シリーズ「考える人をテーマにした冊子を作りたい」vol2

前回の取材の翌日、私はデザイナーと話をしました。

チラシ作りなどでいつもお世話になっているデザイナーさん。
この企画の中では、デザイナーさんに特にセンスについて聞きたかったのです。
かっこいいデザイン、オシャレなデザイン、それは、デザイナーさんという感覚的すぐれているからできるんでしょと思いがち。でも、デザインの裏には思考があるはず。依頼者の思いや伝えたいこと、それをよりよく伝えるにはどうすればいいか。単にかっこいいとかおしゃれとかではなく、伝えるための思考を聞いてみたかったというのがあったので、取材対象となっていました。

Mさんには、企画の詳細はまだ話しておらず、Mさんの仕事について取材したいとだけお伝えしていました。しかし、前日の取材で、いきなりつまづいたこともあり、この日は正直にそのことから話をすること。

「かくかくしかじかで、このような企画を考えているんだけど、Mさんこの企画をどう思う?」

Mさん曰く、企画を考える上で、一番大事なのは、手に取った人にどんなアクションを起こしてほしいかということ。

今考えているこの企画を振り返ってみると、「考えて行動している人の話を聞きたい!」という私の興味が先に立ちすぎて、これを読んだ人にどんなアクションを起こしてほしいという、言ってみればそもそもなんのためにこの冊子を作ろうとしているのかという一番肝心なところが、手落ちになっていたような気がしてきました。自分の住んでいるまちに、こんな考えを持った人がいるんですよということを知ってもらうことで、自分のまちが面白く見えてくるとか、自分も何か考えてみようという人が出てきたら面白いだろうなという考えはあったものの、「考える人」という言葉自体が抽象的すぎるし、何を目指しているのかがぼんやりしてるんだろうなと気づきました。

デザイナーさんに話を伺う中で、私が聞きたかったセンスについても聞いてみると、「センスには知識が必要だと思います」とおっしゃっていて、例えば旅行に行っても、お土産のパッケージとかよく見てしまうし、長年デザイナーとしてやってきて頭の中にインプットされた知識が、お客さん「こういうデザインをして欲しい」という依頼があった時に、右脳を回転させてイメージをアウトプットするという感じのことをおっしゃっていました。また、デザイナーはアーチストではないので、自己表現を目指すのではなく、あくまでお客さんのイメージに対して、それを具現化することだともおっしゃっていました。

私の企画の話もしましたが、考えた結果、いったん置くことにしました。やりたいことは、変わりませんが、どうやってするか、HOWの部分をもうちょっと練りたいなと思います。

この日、デザイナーさんに伺った話は、他にもたくさんあって、私にとっては学びのある、忘れていくにはもったいない話があったので、メモは残しておきます。いつか出番があるでしょう。


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