土埃の枯れ木
何者にもなれない
何にも馴染めない
ただ不気味で不器用な個体が
街を徘徊し奇妙に動き回っている
顔は爛れ
目は精気がなくうつろい
ただ腹だけは立派に出ている
愚かさと馬鹿さを自覚し
排泄と飲食を重ねる日々
アイデンティティの収縮により
次第に喉を通らなくなる
気づけば枯れ木に成り果て
いつの間にか置いてきた香る薄桃色の牡丹も
土にかえる
青い空虚な空
砂だらけの汚れた街
活気ある住民の話は遠い
静かに無機質な感情への抵抗を諦め
私も土に帰す
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