹産業を日本に作らないといけないと思っています。

僕らはその役割を担いたいのです。ITを日本の基幹産業にしたい。「第二のトヨタ」になりたい。世界中のどこに行っても、僕らのサービスが使われている。そういう世界にしていきたいんです。

そのための戦略は描けているし、戦略に対する根拠もあります。

もし少しでも共感してくれたら、ぜひメッセージお待ちしています!ぜひ一緒にアメリカ攻略を成し遂げて、世界を獲りましょう!!!

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