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SNSとの付き合い方改革

ブログを始めたのはいつの頃だったか。
写真の道でいきていくと決断するずっとずっと前のことだ。
日々のことを綴りながら、写真を見せていく作業は、写真家を目指していた自分に対して、少し高いハードルを設けているようなものだった。

2012年に僕は仕事を辞め、写真家としての道を歩き始めた。
その前年くらいからだろうか。
フェイスブックなどのSNSが世間にも一般的になり、どこかの誰かと繋がることが簡単になった。僕はこの時にある決心をした。

「写真家は、特にプロ写真家は写真をネットで発表なんてするもんじゃない」という、ずっと聞いていた話とは真逆をいこうと。

もちろん、プロである以上、写真をお金に変えなければ生きていけない。でも、これから世に出ていこうとしている人間が、写真を見てもらわなければ、認知されることもない。まして、なんの協会にも属さず、業界とのコネクションも持たない僕としては、まずは人様に知ってもらうことが大切だった。なにより、世間的には中間管理職くらいの年齢に達しているうえに小さな子供もいる。

のんびりしている暇などなかった。

だから、SNSを中心にして積極的に写真を発表していこうと決意し、旧作のみならず獲れたてホヤホヤの写真も惜しげも無く発表していった。フェイスブックの友達申請も加速度的に増え、その後作ったフェイスブックページのフォロワー数も右肩上がりだった。そこから仕事にも繋がることが多かった。

そして、2016年。キヤノン提供の「The Photographers3」への出演を機に、僕の写真家人生が大きく転換していくのだった。
雑誌の仕事やメディアへの登場、カメライベントなどにも呼んでもらえるようになり、僕の名前が世間さまに知られ、友達申請もフォロワーも大幅に増えた。

多くの仕事にもつながり、良いことばかりのSNSと思っていたのだけれど、残念なことも起こるようになった。

哲学の木の問題の時には、悲しくなるようなコメントに心が痛んだ。SNSに写真を掲載した数日後、同じ場所、同じ構図で撮られた写真を発見したこともあった。あの作品の場所を教えてほしい、といった質問もたくさん来るようになった。美瑛撮影の情報源として僕のSNSを見ている人が、少なからずいるんだということに少し悲しい思いにもなった。
だから、昔からのファンでいてくれる方はお気づきかもしれないけれど、更新頻度を落とし、そしてリアルタイムの最新作を発表しないという、自分にとっても本意ではない状態となってしまっていた。

インターネットは本当に素晴らしい。写真家として歩み始めてからたった7年でこれだけ多くの人に名前を知ってもらえたのは、SNSのおかげだ。それに、プロになるずっと以前から応援してくださっていた方や僕の作品を楽しみに待ってくださっていた方に向けて、今日も美瑛で生きてそしてちゃんと写真を撮っていますよ、と伝え続けたかった僕にとってはとても重要なツールだったのは間違いない事実だ。

しかし、「中西敏貴」という名前は、自分の名前でありながら、もう自分の思いだけではコントロールできないと感じるようになった。一緒にお仕事をさせていただいている方々のことを思うと、これまでのように簡単に写真を公開するわけにもいかない。
僕がネットに写真を公開することは、これまで自分のためだったけれど、今は、その写真家活動を支えてくださる人のことに思いを馳せなければダメな時期に来たのだと思う。

そんなモヤモヤを抱えながら、この1年ほどSNSと向き合って来た。
やめるべきか、続けるべきかということを考えた時、やはり思うのは、応援してくださるファンの皆さんのこと。

だから、少し整理をしようと思う。
それは自分の発言も含めて、インターネットとの付き合い方を考え直すタイミングが来たということだと考えている。簡単に情報が得られ、撮影地に関する情報も瞬く間に拡散していく時代。そんな時代だからこそ、ちゃんとした言葉で僕の脳内思考を伝えていきたいと思っている。


■この note では、新作の掲載はもちろん、僕が常々考えている写真についての思いなどを比較的長文で掲載していきます。無料noteもありますが、僕が考える写真論、テクニック、メソッドなどは本当に知りたい方に向けて徐々に有料 note に移行していきます。
なぜ有料にするのかは、こちらに記載していますのでご覧ください。決してお金儲けのためではないということを書いています。
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■ツイッターはフェイスブックやブログと連動しています。

ここから新たに皆さんと繋がっていければいいな。
これからもよろしくお願いします。

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