オットー_ネーベル

折々の歌詞(113)

メンソールの煙草を持って 小さな荷物で/楽園に行こう 楽園に行こう 大きな船で

 THE YELLOW MONKEY

「楽園」(1997)冒頭「小さな荷物」「大きな船」のささやかな対比が、全編を、ひいては詩人の「楽園」観を一貫する両義的価値観をさりげなく暗示している。
「苦しみも憎しみも」には「スプーン一杯分の幸せ」が対応する。
「愛と勇気と絶望」、「赤い夕日」「黒い海」、「ひとりきり」「ふたりだけ」の両端にはさまれて存在するスペクトルの全色彩、すなわち、全人類の肯定。

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