ビルドアップ考察②

はじめに

こんにちは!
今回は第2弾という事で、

現在自分がドイツで携わっているレベルでの、

ビルドアップの局面で必要だと感じている要素について
紹介できればと思います!(そんなの当然だろ!ということが多いかもしれませんが、現場レベルでは実際にしっかりと実行できている選手、グループはそんなに多く無いです)
また、ここでは相手がプレッシングに来る前提で進めていくので、
ガッツリ自陣に
引いた相手に対しての攻略はまた別の機会に…

おさらい

まずは出発点と目的地の確認から。
出発点:ゴールキック(あるいは自陣深い位置でのマイボールでのフリーキックも場合によっては)
目的地:第一プレッシャーラインを越えた(或いは1stタッチで超えられる)状態で攻撃側の選手がボールを受けた(受ける)状況
           前回の記事はこちらから↓


TACTICALista_ダブル

ビルドアップにおいて重要な要素

以下にチーム・グループ・個人それぞれにおけるビルドアップにおける、
重要な要素を挙げていきます。
どの要素が欠けていても、現代サッカーのプレッシングを掻い潜るのは
非常に難しいです。
個人の不足をチームで補う事も出来ますし、
チームでの不足を個人の能力で補う事も可能ですが、
ハイレベルになってくると、どちらも欠かせないなと。

チーム・グループとして

配置の噛み合わせ
ボール・相手の位置に応じた集団での立ち位置(ポジショニング)
適切なルートの共通認識(プレー原則等に基づいて)
ビルドアップを継続できるかどうかの判断(危なければ別の策への移行)

前提として、
チームという単位でビルドアップに対しての構造や共通認識が無いと、
個人能力に依存したビルドアップになります。(それぞれの個人技術・戦術がハイレベルであればある程度まではなんとかなる)
しかし、相手も高い位置でビルドアップを妨害し、
マイボールに出来た際の恩恵を知っている為、
当たり前ですが、構造化された守備で連動してボール奪取を試みてきます。
そうなると、基本的なプレッシングは
攻撃に比べるとチーム・グループとして連動して行う事が容易なので、
個人に依存したビルドアップの場合、
ボールを失う可能性は大きくなります。
と、言いつつも、
個人の能力もビルドアップを行う上では欠かせない要素であるのは間違いありません。
ドイツでの経験もそうですが、
バンコクで少年サッカーの指導者をしていた時もそうでしたが、
相手がマンツー気味にハイプレスを行なってきた場合で、
更にフィジカル的にも相手が優位な場合は、
個人技術が無いと最後尾から繋いで前進するというのは非常に難しいです。
少年サッカーだと、
じゃあ一発で数的同位の最前線にフィードしますというのも、
キック力の問題で実質不可能となった場合、
延々とサンドバッグにされる事もありますよね。
U19やトップ年代だと、そうした心配は無いですが、
今度は緩いプレッシャーでも安易に蹴り込んでしまうという問題にも直面します。

個人として

ボールコントロール
パス精度・パススピード

相手を剥がす、喰いつかせるドリブル
体の向き
前進か循環かの適切で迅速な判断

以上の能力はレベルが高くなればなるほど重要になってくるのかなと。
相手陣内(特に最後の局面)に比べると、
フィジカル的な要素は重要度は比較的高くはありませんが、
先のCL決勝、PSG対バイエルンもそうでしたが、
トップ中のトップの試合ではどの選手もアスリートとして高水準の能力を兼ね備えていましたね。

目に見えない重要な要素

実際にプレーされている方、
現場でコーチ、監督をされている方は常々感じている事と思いますが、
メンタル的な要素もビルドアップにおいて重要な部分です。
練習試合やトレーニングとは違うプレッシャー、
観客、チーム状況、スコア、時間帯、リーグ順位、その日の体調や感覚…
言い出したらキリが無い、数多くの要素がプレーに影響します。
そうした目に見えない圧力に対しても動じない、
或いは適切に処理出来る精神力というのは、
技術・戦術と同様に重視されるべき能力であると感じています。
これには個々のメンタリティは勿論の事、チームとしての経験値や
自信といったモノが関わっています。
10年前にバイエルンの練習を見た時に、
彼らのパススピードの速さや、ミスの少なさに圧倒されたものですが、
それを試合で実際に相違なく発揮できる彼らは、
やはり世界のトップレベルなのだなと、
改めて感じます。(同時に、当時バイエルンにいたロッベンやリベリーはまだ現役で、自分はとっくの昔にリタイアしているという現実に、時の流れを感じずにはいられません。笑)

終わりに

今回はビルドアップに関わる要素についての紹介をさせて頂きました。
書き出すとそれぞれの要素で1つの記事が書けるレベルになってしまったので、今回は要素の紹介に留めておきました。
次回以降、それぞれの要素について解説させて頂きます!
今回もご覧頂きありがとうございました!

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