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子どもに対する大人の態度がためされている映画「カモンカモン」

『星の子ども』クレア・A・ニヴォラ​より

きみが地球に行くためには
人間の子どもとして生まれなければならない

まず 新しい身体の使い方を覚える
腕や足を動かして 立ち上がる
走ったり
手の使い方を覚える
音を出し
言葉を作ることも学ぶだろう

少しずつ 自分のことは自分でできるようになるのだ

ここは静かで平和な場所だけど
そこでは色彩 感覚 音が
絶えずきみに押し寄せてくる

とてもたくさんの植物 動物など
想像もつかない生きものに出会うだろう

ここではいつも同じだが
そこではすべてが動いている
すべてが常に変化している

きみは地球の時間の川に突き落とされるだろう

そこには楽しみや恐れ 歓びや失望 
悲しみや驚きなどたくさんある

きみは多くを学び
多くを感じるだろう

その混乱と喜びの中で
きみは自分がどこから来たのか忘れてしまうだろう

そして成長し
旅をし 仕事をし
もしかしたら自分の子どもを持つかもしれないのだ

きみは長年にわたって理解しようとするだろう
幸せで 悲しく 豊かで
変わりつづける人生の意味を

そして きみの星に帰る日が来たら
この奇妙で美しい世界との別れを惜しむだろう

映画「カモンカモン」で主人公が甥っ子に読み聞かせる絵本からの引用。
(日本語訳がなかったので僕のしょぼい翻訳です)​


僕には今、4歳と1歳の娘がいる。​

彼女たちは、生まれてから日々、やったこともないことが出来るようになったり、想像もしなかった現実を受け入れたりしながら成長している。と同時に、僕たち大人たちや、たまたま先に生まれた人たちが作り上げたルールや理屈とたたかっている。​

この奇妙な世界で生きていくために必要なことなのかもしれないが、生まれてきた目的は、立派な大人になるため?健康で長生きするため?​

先のことなどまったく考えず、今を楽しもうと生きる子どもたちと接していると、日々考えさせられる。​

この映画『カモンカモン』では、子どもに対する大人の態度がためされている。​

と同時に、​子どもたちから大人へのやさしくて力強いメッセージが散りばめられている。​

「自分の態度を変えてほしい」​

「多様な価値観を受け入れてほしい」​

「未来のことは誰にも分からない」​

「希望はある」​

「前に進むしかない」​

子どもに対する自分の態度を変えることは、自分を許し、癒すこと。そして、子どもの頃に持っていた「生まれてきた目的」を思い出す作業なのかもしれないと思わせてくれる良い映画だった。​


『星の子ども』読み聞かせシーン


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