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北海道の夏と聞いて思い浮かぶ風景とは

今日は夏の北海道のお話。

夏といえば北海道、北海道といえば美瑛・富良野

そう言われているかどうかは別として、おそらく「北海道の夏」と聞いて思い浮かぶ風景はパッチワークの丘の風景ではないだろうか。

僕自身も大阪に住んでいた時はずっとそうだった。夏になるといてもたってもいられず、フェリーに飛び乗っていた。観光も撮影も、ベストシーズンだとずっと思っていた。

コロコロとロールが転がり、どこまでも続く丘陵地帯。青い空に白い雲に。。。まあ、一般的にはこれこそが、「The Hokkaido」だと思う。確かに華やかで美しい風景だし、雑誌もテレビもこの時期しか特集しないから、美瑛はずっとこんな風景だと思われている節がある。
でもね、こんな風景が広がるのはほんのわずか。爽やかで清々しくて、ああいい天気だなぁと思う日って、案外少ない。むしろ、曇っていて肌寒くて、どんよりしている日も多いという印象を僕は持っている。

オフな夏

ここに住んで写真を撮っていると、1年で一番気持ちがオフなのが実は夏なんだということに気づいた。もちろん美しいことには変わりはないし、夏が最高という気持ちもわかる。でも、作家としてこの地で生きている僕にとっては、ドキドキが一番少ない季節なのだ。

でも、天気が悪い日の夕方には虹もかかる。そんな日は午後からソワソワ。今日はどこに虹をかけてやろうと考えている自分がいる。一番ワクワクする時だ。そして狙ったところに虹をかけた時の充実感はやめられない。
とはいえ、撮ったその瞬間から、その写真に興味はなくなってしまう。もっとすごい瞬間があるんじゃないかと考えてしまうのだ。

やっぱり気になるトラクター

もう一つ楽しみなのが、やはり農家の方の気配。トラクターや農夫のいる風景に出会うと、テンションが上がる。風景が突然生き生きするのだ。FARMLANDSCAPEという写真集はそんな農家の方を追った本なのだけれど、実は先日、第2弾を出してくれないか、と農家の方に言ってもらえた。俺らの姿を追ってくれよ、と。涙が出るほど嬉しかった。写真家としてこれほど光栄なことはない。写真集を出すには時間もお金もかかるので、安易に「わかりました!」と言えるわけではなかったけれど、もう1回やってみようと思えた。幸せな時間だった。

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