陽はまた昇る エロじゃなくてごめん
銀座の個展で、僕は画商やプロ作家の名刺を何枚かもらった。
オーナーが言うには、それは画家にとって勲章と同じだって。
僕は画家としてのスタート地点に立ったらしい。
僕はそのまま、またポンコツに乗って大阪に向かった。
東京の成功を夢見て集まった人たちの張り詰めた空気に耐えられなかった。
深夜勤務・時給1500円・土日休み・・・僕は大手の鉄鋼会社に派遣で入った。
そこで一年間、何も考えずに働き、50万円貯めて空港に向かった。
二度目の放浪だ。
住処を出る時、腕時計を捨てた。