見出し画像

旅の記憶

旅行をしたときに、鮮明に記憶に残っているのは、目的地ではなく、むしろ行く予定でなかった場所であることもよくある。
私の場合、初めて行った海外旅行がそうだった。20年以上前になるが、大学のころ、初めての海外旅行でアメリカを旅することになった。最初は友人と2名で行く予定だったものが、友人の都合で1人旅になった。
夏休みに4都市を4週間かけて回る、という学生だから出来るような旅程で、その最初の町がニューオーリンズだった。それほどメジャーでもない町が最初の目的地だったのは、当時聞いていたNHKラジオ英会話に出てきて興味を持ったことだったからと記憶している。
ニューオーリンズはジャズの街として知られるが、それほど大きな街でもなく観光スポット的なものは既に見てしまっていた。ニューオーリンズが面しているミシシッピ川に対岸まで渡れるフェリーがあり、それに乗ることを思い立った。対岸にはアルジャーズという街があり、特に観光地、というわけではない。
アルジャーズの街中を歩いてみた。特に高級でも低級でもなく、ごく一般的な戸建て住宅が立ち並ぶような街並みが続いていた。そこで覚えているのは、暑い夏の日中で、人影が全く見当たらなかったことだった。よく日が当たり乾燥している街並みを、誰にも会わずに歩いていた、その光景を今でも覚えている。
今はGoogleストリートビューでほぼどこの国のどこの都市でも街並みを見ることが出来るので、試しに見てみた。記憶だと砂ぼこりが舞うようなイメージで、それとはやや印象は違うものの、こんな感じだったように思う。
https://goo.gl/maps/PWXFSyE4LGmjogcM8
ニューオーリンズを観光した記憶は正直、あまり残っていないものの、むしろアルジャーズの方が鮮明に覚えているのは面白い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?