中島 敏貴

中島と申します。30代男性、熊本県在住。 ロシア語の産業翻訳やロシア語の講師(生徒数2…

中島 敏貴

中島と申します。30代男性、熊本県在住。 ロシア語の産業翻訳やロシア語の講師(生徒数21名)、ロシア・ウクライナからの輸入販売に従事しております。故郷熊本の暖かくて青い南国の海と野生のイルカが大好きです。

最近の記事

ロシア語はそこ数年では体得できません。単語や文法は忘れて当然

数年ロシア語学習者を見てて思うのは、ロシア語が上手くなっていく人は、まず慌てずどっしりと構えていて、単語や表現法を一つひとつゆっくりじっくり丁寧に覚えていって、自分の暗記力の無さや浅学の不甲斐なさにいちいち一憂せず、結果は数年後にしか追いつかないことをよく理解したうえで、語学学習が楽な日も嫌な日も心が揺れずに淡々と安定的に毎日継続できる人だと思います。 逆に伸びない人は、最初は馬力がすごく意欲旺盛ですが、感情の起伏が内にあり、せっかちなので検定試験の短期合格など、目に見える

    • ロシア語の単語は辞書を使ってひとつひとつ丁寧に勉強しよう

      露和辞典の内容を日頃から疑って吟味できる程度の人は別として、中級程度までの人は、自分が覚えようとしている単語はきちんと辞書の日本語を最低限読んだ方が良いと思います。 無意識のうちに自分の実力を過信するあまり、直接ネイティブから聞いた単語を、「何となくこんな意味だろう」と根拠なく思い込んだ挙句、私が実施する単語や表現力のテストなどで、長年間違ったまま理解していることが多い習慣がある人たちの層が存在していることに気が付きました。 一般論として、深い付き合いになっていく特定のネ

      • ライバルとの語学レベルの差は『和文露訳』にどんどん大きく現れてくる。

        ロシア語の勉強目的は人それぞれで良いというのが大前提として、ただ、まだ確固たる目標や勉強法は固定されていないけれど、とにかく他の人よりも上手くなりたい、他のライバルに差をつけたいという相対的な考え方の人は、とにかく『和文露訳』を強く意識した勉強法をお勧めしたいです。 ロシア語の文章を日本語に訳せる人は思いのほかそこそこいる一方で、割と長年続けている学習者でも、その人の中での露文和訳と和文露訳のレベルにかなりの大きな乖離が見られることが多々あります。 ロシア語のニュースやラ

        • ロシア語の初級者と中級者には明確な差がある話

          最近、生徒さんのお一人が、ロシア語を使うお仕事の会社の内定を貰いました。 また、来年新卒として、もう一人の方もロシアと関わりのあるお仕事を見つけられました。 おめでとうございます🌸! みなさん、それぞれの語学の夢に向かって是非頑張っていただければと思います。 ロシア語の初級者が中級者にグレードアップする段階で必須なのは、名詞や形容詞の格変化(単数・複数両方)の暗記と使いこなしだと思っていますが、この格変化パターン(もしくは変化表)の暗記を曖昧のまま後回しにして、とにか

        ロシア語はそこ数年では体得できません。単語や文法は忘れて当然

          ロシア語会話練習の第一、第二、第三優先順位

          佐藤優さんも指摘していましたが、私たち日本人が全体的にロシア語が恐ろしい程話せないのは、勿論まず第一に普段からロシア語を自分の口で発言していないこと、第二に単語や表現方法の知識が不足していることが原因だと思います。 ただし、「動詞を制する者はロシア語を制する」の金言の通り、各センテンスの心臓部分(述語)になりやすい動詞の現在変化・過去変化、完了体と不完了体の区別がはっきりしていないのも大きな問題だと思います。かなりの中級者でも、基本的な動詞の現在・過去変化の仕方がしばらく考

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          みんな単語は覚えられない。それでも繰り返す人のみが上手くなる

          よくある相談に、「単語や文法事項を何回写しても覚えられない」というものがあります。 昨日の質問は、「述語副詞」「無人称動詞」という用語は何回も耳にするけど、何だったのかすぐ忘れてしまうというものでした。 物を覚えられない原因は2つあります。 まず、そもそも単語(例文)暗記帳を作っていないということ、それから、もしくは作っていたとしても、それを見返さないということです。 第一に自分の学習した単語や文法などを記憶に固定化するためには、単純に「何度も復習」することが一番効果

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          リスニングの鍵はリスニングではなく、音読一強

          もしあなたが口からなかなかロシア語が出てこないのであれば、それは他ならぬ音読を毎日していないからです。 私は授業の最後にほぼ毎回、耳に蛸ができるくらい「音読してください」と言い続けて久しいですが、それでも尚言い足りないくらいだと確信しています。 殆どの人がどうせ音読しないからです。 リスニング能力のレベル向上は、その音源と似たようなカテゴリーと似たようなレベルのロシア語の様々な文章を精読し、ひたすら音読することです。 2,3級のリスニングであればロシア語の学参の長文文

          リスニングの鍵はリスニングではなく、音読一強

          ロシア語における女性差別意識

          一般的にロシア語の中の女性蔑視として認識されるのに、женская логика(女性の理論)という言葉があります。 これは、ある人の思考が理論的ではなく、感情によるものだということを皮肉った言葉で、蔑視と言う人もいます。 ただし、женская интуиция (女の直感)という言葉もあり、こちらは、褒め言葉で使われる傾向があります。 Женщина за рулем - обезьяна с гранатой (女性にハンドルを握らせるのは、猿に手榴弾を持たせるこ

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          動詞はロシア語の心臓。動詞をなめるとロシア語の成長は絶望的になる。

          「動詞を制する者はロシア語を制する」 という言葉が示す通り、動詞に関しては常に慎重に接する必要があります。 動詞は多くのロシア語の文章の中で述語という心臓部分を担っているのにも関わらず、変化や補語の格支配が複雑であるがゆえに、多くの学習者が腰を据えてきちんと向き合おうとせず、疎かにしやすい品詞だからです。 動詞を覚えようとするとき、原形だけ覚えれば十分だと潜在的に思っている人が多いです。 確かに、軽めの会話等であればネイティブとのやり取りでは事足りるかもしれません。

          動詞はロシア語の心臓。動詞をなめるとロシア語の成長は絶望的になる。

          ロシア語が覚えられないのは、才能の有無ではない。圧倒的に勉強不足だからだ。

          ロシア語を始めて数か月~2年以内くらいの人がよく漏らす 「口からスラスラとロシア語が出てきません」 「文章をスラスラと読めません」 「語学の才能が無いのかな」 という弱音は、その人の才能の有無ではなく、音読量と暗記量が”圧倒的に”不足していることからほとんど生まれています。 家で音読している時間が短すぎます。 文法や語法が分かっていることが大前提として、 ①単語や語句、例文を、それらを見ずに壁に向かって、スラスラと口から自然と出てくるまで暗記して音読しているか、 ②作っ

          ロシア語が覚えられないのは、才能の有無ではない。圧倒的に勉強不足だからだ。

          「義務」や「不可能」などの完了体と不完了体の使い分け。動詞が原形になるパターン

          最近集中して質問が多いのが、ロシア語の文中で脈絡もなく突然出てくる動詞の原形は何なのか?という問題です✎ 動詞が文中で原形になる原因はいくつか存在しますが、多い例としては、 ①義務(~すべき) や、 ②禁止、不必要(~するな、~すべきではない)  ➂不可能という意味です。 具体的な例を見ていくと、 ①の例 *Я не знаю, что делать.  私は何をすべきか分からない。 *Я не знаю, с чего начать. 何から始めるべきか分からない。 *Т

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          ロシア語の面白い奇妙な単語:動物の名前のついた動詞

          ロシアの小説などにたまに登場するёжиться(縮こまる)は、動物のёж(ハリネズミ)が語源であるという説があります。マイナーですが、動物が動詞の一部になっている単語も少なからず存在します🦔 例) лисить:媚びへつらう(キツネから) гадить:クソまみれになる(蛇から) обезьянничать:猿まねをする(猿) голубить(まれ・古):寵愛する(鳩) петушиться:かっとなる(鶏) хомячить:もりもり食べる(ハムスター) собачит

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          頂いた質問:リスニングが聴き取れません。 ※他質問2つ

          🍎回答:リスニングが伸びないのには2つの原因があります。 ①知っている単語の量が不足している。 ②普段からテキストを読解する練習量が不足している。 およそ、文字化してあるロシア語のテキストを左から読んで大方を理解できないのであれば、それと同難易度かそれよりも高いレベルの内容のリスニングを聴き取ることはできません。 普段から文法解釈ができたテキストを沢山音読し、同時にそのテキストの内容の難易度を自ら上げていくことによって、自ずと徐々にリスニングの解像度が上がっていきます。

          頂いた質問:リスニングが聴き取れません。 ※他質問2つ

          ロシア語能力検定が不合格だった人へ。沢山挫折し、沢山思い出を作ろう。

          昨年末のロシア語能力検定試験が不合格で落ち込んだ人も少なからずいたと思います。 当試験はあまり有名でもない機関が独自の判断であなたのロシア語の能力を勝手に決めたものです。 語学はもっと広く多様性に溢れています。 是非、桜梅桃李のあなたらしいロシア語の勉強を今日から再開していただければと思います。 ロシア語を始めてそんなに日が深くない学習者が 「格変化を忘れる」 「単語が覚えられない」 とよく口にしますが、殆ど全ての場合それは当たり前で、3、4回と沢山忘れて初めて

          ロシア語能力検定が不合格だった人へ。沢山挫折し、沢山思い出を作ろう。

          ロシア語のリスニングが上達しない人は、リスニングの練習ではなく、『音読』量が圧倒的に不足している。

          今日、語学2年目のバリバリ勉強する生徒さんが、「音源を聴いたとき、それがロシア語であることはわかるが、頭が回らないし、受け付けない」と言っていました。 このような場合、単語不足と音読不足が原因で、それはロシア語を始めてまだ2年しかたってないから単純に「慣れていない」だけであり、継続的に知らない単語に沢山アタックし、精読解釈が可能な文章を沢山音読すれば、必ずその時その時のレベルの段階に応じた難易度のロシア語のリスニングが分かるようになります。 逆に言えば、何年経ってもリスニ

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          日々発生しまくるロシア語の誤訳

          ロシア語の上級者でも、日本語の単語をそのまま文字面でロシア語の単語に訳してしまうことが多々あります。 それは単に単語の知識不足から起こる場合は仕方ないですが、問題なのは何のためらいもなく、文字面どうしを訳すことが常態化している場合です。 例えば、(会う)約束をобещаниеと訳したり、「お前が悪い」というのを、Ты плохой.と疑念もなく訳すことです。 合う約束とは、У меня (будет) встреча.と言った方がロシア語においてはより自然だし、「悪い」

          日々発生しまくるロシア語の誤訳