灯火

今を感じて今の視点で、ただ書きたい。 不定期に投稿します。

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最近の記事

春風は一時的に

慕っていた影は 私の身体を疼く渇望が作り出した虚像か それとも安らぐ一時避難所だったのか 知性の香りに誘われて ぐんぐんと踏み入れた森の中では 満たされた気持ちの磁場から 心の方位磁針が回り続けている 貴方を満たしてあげたい気持ちが 遠く彼方、透き通る青空に消えてしまいそう 5分おきに通知を確認しては 切なさを噛み締める 結末が見えている関係性に納得してるのに 未だにあなたのアテンションが物足りない 外れた螺子をいつまでも探している 頼りがいがある胸板とリズミカルな心

    • 生き続けること

      寒さが肌を刺すようになってきた 外で寝ている貧しい住人は 寂しくないのだろうか 寒さに震え自分の体温を下げないことで 必死に時を過ごしていないだろうか 生きることは死ぬこと 死に方は生き方に繋がるのなら 私は自分の何にすがって明日を生きるのか 何もない自分が 何かを得るために犠牲にする時間は 私にとって価値があったのか 捧げてもよいものなのか ここで学びを止めたら 私は消費者と変わらず ダレカニスガリナガライキルゴミとなる 甘えるような気持ち悪い笑みを含んだ生物に

      • 新鮮野菜と野菜売り

        ムラサキ キミドリ フカミドリ 壊れかけの街 路地裏  絵の具を垂らしたかのような色ツヤ良い有機野菜 並んでいる 砂ぼこり被り背が丸く 眼光鋭い初老が 僕を見て、買えと手招きをしている ツヤ肌の野菜 雫滴る新鮮な野菜 しわがれた初老 砂埃を被る野菜売り ガヤガヤ 異国の地 豊かな資源とまだ貧しい住人達 太陽に照らされた雫滴る野菜たちが 未来を物語るようで眩しい

        • 微かな光

          混沌の中を進む 目の前にある微かな光を 全て掴みにいきたくて 僅かな光を辿れば、 やがて太陽をも掴むと諦めきれなくて 周囲を翻弄しながらも 日が昇れば、目の前の道を進んでいく 貴方の包み込むような優しさと 無意識の意図を当意即妙に指摘する明晰さに 未来を預けられる安心感を得て さらけ出して前に進み始める 貴方の優しく満たされた微笑みが 私の存在意義になりつつある 己に厳しく日々研鑽し 火の粉が散りつつ銘刀が造られる様は 心熱く美しく 遠くて淡い

        春風は一時的に

          ラベル漬け消費社会

          自ら湧き出る生身の感情や、 道理や社会的倫理的に思考故に結論付けた判断基準により 社会的生物として、一人の人間として、 他者と緩やかに激しく関わり合っていく だが、外部から得た浅い情報により 表面的に人を判断し見下し 社会的生活の中で自分の立場を確保していく愚かさ それに惑わされたり、 強制的に浅はかさな基準に合わせさせられ、 もしくは自ら合わせようと生きてしまう 子供たちの心と未来の空虚さが、 未来を、分厚い雲のごとく支配している 感情を殺し、思考を停止することは、 自

          ラベル漬け消費社会

          隣の芝は青すぎて

          自分が選択した道は間違っていたのだろうか だれも信じられない私は 自分も信じられていないけれど 責任もって選んだ道さえも 時間が立つと後悔して 他のきらきらしている友人の笑顔を見て 違った道を歩んでいた私を想像してしまう ああ、どのくらい差が開いたんだろう 一皮も二皮も向けたあなたが とても眩しくて 自分の道に誇れなくて あなたを信じた私が とても馬鹿らしくて 自分を信じた私が 馬鹿らしくて もう、全て失った気がした 2021/12/12

          隣の芝は青すぎて

          土埃の枯れ木

          何者にもなれない 何にも馴染めない ただ不気味で不器用な個体が 街を徘徊し奇妙に動き回っている 顔は爛れ 目は精気がなくうつろい ただ腹だけは立派に出ている 愚かさと馬鹿さを自覚し 排泄と飲食を重ねる日々 アイデンティティの収縮により 次第に喉を通らなくなる 気づけば枯れ木に成り果て いつの間にか置いてきた香る薄桃色の牡丹も 土にかえる 青い空虚な空 砂だらけの汚れた街 活気ある住民の話は遠い 静かに無機質な感情への抵抗を諦め 私も土に帰す

          土埃の枯れ木

          羊水

          全て見透かされていることへの 安心感とただならぬ信頼感 羊水に浮かんでふわふわと 貴方の温もりの中を生きている

          なけなしのキス

          好きなのに 近くにいると疲れてしまって でも、好きだから 嫌な思いをさせたくなくて そっと寝ている貴方にキスをする 寝ている貴方は無邪気で 優しい微笑みが刻みこまれているようだから 安心して抱き締める 少し気づいて欲しい気持ちと ずっとこのまま抱き締めていたい気持ちが交錯して かくばった細い身体を締め付ける 汗ばんだ香りと 貴方が好きな英国紳士をイメージした 香水ブランドが鼻をくすぐって愛おしい ここでならそっと泣ける 優しく抱き締め返してくれることまで求めな

          なけなしのキス

          類人

          現世に産声を上げてから長い間 認識のベクトルと深さが近い人を探していた 漸く出会えた貴方に助けられ学び 安心感を得ている私は この世に生まれてきたことに感謝し 緑色のきれいさ清流の清々しさをより豊かに享受できる 貴方を構成した価値観の欠片 言葉の片燐を辿って 貴方のそれらしき芯を掴みにいく ゆったりと生まれては朽ちる互いの価値観と 私と貴方との間に流れる時間のなかで生まれる柔らかい優しさは 記憶や思い出となり、脳裏に刻まれ五感を伴って蘇る

          無価値人間 消費者生活

          私はただ食べて寝て仕事をしてるかのように生きて肥えた消費者になっていく 無料でサービスを享受すればするほど、私としての価値は下がり、私の手足や脳は代々可能となり、生理欲求以外の感情すら、私固有ではなくなるのだろう。

          無価値人間 消費者生活

          迷路

          1人道に迷っていた クーラーで冷えた身体を 日照りが強引に温めて 意識を朦朧とさせた状態で 身体の恒常性を保っていた 自我が消滅し 思考が散乱しながら 自己存在のか弱さに悶え 逃走の検討をはじめていた 頭に鳴り響く天声と 心中の居酒屋トークでは 論点の解離により議論にならない 逃走後の未来に 一抹のワクワク感と まだ耐えうる恥さらしとで てんびにんにかけ 最後は人を理由に 私は逃走の退路をたつのだろう

          愛と孤独

          誰かに何かを与え続けることが 生きていることの使命や価値観だとして 気軽に自分の心寂しい何かを 補ってくれるものはそうそう存在しない だから生きるのは多少孤独で辛い 突然誰かから愛をもらったり 関わり合いの中で、交換しているエネルギーを 大切にすることで、自分の心も温まっていく 繋がりの中でしか、自分は生きられない 周囲にまとわりついた蜘蛛の糸に囲われて 私たちは苦しみながら必死に愛を交換している

          愛と孤独

          夜の風と虫と貴女の一言

          貴女の一言で 丸ごと包まれた感覚に陥る 背筋の緊張が緩み 僕は漸く他者から自分の認識を 努力せずに見つけて貰えた 地に足がつき 月明かりの夜に 自分の影を探さなくても 暗闇を進んでいける気がした 夜の公園の ブランコに座り 天空の無数の星と 虫の呼吸と 頬の熱を冷ます夜風と 貴女の芯を食った一言に 身体が共鳴しながら ゆっくりと羽を伸ばして 世界の愛を感じていた

          夜の風と虫と貴女の一言

          独り競技ダンス

          独り世界のまん中で 凍えそうな夜に 初期の熱を思い出して また 少ない愛から暖めて眠る 独り世界のまん中で いつの間にか閉じられた窓に気付かず 歌いながら踊ってる 独り世界のまん中で 距離を保った優しさに気づいて 寂しくなって優しさを追っ払う 今日も独り 世界のまん中で 貴方を思い出しては 二人で紡がれなかった日々を過ごし 時の部屋に籠る

          独り競技ダンス

          袖振り合うのも多少の縁

          この道を断つと想像した瞬間に あなたと会う理由を見失ってしまう どこかで繋がっていると信じるけど 時々「そんな人もいたな」と薄桃色の淡い濁りを抱きしめて 二度と会えずに死ぬのかなと 秋の夕日が あなたを差しました 浅いようで濃密なコミュニケーション 互いに意識し合い、異国の地で呼吸が響く 永遠のような一瞬も思い込みで 時間だけ ぽつぽつと経過して 何も残らないとするならば、 想いは 砂粒のような私 の存在を 改めて認識させるだけだ どこにも届かない想いは 宇宙に飛ばして

          袖振り合うのも多少の縁