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6月出張の総括

旅程

出張の旅程は以下の通り。

6/2 NRT→ORD→PHL:フィラデルフィア入り

6/3-6/6:BIO参加

6/7 PHL→IAH→SCL (6/8):サンチャゴ入り

6/8-10:サンチャゴで過ごす

6/10 SCL→IAH (6/11) →NRT (6/12):帰国

BIOについて

BIOについては実は今回はそれほど大きな期待を持って臨んだわけではなく、むしろアメリカにいる既存顧客に会いにというような位置づけになった。実際にOne-on-oneシステムを通じて行った面談はたった24社。だが、NYCからわざわざ会いに来てくれる顧客もいたり、BIO自体というよりもアメリカの東海岸に来て、顔をつないだということの意義は大いにあったと思う。何よりもびっくりしたのが、BIOの最中にアメリカの別のコンサルタントからコールドコール(e-mail)をもらったこと。

「トシ、インターネットでサーチしたらお前の名前が出てきたんで連絡してる。今、ちょうどフィリーにいるんだよね。木曜日にBIOがはねたらちょっとマリオットのレセプションで会えないか。至急、頼みたい仕事があるんだ」

こういうのは本当にうれしいというか、地道にやっててよかったなと本当に思えた。

一方で、実際にはBIOそのもので新規の顧客を獲得するというのは少し限界があるんじゃないかと思った。今回、我々はギリギリまでコアターゲット層だけに絞ってインビテーションを出していたのだが、その結果としてはほどんど新規の会社に会えていないという状況になっている。これにはいろいろな原因があるだろうし、これからその分析を進めていかなければならないところだが、日本の市場が中国に対して見劣るようになったこともその原因の一つなのじゃないだろうかと思い始めている。そういう意味では、この期間中に我々の中国ビジネスの部門が少しずつ動き出していることは、良い兆しであると思う。

何にしても、これまでカンファレンスでの面談頼みだった新規顧客開拓について多面的なアプローチが必要だし、できるようになってきている(英文記事の出版が何とか間に合ったのも大きかった)のは、会社が良い方向に向かって言っていることを示しているのではないかと思う。逆に、参加するカンファレンスの数をある程度絞っていってもいいのかもしれないとも思い始めている。

チリへの旅行について

チリに住んでいる友達の一人に、彼が現地にいるうちに一回ぐらい会いに行こうとは常々思っていて、今回アメリカに行くついでに行くことにした。土曜日の朝に着いて、丸3日滞在して、次の月曜日の夕方に発つという日程であった。今このnoteの記事はサンチャゴ空港で書いていて、これから帰国する飛行機に乗るというところである。

実際に今回のチリへの旅行には大きな目的が一つあった。私が「海外旅行」というものを果たして素直に楽しむことができるような人間であるのかどうかということを確認すること。私はこれまで海外旅行というものをしたことがなく、それを試してみたいと思っていたのだ。

結果的には、今回の旅行だけでは私は自分が海外旅行に向いていると結論付けることはできないと思う。結局滞在中のかなりの時間を仕事に割いてしまったと思うし、友人たちは最大限に気を使ってくれてゲストの僕を迎え入れてくれていたと思うのだが、はっきり言って何を楽しめばいいのかよくわからなくなってしまった。今は彼らが不愉快な気分を残していないことを祈るだけである。

彼たちと実際に生活の時間を共にしていたのは大学生の時代で、20歳前後の時期だ。私はさすがにそのころと比べれば、自分がそのころに自分の欠点だと思っていた部分、特に自分のエモーショナルな側面のうちのある特定の部分は、それでも少しは成長していると信じていた。しかし、彼らに実際に会ってみて話していると、ピノノワールの一本も空くころには学生時代の否定したかったその自分の部分がなぜか引きずり出され、バンドエイドはびりびりと剥がされ、その下の傷口にはまだ膿がたまっていたのである。その部分は少しも成長なんかしていなかった。そのことで、私は正直にいって少し傷ついた。

今の自分の人間関係の大部分は何らかの形で仕事にかかわっている。結局そのバイアスがかかればこそ、一目置いてくださる方もいらっしゃる。しかし、その関係が無くなれば私は自分の中に、人との関係を作る上で必要なものを探すことはできなくなっているのではないか。そんな思いは、本当に私を不安にさせる。それは、この旅行の本当の目的とも相まって私の心を揺さぶる。本当の目的は、この旅行が計画されていた時には顕在化していなかったが、今空港でこの記事を書いているときに、具体的な形をとって私の前に立ちはだかる。それは傷心旅行なのだった。自分の現状を癒し、傷を忘れ、帰国してからの人生に、仕事に集中するために自分に与えようとしたちょっとしたきっかけだったのである。

私は結局この旅行の最後にはこうして大きく揺さぶられ、忘れたいことを思い出させられ、傷は癒されていないことを再確認することになる。しかし、救いはある。それは、仕事があるということだ。しかも帰国してからは、かなり忙しくなることが予想される。結局、傷は旅行なんかでは癒えないのである。仕事を下さるお客様に感謝するしかない。

私の心の、このエモーショナルな部分を歌ってくれるのはやっぱりキリンジでしたので、その音楽をここに残しておきたいと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=SuMGK5g_6K0

#出張記録 #キリンジ



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