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僧帽筋とその他もろもろ

こんにちは。今回は僧帽筋についてです。

先ずは付着位置から。

起始・停止

起始

鎖骨部(上部):上項線内側1/3、外後頭隆起
肩峰部(中部):Th1~6棘突起
肩甲棘部(下部):Th7~12棘突起

停止

上部:鎖骨の外側1/3後面
中部:肩峰
下部:肩甲棘三角部

Thとは胸椎の事を指し、1~12全胸椎に付着しています。

https://koishikawa-bw.jp/guide/shoulder/
https://visual-anatomy-data.net/comment/sa/jo-superior-nuchal-line.html
頭蓋骨を背面から見た図

各僧帽筋の停止部と各三角筋の起始部が被っていることが、特徴として挙げられます。


作用

上部

肩甲骨の挙上、内転、上方回旋

中部

肩甲骨の内転、上方回旋

下部

肩甲骨の内転、上方回旋、下制、下方回旋

全ての繊維に共通している作用として、内転・上方回旋が挙げられます。
この二つの作用、滅茶苦茶大切です。


肩甲上腕リズム

腕を挙げる際、肩甲骨:肩関節=1:2で動く事を指します。

詳細は上記をチェック。

肩関節外転時と屈曲時とでは肩甲骨に求められる動きは異なります。
※最終域は同じ


外転時

初期:内転+上方回旋  終期:内転+上方回旋+下制+後傾

屈曲時

初期:外転+上方回旋  終期:内転+上方回旋+下制+後傾

それぞれ必要な肩甲骨(肩甲胸郭関節)の動きになります。

後傾は下制した結果、ニュートラルポジションと比較し相対的に後傾しているイメージです。

どちらも腕を挙げる際には、僧帽筋の働きが必要不可欠であると分かります。

僧帽筋の機能低下や※菱形筋の過稼働により、肩甲骨のスムーズな動きが出せず、インピンジメントや各関節周囲炎を発症します。

※肩甲骨の内転、下方回旋に働く筋肉


上部繊維と肩凝り

肩凝り(肩周囲の違和感の総称)の主な原因として挙げられる僧帽筋上部繊維ですが、幾つか特徴があります。

先ず、上部繊維が凝りやすい理由ですが各僧帽筋は腕の位置に拮抗する形で働くと

上記ブログにて記載しました。詳細は上記をチェック。

つまり腕が垂れ下がっている状態では、僧帽筋上部繊維が働くことが分かります。よくその姿勢取りますよね。スーパーの袋持つ時なんかまさに。

長時間持っていると首の辺り疲れますよね。
故に上部繊維は過緊張しやすく、凝りやすい訳です。

凝りやすい事を理解した上で、お次はその特徴です。


上部繊維は鎖骨の外側に付着しているわけですから、上部繊維が拘縮(短縮)すると鎖骨の外側端が持ち上がります。

これには目安があり、胸骨端から肩峰炭が指2横指上がっている事です。

https://kknews.cc/news/e5ob4r4.html

指2横指とは2本の指を横から見た高さの事を指します。


上部繊維が拘縮し肩峰端が上がることで、いかり肩の様な姿勢になります。

因みに一つの基準として※正常位置は、胸骨端よりも指1横指肩峰端が上がった状態です。

※個人差がある為、2横指上がっていても不調を訴えていなければ良いです


もう一つ特徴を持ち合わせます。

上部繊維は頭の後ろ~体の前に付着する筋肉ですので拘縮する事で、頚椎の同側側屈&反対回旋を起こします。

http://selfcare-lab.com/relieve-the-pain-in-the-neck

胸鎖乳突筋や盤上筋、脊柱起立筋など頚椎や頭部周辺に付着するその他の筋群が存在し、頚椎の動きに影響する働きを持ちます。

これら筋群は調子いいけど、僧帽筋上部繊維だけ不調

みたいなことは正直起こり辛いです。
周辺の筋群も同時に凝っています。


僧帽筋上部繊維が拘縮した際の特徴は一つの判断材料にはなりますが、そこだけをアプローチすれば良い、と言う訳にはならないのが現実です。


肩関節、肩甲骨、骨盤、脊柱

あらゆる方面からの多角的なアプローチが大切です。

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