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想い出のチャルメラ

 本を貸したらインスタントラーメン付きで返ってきた。ご丁寧にお礼の品付きで。明星のチャルメラだった。早速、朝食べた。インスタントラーメンは朝食べる派なので(そんな派があるのか?ここに一人はいる)。
 チャルメラと言えば思い出すのが親戚のおじさんだ。親戚の家に年末に泊まりに行った時、当時若手社員だったおじさんが宴会を終えて帰ってきた。おじさんは末っ子であり、私は親戚内では初の男の子ということであり年の離れた兄弟という感じで仲良くしてもらっていた。
 そのおじさんは望遠鏡を買ってやると言っていたのだがそれは実現していない。いいんですよ、おじさん。
 さて、そのおじさん。台所で何やら支度を始めた。当時、その家は広い土間があった。
 土間土間どーまー、どーまぁー。
 まあ、それはおいといて。
 しばらくするとおじさんが鍋を片手に持ってきた。それはインストタントラーメンだった。鍋で直に食うのは初めての経験のボクちゃんだった。それを食べたかどうかはもう40年以上前のことだから覚えていない。ただ、それがチャルメラであり、卵が入っていたことは覚えている。もしかすると、その記憶はいくつかの出来事をまとめた捏造記憶かもしれないが。でも、そうやって記録ではなく記憶というのはできていくのだね。
 それ以来、インスタントラーメンに卵を入れるのはそのときが起源となっている。
 さっぽろ一番派だった我が家だったので、チャルメラの味の新鮮さにボクちゃんはハマってしまったのだね。なので、ここからチャルメラ派となる。
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 ほぼ毎回、卵を入れるときは、麺が茹だって粉末のスープの素を入れた後に、鍋縁で卵をカッカンッと割って入れて、がーーーとかき混ぜて作っていた。おじさんが作るところは見てないので、ここは我流だ。
 しかし、今朝は、煮えた麺を丼に取り、残った茹で汁にスープの素を入れて、溶き卵を入れ、かきたま風にするという、ちょっと凝ったことをしてみた。なんかかっこいい。
 おじさん、僕ちゃんだった私はとっくにあの頃のおじさんの年齢超えちゃいましたけれどまだチャルメラ食べてますよ。でも、ちょっとだけかっこつけた食べ方で。
 そういえば、チャルメラと言えばあのスパイスがいいんだよね。ラーメンに胡椒かけるワザもその頃覚えたなあ。
 40年前から今もあるチャルメラ。味も進化しているけれど、懐かしさも継承して続いている。記憶の味になるってすごいなあ。


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