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気象台の施設を横目に春を待ちわびる

この冬はやけに寒いと感じる。気温の低さよりもまず風が強いように思う。気のせいだろうか。これも地球温暖化の影響なのかも知れないと大雑把な感想を持ちつつ、話はそんな壮大な方向には進まず、散歩の途中で目に入った、もっと身近な話題へと落ち着く。それは散歩の途中で見かけた気象台の設備についての話である。

気象台という物が存在するのは知っていた。天気に関する風とか雨とかの数値を測定しているだけではなく、地震や火山なども観測している気象庁の設置機関だ。もっとも、知っているといっても言葉を見聞きしたことがあるというだけで、何か施設を見学したことがあるわけではない。ところが今日、たまたま散歩している途中で気象台の横を通り、なるほどと思ったのである。こんな風にして情報を収集していたのか、と。

例えば、上空の風向や風速を観測するウィンドプロファイラという施設がある。立て看板に書かれた説明文によれば「施設上部のアンテナから上空に向かって電波を発射」し、「気流の乱れや雨粒などに当たって跳ね返ってくる電波が変化する性質を利用」しているのだという。電波を発するというあたりが何とも物々しいが、確か蝙蝠も似たようなことを行なっているのではなかったか。気象庁のウェブサイトによれば、ウィンドプロファイラは風のプロファイルを描くものという造語で、同施設は全国の33か所で設置されているという。

それよりも感心したのは、敷地内に植えられているウメやソメイヨシノ、アジサイなどの木である。冬のこの時期には当然どれも咲いていないのだが、実はこれこそが、ニュースでよく見聞きする「桜の開花」などを知らせてくれる重要な植物なのだ。以前から不思議に思っていた事の1つではある。桜の開花、あるいは満開とはどの桜の木のことなのか。実は具体的な答えがあったわけだ。「この桜」が開花した時が開花宣言を発出する時なのである。ほかにもウメの開花やカエデ・イチョウの紅葉を教えてくれる(アジサイは何に使うのかという疑問は残った)。

何の花もまだ付けていないウメやサクラの木を眺めつつ、冷たい風に吹かれながら早く春にならないかなあと思った午後だった。

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