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📗アンの娘リラ📗松本侑子新訳注釈がすごいです❤️

全巻揃った文春文庫 アンシリーズ


最初のアンシリーズ完訳 村岡花子先生


NHK朝ドラ「花子とアン」が1月7日に放映されると聞きました。
吉高由里子さんが今年の大河ドラマの主演女優だからでしょうか。
2014年、ちょうど10年前に放送された「花子とアン」初めて見る方、おすすめです。

原題“Anne of Green Gables”
を「赤毛のアン」と訳した村岡花子先生のセンスの良さに脱帽です。

村岡先生の翻訳が世に出てから今年で72年になります。
新潮文庫のアンブックス全10巻には
アンが主人公として出てこない
「アンの友達」「アンをめぐる人々」も含まれています。

新潮文庫 お馴染みのシリーズではないですか?



70周年を記念して、2022年にお孫さんに当たる
村岡恵里さん、美枝さんが改訂版を出されました。

確かに村岡訳の文体は今では
すっかり「古典」となってしまいますね。
私は村岡花子翻訳文調で話すのが
面白くて仕方ない時がありました・・・

掛川恭子先生のシリーズ


「赤毛のアン」は掛川恭子さんも翻訳されていて、
講談社文庫のシリーズも全部読みました。
完訳クラシック全10巻。
村岡先生の訳には省かれていた部分も訳されていました。

講談社文庫


そして松本侑子先生の完全訳

文春文庫

文春文庫は全8巻「アンの友だち」「アンをめぐる人々」は入っていません。
それなのにすごいボリューム!
厚さが半端ありません。

ちなみに背表紙に翻訳者の名前が入るのは
ほとんどないそうです。
村上春樹先生と松本侑子先生くらい・・・とか。



目次です!


すごい注釈❣️

エピグラフ(題辞)と献辞 2箇所
第1章  30箇所
第2章  17箇所
第3章  28箇所
第4章  23箇所
第5章  29箇所
第6章  11箇所
第7章  17箇所
第8章  24箇所
第9章  19箇所
第10章 35箇所
第11章 18箇所
第12章 15箇所
第13章 7箇所
第14章 12箇所
第15章 10箇所
第16章 13箇所
第17章 39箇所
第18章 20箇所
第19章 22箇所
第20章 10箇所
第21章 8箇所
第22章 14箇所
第23章 6箇所
第24章 25箇所
第25章 15箇所
第26章 13箇所
第27章 47箇所
第28章 10箇所
第29章 7箇所
第30章 15箇所
第31章 12箇所
第32章 6箇所
第33章 5箇所
第34章 5箇所
第35章 2箇所

なんと591箇所も!
読むだけでも大変なのに、
丁寧にすべてを調べ上げた
松本侑子先生の熱意に頭が下がります。

聖書や文学からの引用、
歴史、地名、生活必需品の説明に至るまで
多岐にわたっての注釈はすごいです。

例えば賛美歌の注釈

第15章 夜が明けるまで

彼らは戦争について何も語らなかったーーーしかし思うのは戦争のことだけだった。最後に、ピアノのまわりに集まり、すばらしき古き賛美歌(7)をうたった。

「ああ、神はすぎし幾年の われらの助け
  未来の月日の われらの希望
 吹く嵐より守る、 われらの避難所
 そして、われらの永遠の棲家」
「魂がふるい分けられるこの時代には、私たちはみんな、神さまのもとに帰るのですね」
カートルードが、ジョン・メレディスに言った。「以前の私は、長い間、神さまを信じていませんでした。神の存在を信じていなかったのです・・・・・・神さまとしてではなく・・・ただ科学者の言う、人格をもたない偉大な創造主としてのみ考えていたのです。でも今は、神の存在を信じています・・・・信じないではいられないのです・・・・神のほかに頼るものはなにもないのですから・・・・・謙虚に、ひたすらに、無条件に信じています」
「『幾年の昔より われらの助け』・・・・『昨日も、今日もとこしえに変わることなし(8)牧師は優しく言った。「わたしたちが神を忘れようと・・・・神は、わたしたちを覚えていてくださいます」

P241〜242

そこで注釈を見てみます。


(7)すばらしき古き賛美歌
「ああ、神はいにしえより、われらの救援」英国の牧師・賛美歌作者アイザック・ワッツ(1674〜1748)作詞、ウイリアム・クロフト(1677〜1727)作曲、1708年。
本作執筆時期から三百年以上前の歌のため、モンゴメリは古き賛美歌と書いている。

(8)『昨日も、今日も、とこしえに、変わることなし』・・・
新約聖書「ヘブライ人への手紙 第13章8節「イエス・キリストは、昨日も、今日も、とこしえに変わることなし」より。


そうなんだあ・・・と思います。

讃美歌を取り出し、索引で “ O God,our help in ages past”
を調べると 88番が出てきました。
アイザック・ワッツとウィリアム・クロフトの名前があります。
これだ!と早速ピアノで弾いてみました。



第17章 過ぎ去っていく日々

リラは初めてもらった恋文を、虹の谷のもみの木陰の奥まったところで読んだ。娘にとって初めての恋文をうけとるということは、世慣れた年配者がどう思おうと、十代における重大事件なのだ。しかしケネスの連帯がキングスポートを出港すると、胸が鈍く痛むような不安な二週間がつづいた。日曜日の夕方ごとに、教会で信徒たちが
「ああ、神よ、我らが叫びを聞きたまえ、
 海の危難にある者のためにあげる祈りを」(1)
と歌うとき、リラの声はかすれるのだった。

P267より

(1)「ああ、神よ、我らが叫びを聞きたまえ、海の危難にある者のためにあげる祈りを・・・・賛美歌「永遠の父よ、強き守り手」の一節。英国のウィリアム・ホワイティング(1825〜78)が、旧約聖書「詩篇」にインスピレーションをうけて作詞。米国や英国の海軍で歌われた。

讃美歌(1985年初版番)索引でWhiting ,William (1825~78)を調べると
407番と出ています。

ジャンルは送別・旅行となっています。


YouTubeで407番を調べると、ありました!


実は2曲ともあまり馴染みがある讃美歌ではありません。

しかし、その旋律を聞いていると
当時のカナダの教会の様子や
リラの思いが伝わってきます。


もし、注釈がなければ知るはずもなかった讃美歌。。。


しみじみすごいなあと敬服し
心から感謝しました。

祈りを合わせて


愛する人を突然に亡くしてしまった方達
寒い冬空の下で助けを必要としている方達
心細い思いでなにも考えられなくなっている方達

ああ、神よ 我らが叫びを聞きたまえと
祈っています。

祈りの力は強いと思います。


昨日も今日もとこしえに変わることのない
神さまの助けの手がありますようにと
祈ります。


プリンスエドワード島の赤土の道
この道は希望に続きます


#赤毛のアン
#アンの娘リラ
#松本侑子
#アンシリーズ

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