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生まれ育ったまちへ

暑いけど、湿度が低くてちょっとましに感じますね。
こんばんは、仲野です。

前回のnoteで、5年間携わった「渋谷ズンチャカ!」について書きました。

本当に無事に終わってよかったなあ。

今日は、終わってちょうど2週間経った今思うこと、これから先について今思ってることを書いておこうと思います。






■渋谷ズンチャカ!と僕の物語

そもそも、5年間携わっ「」って書いて過去形にしちゃってるけど、全然まだ携わると思う、というか、「これで終わり!」みたいなものでもないので、意識的に終わらせるものでもないと思ってるんだけど。

渋谷ズンチャカ!には2019年から携わり始めました。
最初の1年は全体像もあまり掴めてなくて、プライベートも大変だったからついていくのがやっと。まさしく1年生、みたいな感じ。

翌年、2020年のコロナ禍突入から本格的に通年スタッフとしてフル参加し、2021年のキャプテン経験を経て、コロナ禍の終了を宣言するように渋谷のまち全体を彩った今年2023年。
たぶん、この先何年携わっても、この5年間(特に2020からの4年間かな?)が一番濃密に携わった期間だったし、それでいうと2019年から始まる僕の渋谷ズンチャカ!との物語は今年で一区切りだな、って思ってます。

ただまあ、これは”完結”ではなくて、”第1章~完~”だと思ってますけど。



渋谷ズンチャカ!は僕に新しい友達と学びをくれました。

下は0歳から上は60前後ぐらいまで(?)の仲間たち。この5年間、必死になって一緒にものをつくれてよかった。

学生の文化祭準備みたいに毎週末集まって朝から晩まであれやこれやとミーティングして。(※無給です。)
平日も夜にオンラインで集まって日付跨ぐぐらいまでミーティングして。(※無給です。)


22歳で東京に出てきたころ、僕は通勤電車に揺られながら「こんなにつまらない毎日を過ごして年を重ねていくのか…。」と思っていました。

同時に、「いつまで東京で過ごすんだろう。早く地元に帰りたい。」とも思っていました。

当時ずっと聴いてたなー。銀杏BOYZの”東京”。


そんな退屈な東京生活を少しでも変えたくて、当時仕事のつながりで見つけた渋谷ズンチャカ!に参加して、言葉の通り僕の人生は変わったと思います。


東京を、「自分の地元だ」って言えるようになりました。

東京に住んでいる人も「ちゃんとそこに住んでいるんだ」ってことを知りました。

「まちはもっと使える」ことを知りました。

「まちに対して働きかける」ことができることを知りました。

日本の各地に散っていって活躍している友達ができました。

「君と僕は一生の友達なのさ」ってことですね。ズンチャカ Forever!




■これから先の僕の物語


実は、今日の本題はここからなのです。ここからが大事です。


結婚しました(唐突)。

奥さんとは渋谷ズンチャカ!で知り合いました。
やっぱり文字通り人生変わってる!


これから先については二人で話し合って考えていっています。

で、その「これから先」の可能性の一つとして、この先何年かしたら僕が生まれ育ったまち「京都」に帰るという選択肢もあります(まだ全然確定じゃないですけどね)。

それにはいくつか理由があるのですが、
例えば東京には結構長く住んだなーというのもあるし、
僕の祖母がまあまあ高齢なのもあって、その人の人生の最期にはそばに居てあげたいのもあるし、いろいろですね。

よく考えたら大学卒業してから9年東京に住んでいるので、親とも盆と正月ぐらいしか会ってないからな。

親が生きてるうちに会う頻度増やすってのはとても大事にしたい価値観。


で!

で!ですよ。

仮に、京都という土地に僕達が住むとした時に目を背けられないとてもとてもとてーも大きな問題があるのです。それが今日の本題です。


それは、「京都市は絶望的なまでに金がない自治体である。」ということ。

信じられないでしょ?




■貧乏都市 京都。住めるのか?

知っている人は知っている、でも結構な人が知らない。京都がとても貧乏な自治体であるということ。

「あんなに観光客でにぎわっているのに、そんな貧乏だなんてご冗談を。」

って思うでしょう?


実は京都市という自治体は毎年赤字、多い年は100億円規模での赤字を2000年代から垂れ流し続けている貧乏自治体なのです。

こんな自治体は他にないぐらいの状況です。

どれぐらいやばいかっていうと、赤字が酷すぎて、「将来、古くなった道路や建物の改修に充てるために積み立てているお金を切り崩してもまだ赤字」っていうぐらいの酷さです。


赤字とは、「支出が収入を上回っている状態」です。
で、自治体で言う支出も収入も、ぜんぶ「税金」のことを指しています。

なぜ観光客が世界中からくる京都という町が赤字なのか、簡単にかいつまんで説明します。

■「収入が少ない!」の部

・働く世代が少ない
京都は大学生が多く、働く世代が少ないんです。大学生も卒業したらだいたい大阪か東京に行きます。

・固定資産税が入ってこない
景観条例で高層マンションが建てれないので固定資産税が入ってきません。
そして地価が高すぎて市外、県外に人(特にファミリー層)が流出してさらに税収が減る負のループ。

・坊主丸儲け問題
これぞ京都のアイデンティティでしょ、って思うのですが、寺社仏閣は非課税です。これまた税収が入ってきません。

で、実は観光客が多くてたくさんお金を落としていこうが、税収にはそんなに影響がないんですね。これが悲しいところ。


■「支出が多い!」の部

・市営地下鉄一生赤字問題
1981年に開業した京都市営地下鉄ですが、開業してから1回ぐらいしか黒字の年がなかったみたいです。ずっと赤字です。これが一番問題。
たしかに、地下鉄東西線とか誰が乗ってんねん。

・ほかなんかいろいろ
いろいろ書いてあった気がしましたが忘れたので割愛します。

保育士への補助とか、クリーンセンターや古くなった施設の維持とかいろんなところに必要以上にお金がかかっていて、どうやって統合していくか、とか、市立の高校の統廃合とかが進んでいるみたいです。


なるほどなんとなく大変そう、というのはわかる気がしますね。

実は、なんとなく大変そうの領域はとっくに超えていて、
このまま赤字を出し続けると、10年後には企業で言うところの破産申請と同じ「財政再生団体」に転落するかもしれないんです。

財政再生団体になったら、自治体なのに自治できなくなって、国の指示の通りに「この事業辞めてね。」、「はい、あなた給与カットね。」ってやられちゃいます。

日本で財政再生団体に指定された自治体は後にも先にも1自治体しかなく、北海道の夕張市が2007年に初めて財政再生団体に指定されて以降、全国でも夕張市しか財政再生団体はないのです。

2つ目の財政再生団体に京都がなってしまうかもしれない。

「あの京都が!?」って思いますよね。でもそれぐらいの危機感です。


ちなみに、京都市が財政再生団体になった暁に起きることはこちらの京都市の資料 に載っています。

簡単に言うと、

・行政サービスが縮小、サービス終了になって

・公共サービスの利用料金が高くなって

・子育ての支援もなくなって

・医療保険も費用が高くなって

・自治体の魅力がなくなって

・人口が減ります。

夕張市が完全にしくじり先生的な前例になってくれているのと、資料などを見ると結構な絶望感です。

まあ、夕張市はもともと炭鉱のまちで、戦後にバブル的に人口が爆発したという背景もあるので、持っている資源やそこにいる人、根付いている文化などを比較すると、すべて同じではないのですが…。

ただ、このまちになんの課題感も対策もなく、数年後に「住みまーす!」と言って引っ越すのは、いかに生まれ育った愛すべき地元といえど、自分の人生を自ら崩壊させに行くようなものなんですね。

だから冷静に、京都市が抱える課題感を調べないとなあ…と思って、今日は京都市が作成した資料を眺めていました。




■立ち上がれ京都。行財政改革2021-2025


京都市も黙って財政再生団体になりに行くわけはないので、
「さすがになんか取り組みやってんだろう」と思って調べたら出てきました。

行財政改革2021-2025」という資料。

合計73ページにもわたる資料です。絶対誰も読まねえよ…。

ざっと目を通したのですが、行政特有のまじで何言ってるのかわからん言い訳がましい文章の羅列 知的なお役人様ならではの言い回しのおかげで73ページにも膨らんでいますが、結論書いてあることは、

・収入増やします

・支出減らします

・それぞれ、実現のために取り組みます


って書いてあります。もうちょっと具体的にいうと、

・すぐに黒字転化は難しいので、この先数年は、支出に天井を設けてそれ以上お金使わないようにする。

・将来のための貯金切り崩して充当してるやばい状態をなるはやで(令和15年までには。)脱却する。

って言ってる。

令和15年までは墜落回避期って明言しちゃってるけど。墜落回避て。でもまあそうだよね。


他には、行財政改革を大枠で以下の5個やるって言ってます。


■行財政改革1 事業見直しや受益者負担の適正化等
言葉むずくね?要約すると、

・民間に事業委託します
・補助金の使い道見直します
・国にお金くださいって頑張ってアピールします

■行財政改革2 投資的経費のマネジメント
・不要な投資をやめます
・建物の管理ちゃんとやります

■行財政改革3 公共施設のマネジメントと資産の戦略的な活用
・公共施設の使い方(使われ方)見直します。
・あまり使われていない場所(閉校した学校の跡地とか)を積極的に活用

■行財政改革4 全会計連結による改革の視点
・鉄道が足引っ張りすぎてるので、引き続き監視します
・ほかにも水道とか、健康保険料とか、卸売市場が課題感らしい
・外郭団体のあり方も見直すらしい

■行財政改革5 組織・人員体制の適正化,人件費の削減
・役所の職員数減らす
・働き方改革をやる
・給与カット



なにやらこのようなことをやって、収支を改善していくとのことですよ。

少なくとも10年近くはかかることは覚悟しているみたいですね。むぅ…。




■ちょっとわくわくした「成長戦略」と今後の僕のスタンス


さて、貧乏な自治体京都の現実を知ったところで、ちょっと残念な状態ながら、やっぱり生まれ育った土地に対して愛着はあるもので、そして課題感も強く感じているので、何かできたらいいなあとは思っています。

今後の都市の成長戦略の中で、

・ 若い世代に選ばれる
・文化と経済の好循環を創出する
・持続可能性を追求する
・「知」が集う
・伝統と先端が融合するデジタル創造都市

を目指していくらしいです。


なんか、そこの力に少しでもなりたいな、って思いが少しずつ出てきました。

生まれてから22年間育ててもらったまちが、このまま没落していって良い訳がない。
って思って、今僕は京都市という自治体に対して課題感を持っている。

自分が京都市というまちに対してなにかできることはないかな。って、割と本気で思ってる。
ちっちゃいまちだからなー、京都なんて。

でも、普通の人の自分に何ができるかはぜんぜんわからないけど。


で、このnoteを結ぶのですが、

京都市というまちに対してなにかできることはないかな」っていう発想が出たのって、完全に渋谷ズンチャカ!で過ごした5年間が影響していると思っています。

渋谷ズンチャカ!って、僕みたいな『普通の人』が「その人の手で自分の住んでるまちをちょっとだけ変える」体験ができるんですよ。

深く携わった人なら、よりその色が濃くにじみ出るような気がしていて。

僕は運のいいことにキャプテンをやったりして、
渋谷ズンチャカ!っていう行政のかかわるイベントがどんな人たちの関与や協力で、どんな仕組みで作られているのかを学ぶことができたなって思ってます。

あとはやっぱり「まちはもっと使える」っていう思想と出会ったのは大きい。

渋谷ズンチャカ!を通して出会った人たちから得た刺激が自分の学びになっていることを感じる。


なので、次はこれを自分の地元に感じている課題に対して、なにかできないかなと思っています。

もし、京都に住んでいる僕の地元の友達や、京都の自治体に勤めている人などでこのnoteを読んでくれた方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報交換をさせてください(笑)。

と書いて終了にします。

5000字にわたる長文読んでいただきありがとうございました。おやすみなさい。

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