「メタモルフォーゼン」は「メタモルフォーゼ（Metamorphose）」の複数形で、日本語では『変容』と訳されることが多く、技巧的には変奏曲に関連するものの主題に束縛されず、その展開がより自由に構成されたものである。また、弦楽合奏曲に属すが、標題にもあるようにあくまでも「独奏弦楽器のため」のものであり、伝統的な弦楽合奏とは本質的に異なった、それぞれの楽器を独奏風に動かしている点に特徴がある。従って作曲者自身がそこに習作的なものを感じてあえて「習作」と題したのかもしれないという。

INTRODUCTION

Glanz(グランツ)弦楽合奏団は、２０１４年に神奈川県横浜市で産声をあげた弦楽合奏団。主に横浜市神奈川区の神奈川公会堂を拠点として活動しており、毎年４月～５月に開催する演奏会が主な活動となっている。このほか、プロの音楽家を招いて定期的に行う勉強会や勉強合宿、昨年秋に行った「敬老の日３世代交流コンサート」、横浜高島屋での依頼演奏会など、プロとアマチュアの垣根を超えて弦楽合奏の普及を行う。


メンバーも、指揮者の阪本正彦氏を中心にプロ奏者とアマチュア奏者、さらには現役大学生・高校生といった学生までが結集しており、「教育」を１つの柱として音楽を通じて人間的な成長を目指す、音楽への理系的アプローチを通じて問題解決能力やリーダーシップを養うなど、既存の弦楽合奏にとらわれない独自性のある演奏会を目指す。２０１６年９月には読売新聞地域版に掲載され、地域に密着した画期的な演奏会を評価された。

Conducter　阪本正彦

東京都青梅市出身。１９８７年東京芸術大学卒業。ホルンを宇田紀夫、守山光三、千葉馨、室内楽を村井祐児、海鉾正毅、指揮を湯浅勇治、高階正光、松沼俊彦、下野竜也の各氏に師事。
１９８６年に東京交響楽団に入団し、現在に至る。オーケストラでの活動に留まらず、アマチュア・オーケストラ、室内楽等に意欲的に取り組み、的確な指導に定評がある。湯浅正毅氏(ウィーン国立音楽大学准教授)による指揮セミナーを契機に指揮活動を始める。２０１２年フィンランドでのヨルマ・パヌラ指揮マスタークラス、２０１３年夏フィレンツェ国際指揮マスタークラス、２０１５年ブダペスト国際指揮マスタークラスなどに参加。

現在、東京交響楽団ホルン奏者、ピアノと木管五重奏ゼクステット魅生瑞（みゅうず）メンバー、「真夏の第九」プロジェクト指揮者、横須賀交響楽団顧問／指揮者、２０１５年度・２０１６年度上野学園大学研究生「指揮専門」聴講生、Glanz弦楽合奏団主主宰。

モーツアルトがオペラ「ドン・ジョバンニ」の作曲に没頭していた1787年に誕生しました。
そのタイトルは「一つの小さな夜の音楽」を意味し、細部に至るまでモーツアルトの洗練されたスタイルが反映されています。この作品は、親しい友人や愛する人々への音楽的な贈り物のように捧げられたものと考えられています。
第1楽章は活気あふれる旋律で始まり、明るさ、スムーズなリズム、そして見事なアンサンブルを感じ取れます。

この曲は、1893年から1894年にかけて作曲されたアレンスキーの弦楽四重奏第2番を弦楽合奏のために編曲したものです。主題はチャイコフスキーが1883年に作曲した歌曲集「16の子供のために歌」の第5番「伝説」から取られています。この変奏曲の作曲開始にチャイコフスキーが亡くなりました。そのためにこの曲には、アレンスキーのチャイコフスキーに対する深い敬意と追悼の意味が込められていると考えられています。

ディズニーのアニメーション映画『美女と野獣』は、その美しい音楽と共に多くの人を魅了しました。
恐ろしい外見の野獣と心優しいベルという美しい女性との間に芽生える愛の物語を描いています。ベルは野獣の外見を超えてその心を見つめ、二人の間には真実の愛が芽生えます。また、野獣もベルとの関わりを通じて成長し、変化していきます。この心温まる物語を支えているのが、アラン・メンケンによる音楽です。
特に主題歌は、物語をより深く美しく彩っています。この曲はその後アカデミー賞を受賞し、映画とともに世界中で愛され続けています。

グスタフ・マーラーは36歳でヨーロッパ最高峰のオペラ劇場の指揮者となり、その才能と努力を認められました。
彼が41歳のとき、教養深いアルマ・シントラーと出会いました。そして19歳の年齢差をものともせず、出会ってからわずか4ヶ月で結婚しました。この恋愛が交響曲第5番に大きな影響を与え、当時作曲中だったこの作品に新たに「アダージェット」（第4楽章）が加えられました。この楽章は、マーラーが初めて、そして最後に体験した深い愛を歌いあげる楽章です。また、彼はアルマと亡き母を重ね合わせていたのかもしれません。感動的なハーモニーと豊な旋律が、アルマと母への情熱的で深い愛を美しく表現しています。

リヒャルト・シュトラウスは、彼の音楽的アイデンティティーが政治的な目的のために利用されることを余儀なくされてました。彼の編曲の一部は、特にモーツアルトの作品を、その本来のオーストリア的要素へと変えるという役割を果たしました。さらに、シュトラウスはパーソナルな悲劇にも直面しました。彼の息子の妻がナチスによって収容所に送られ、結果的に殺されました。シュトラウス自身が彼女を救うために抗議を試みたにも関わらず、その努力は全く無視されました。これらの経験が「メタモルフォーゼン」を作曲するきっかけとなっていると考えられます。彼の音楽は、ナチスに対する憤り、被害者への同情、そして自身の存在への罪悪感を深く表現しています。最も顕著なのは、ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」の第2楽章、葬送行進曲の主題が引用されている点です。これはナチスやシュトラウス自身に対する怒りを込めたものであると解釈することができます。　　

いつかは誰でも
この星にさようならを
する時が来るけれど
命は継がれていく

生まれてきたこと
育ててもらえたこと
出会ったこと　笑ったこと
そのすべてのありがとう
この命にありがとう

私たちとしても、2020年の中止延期以来の実に久々の演奏会でありました。

以前からのメンバー、今回初参加となるメンバーが積極的に、また真摯にリハーサルに取り組んできた結果だと思います。ゲストの﨑谷さんからも、音や音楽を創る、表現していくための要点を沢山いただけたことも大きかったです。

室内楽を基本にリハーサルを重ねたことで、今回はメンバー自身各々の成長も感じていることでしょう。

写真、どうぞ掲載されてください。

今後ともGlanz弦楽合奏団をどうぞよろしくお願い申し上げます。