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コンサルやめるってよ⑦〜捨てる神あれば拾う神あり〜

20代の就活・転職と30代の就活の違い

 ”20代の就活・転職”と”30代転職”との大きな違いは”ポテンシャル(伸びしろ)でなく”何ができるのか?”というところを明確に必要とされるところにある。中途で欲しいのは”即戦力”である。中途人材をイチから育てるなら給料の安い新卒を育てるほうが経済的なので言うまでもない。
 Exitコンサルにむけた転職活動をしていたとき私は30代前半であった。採用する側の企業からしてみれば”即戦力”として入社して欲しい年齢に該当した。
※おそらく”40代の転職”では、”マネージングスキル”というのも評価項目に大きく関わり、その経験がない場合は困難を極めるであろうが本誌では割愛する。

意外と難航した転職活動

 私個人としては、就活(面接)は得意なほうだと自負していた。というのも新卒時代も現職への転職時も比較的サクッと決まった経験があった。また当時から量より質をモットーに狙いを定めて面接を受け、今ほど洗練されてなくとも想定質問集を準備して臨んできた。
 これは学生時代から学会発表をこなしてきたため、人前で発表することの準備や対処の仕方というものを心得るだけの場数を踏んでいたことに由来する。
 今回の就活で目指している事業会社のDX企画やIT系の求人を眺めていると頻出するキーワードは”Salesforce”、”SAP(S4/HANA)"であった。どちらも代表的な基幹システムで求人票を詳しく読むと、モジュールと呼ばれる仕組みそのものを理解していることが求められる傾向があった。
 それはすなわち、SIerと呼ばれるコーディング(プログラミング)をしてきた人や、それを要件定義してきたコンサルが欲しいということであった。
 それもそのはずである、外資系ITコンサルはスタッフ層でもフィーは時給3万円はくだらない。マネージャーやディレクター以上だと5〜7万円はする。私のようなスタッフレベルのコンサルを一人雇うだけでも、1日7時間x20日稼働で月に420万円はクライアントは支払うことになる。自社で同等のスキル、ノウハウが有る人材を雇う場合の月単価は1/10くらいで収まることになる。
 企業側はテックに詳しい人材を欲しがる背景から、私のようなPMOができるがテックの知識がない中途半端なコンサルは絶妙に欲しがらない人材であった。最終面接まで進んだが結局だめだったというのが3社くらい続いた
 おそらくテックの中身がわかる人材と競合して負けたのである。その中の一社はDXの前のデジタル化の段階から参画できるということで当時の第一志望で、最終面接の手応え、役員からのコメントからも「これはもらった!!」という感触だっただけに非常に落ち込んだ。
 このタイミングで進行中の企業が0となり、これまでサクッと内定を手に入れてきた自分としても初めての経験で多少なりとも焦りを感じたことを覚えている。ただ同時に「俺を採用しない様なセンスが悪い会社は遅かれ早かれだめになるだろう。」というスタンスで心を落ち着かせていた。(よくも中途半端なコンサルのくせに言えたものである。)

転職活動の一時休止

 前職から現職へ転職する1年前にも実は行動を起こそうとしていた時期があった。しかし言葉にできないが「本当に゙今?」という疑念がどこかにあった。転職を見送り仕事に従事しているとアメリカに3ヶ月間一人で海外出張するといったこれまでにない経験を積むことができ「今だ!!」と思い活動を開始したらトントン拍子で現職に決まった。
 そんな経験もあったので「もしかして”今”じゃないのかな」と思い1〜2週間くらい新規エントリーもせず、平日は仕事をこなし、休日は趣味を楽しむことにした。
 転職の話から少し脱線するが私はロードバイクという趣味を持っている。 
 人力で最も効率よく、速く移動できる乗り物である自転車のなかでも空気抵抗の少なさ、軽さ、部品精度がシティサイクルとは比べ物にならないほど洗練されたものがロードバイクだ。私のような週末サイクリストでも軽々と距離にして100km、(無風や追い風の平地なら)30km/hで淡々と走れてしまう乗り物だ。始めたのは大学時代で一時期は熱が収まっていたがここ数年再び”趣味”と名のれるほどに再燃し、現在は100万円を”少し”超えるそれなりにいいヤツに乗っている。
 なぜだかわからないが無心で自転車を漕いでいると日々の悩みとかを忘れて心が落ち着く。春夏秋冬を肌で感じ四季折々の景色を楽しみながら、出先で食べるものは何を食べてもうまい上に、走り終えて食べる夕飯もまたうまい。
 スポーツにつきまとう苦しい鍛錬といった要素を削ぎ落として楽しむことができるのが運動嫌いの私にはぴったりだった。運動もリフレッシュも同時にできる自転車が本当に゙趣味で良かった。趣味がない社畜人はつらいだろうなとは思う。

私のロードバイク Cannondale SuperSixEvo ワイヤー類もほぼなくすっきりとした見た目
お気に入りのカフェのパンケーキと季節のフルーツ
誰かと走るのも楽しい要素
学生時代(2009年)から乗ってるロードバイクも街乗り中心に現役で活躍中


転機現る・・・・
転職活動から少し離れて過ごしているとある日の夕方に一JAC Recruitmentから電話がかかってきた。
「としゆきさんに興味を持っている企業があり、カジュアル面談を打診されている、話だけでも聞いてみないか?」とのことだ。どこの企業か訪ねたところ私どころか製造業に関わる人では知らない人はいないような有名な企業だった。
 どうやらたまたまその会社のディレクターと会話していると「コンサル出身の人材が自社で活躍している。またIT基盤を刷新しているため増員したい。」と語っていたようである。JACは前職がメーカーの設計である旨も合わせて私を紹介してれたところ、「うちにピッタリの人材じゃないか、カジュアル面談でもいいから繋いで欲しい」と言われたためすぐさま私に連絡をくれたのである。電話口ですぐさまカジュアル面談の候補日を伝え日程調整を依頼した。
 紹介してくれた人はそれまでやり取りはなかったが、こうした横の連携もJACはしっかりしているのだなと改めて感謝した。

コンサルやめるってよ⑧の次回予告

さて、コンサルやめるってよも大詰め。転機となった企業の話です。

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