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【課題解決】中小製造業の技術経営 顧客価値 相対的品質の高さが収益性向上へ

中小製造業の商品開発を伴走・支援 TECH-TOSHIです。

今回は、東京理科大学 MOT(技術経営)における 経営戦略とマーケティングに関連する講義から、『顧客価値 相対的品質の高さが収益性向上へ』について、ご紹介します。


1.ポイント

内容は、『相対的品質の高さが市場シェアを規定し、収益性の向上に貢献』でした。

1.価値マップ
1)品質と価格
 差別化とコスト優位性(価格)を組み合わせて、顧客への価値を創造する。

 製品の属性について、性能・品質と価格とを組み合わせて検討しようとするのが「価値マップ」である。

2)市場シェアと品質が収益の要因
 分析ツールである価値マップは、ハーバード大学が中心となった研究プロジェクトより提唱され、高シェアと高品質の2つが、収益性の向上に貢献する主要因であることが明らかになった。

 但し、相対的シェアと相対的品質は、それぞれ独立して利益に貢献しているわけではなく、相対的市場シェアの高さは相対的品質の高さによって規定されると指摘している。

 つまり、相対的品質の高さが、相対的な高価格・低コストの原因となり収益性を向上させるということである。

3)知覚品質
 相対的品質は消費者が認識する『知覚品質』として捉えるべき。

 消費者が優れた品質に価値を認めてないと、価格プレミアを受け入れてくれないし、市場シェアも高まらない。

 顧客の認知による知覚品質が高いことが、収益性向上には重要となる。

出所)網倉、新宅、『経営戦略入門』、P194-199

2.講義からの気づき

 講義から気づいたことは、

『相対的品質の高さは重要だが、それだけで競争に勝てるのか?』 です。

 『モノからコトへ』と言われて久しいからです。モノの品質や機能だけで商品が売れる業界は少なくなってきているのではないでしょうか?


3.現状

以前、勤務していたITベンダーにおける、製造設備の稼働状況の見える化、作業状況の見える化のためのシステム導入の事例でお話ししたように、データ取得センシングシステム+クラウド+見える化ソフトウェアパッケージ での、モノ売りでは顧客のニーズに対応することはできませんでした。

<参考>


    

つまり、品質や機能だけがどんなに高くとも、顧客の課題解決に繋がらなければ顧客はその価値を感じなくなっているということです。

顧客はもはや、優れた品質だけでは商品・サービスの価値を認めなくなっているからです。

上記の事例の場合は、データを取得した後のデータの活用や改善対策までが(つまりコトも含めて伴走してほしい)顧客の『知覚価値」だったということです。

4.解決策

なので、顧客へコト(商品・サービスを介して)を売るのですが、その後、顧客がコトを利用して、納得・満足するまでをビジネスの対象とする必要があると思われますので、顧客の行動を後々まで観察・推定を行う必要があります。

従来のモノを納入・販売したら終わり ではありません。

顧客に購入していただいた後に、顧客が実際に使っているところを観察するとか、そして、何に納得感、満足感を得たのかのヒアリングをするとかのアクションも必要です。

5.今後の課題

『価値創造』という講義において、顧客へ与える価値として、顧客へ与えるための世界観までを考える と言われたゲストがおられました。

つまり、顧客の価値観にまでアプローチして、顧客のニーズを把握する必要があるのかもしれません。

それくらい、現在の顧客のニーズは、多様化しているということなのでしょう。

今回は、東京理科大学 MOTにおける 経営戦略とマーケティングに関連する講義から、『顧客価値 相対的品質の高さが収益性を向上』について、TECH-TOSHIよりご紹介しました。

尚、その他にも、この分野においての実践的なノウハウを投稿しています。

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