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本が本を呼ぶ

人が人を紹介して、人づての紹介から人の輪が広がっていくのは楽しい。同じように本が本を紹介して自分の読書範囲が広がっていくのも楽しい。

昨年、井上ひさしさんの書評集『井上ひさしの読書眼鏡』を読んだ。この本で、井上ひさしさんは米原万里さんを絶賛している。そこまで言うならと、米原万里さんの本を1冊読んでみた。確かに面白かった。そこから米原万里さんの本を続けて読むようになった。(といっても読了5冊、積ん読5冊で、まだまだ初心者の域を出ないのだけれども。)さらに言えば、それまであまり読んでいなかったエッセイ本を手に取るようになった。

実は米原万里さんも書評集を書いていた。『打ちのめされるようなすごい本』。この書評がまた小気味よい。絶賛と酷評の激しさから気分屋さんだったようにも思えるが、実際の性格はただただ誠実で、正確な記述を心がけようとしただけかも知れない。確認しようがないのだけれども。

米原万里さんが紹介された本のいくつかに興味を持って読んでみる。確かに含蓄に富んでいた。こうして、本が本を呼んで、自分の知らなかった世界が広がっていく。私は自分の読書履歴を記録しているが、自分の読書遍歴がどのように広がっていって、どのように読んで行ったのかを振り返ると進捗が実感できて楽しい。

例えば、登山の途中で後ろを振り返った時、眼下の景色は充実の色だったりする。記録を付ければ、この色を自分の読書履歴に見ることができる。

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