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実在論

VRを体験すると、目と耳からだけの情報なのに興奮する。
ボールが飛んできて、胸を通過するという不思議な「体験」をしてしまった。目と耳からだけの刺激なのに、もし、そのタイミングで胸をトンッと刺激されたら、心臓が止まるかもしれない。
人は「目に見えるもの」を現実として捉えているが、同時に匂い、音、味、触覚と五感を同時に感じている。目に見える、というのは視覚を中心に処理する生物であるヒトの観念でしかない。

さてさ、最近VRでみんなが体験しているように視覚、聴覚が同時に来るとリアリティが増すのだが、これに嗅覚、触覚、味覚の刺激が同時に加わってしまったら、脳は現実と仮想現実を区別できるのだろうか?

身体は外部の世界の物理的刺激を五感(目、耳、鼻、舌、皮膚)といわれる感覚器によって神経電位信号に変換し、脳に伝達することによって、その存在を現実のものであると認めているわけである。
つまり現実とは「刺激を感知できるもの」であり、記憶とは刺激の蓄積なのである。

五感で感知する体外の物理的作用とは光、音、化学的粒子、あるいは力学的刺激などである。
しかし実際に、眼、鼻、耳、口、皮膚、関節、筋肉などの体性感覚の受容器へ人工的電位刺激を流し、精密に正確に体内の神経電位として伝達することができれば、脳にあたかも現実であるかのように刺激を受容させ、錯覚させることが技術的には可能であろう。そしてその刺激の蓄積が記憶となってしまう…。

最近A君に会ったばかりだと思っていても実は良くできた夢、すなはち睡眠中に各受容器が現実世界に近い反応を示した夢の中で会っていただけで、実際はA君 に「何年も連絡もせず薄情なやつ」と思われているかも知れない(笑)
またこれからVRゲームが進化すると、身体中の受容器に直接電極を差し込み、それぞれ適切な電位を与えることによって、仮想旅行、仮想スポー ツ、仮想娯楽などが可能になるかも知れない。
現実には椅子に座って動いていなくとも、正確に受容器からの神経電位さえ脳に伝えれば、脳は見ている、嗅いでいる、聞いている、味わっている、動いている 「感覚を認知し記憶する」のである。
ここまでいくと、どこからどこまでが現実なのか解らない映画マトリックスの世界ですね。
もしかしたら、今も我々ヒトは「さめない夢」の中で生きているのかも知れない。

身体のこと健康のこと不調のこと、お気軽にご相談ください!

(株)ニューログリア脳神経科学研究所
代表取締役 小林昌彦
オーストラリア王立メルボルン理科大学医学部卒業
スリランカ国立アンパーラ病院にて神経内科医として勤務
現在自然医学の治療院として、古代インド医学アーユルヴェーダ、東洋医学、古代インディアン医学などを研究統合して実践しています。
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