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綴りと発音

 水曜日の午後9時からNHK-BSで放映しているドラマ「シャーロックホームズの冒険」を毎回楽しみに観ています。原作はコナン・ドイルですが、作家であり、医師であり、政治活動家でもあったドイルは、「サー(Sir)」の称号を持ち、Sir Arthur Ignatius Conan Doyleというのが正式な名前です。

 オープニングで、「Adventures of Sherlock Holmes」とタイトルが表示されるわけですが、ここで、子供の頃からお馴染みの「シャーロックホームズ」の「ホームズ」が「Holmes」になっていて、日本語的に発音すれば「ホルムズ」ではないかということに気づいたのです。

 そこで、この綴りと発音についてちょっと調べてみました。

 「ギョエテとは 俺のことかと ゲーテ言い」という川柳があります。これは明治時代の作家、斎藤緑雨の作と言われますが、これに倣えば、「ホルムズは 俺のことかと ホームズが」みたいなことになるのでしょうか?

 「ホルムズ」という音から想起される単語に、ペルシア湾沿岸諸国で産出する石油の重要な搬出路であり、毎日1700万バレルの石油をタンカーが運び、日本に来るタンカーの全体の8割、年間3400隻がこの海峡を通過すると言われる、あの「ホルムズ海峡」があります。
 ホルムズ海峡は英語で「Strait of Hormuz」と言います。見た感じでは、こちらの方が「ホームズ」みたいに思えます。

 そこで、両者がどのように発音されるかを調べてみました。今は、なんでもネット検索で出てきます。

<Sherlock Holmes>

 https://ja.howtopronounce.com/sherlock-holmes

<Strait of Hormuz>

 https://ja.howtopronounce.com/strait-of-hormuz

 どうでしょう? 聴き分けられますか?

 まあ、今更カタカナの発音を変えろなどと野暮なことは言いませんが、今世界中の最優先課題になっている新型コロナウィルス感染症ですが、ここまで来る前に、既に4つの「VOC(最も懸念される変異株)と2つの「VOI(注目すべき変異株)に、それぞれ、ギリシア文字の「α、β、γ、デルタ」と「λ、μ」が割り振られています。
 その後の期間に新たに発生した株の名前は割愛しますが、今年の12月に入って、目下世の中を騒がせている「オミクロン株」が、このVDIからVDCに変更されたようです。

 で、ここで述べたいことは、変異株の話題ではなく、オミクロン(ο)の前にもいくつか候補名があったのに、何故かそれを飛ばしてオミクロンと命名されたかといううわさ話のことです。

 若い頃、英会話で困ったことは、中国人の名前を言われた時のことです。「Mao Zedong(mɑ'u‐dzədúŋ)が、「毛沢東」と気づくまでずいぶん時間がかかりました。
 その伝から、今の中華人民共和国主席の「習近平」は「Xi Jinping」となります。発音記号が見つからないので、その発音をカタカナで書きますが、「シージンピン」に似た音になります。

 ここでは、発音ではなく、新型コロナウィルスの変異株名のアルファベットの順番のことですので話を進めますが、本来ならばオミクロン株に割り当てられるべきギリシア文字は、この「習」(Xi)さんの「Xi」と同じだったということなのです。
 しかも、これは日本人だけに通じるネタですが、アルファベットの「Ξ」の英語読みが「Xi(クサイ)」という、どうも胡散臭い落ちになりますが、習近平に忖度してWHOは「クサイ株」には蓋をして、「オミクロン株」と命名したということらしいです(諸説ありますか?)。

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