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馬事東風 中の巻

馬のはなむけ(女もすなる馬事といふものを)


下の巻のサブタイトルをどうしようかなと考えていると
そういえば、乗馬は女性の嗜みか⁉(薙刀的な)というほど
三木ホーストレックのレッスン生は女性が多く
しかも皆さん上手だったのを思い出し、
タイトルの馬事東風ともかけて
もすなる馬事といふものを”
というフレーズを思いつきました。

これは言わずと知れた、『もすなる日記といふものを』という
土佐日記の冒頭の部分のもじりなのですが、
調べてみるとこの一節は、門出、または馬のはなむけ
と呼ばれていることがわかりました。

はなむけ”とは旅立つ人の道中の安全を祈願し行う
送別の宴、またはそのときに贈る餞別のこと。
”とも書きますが、もともとは”鼻向け”。

旅立ちのときに、馬の鼻先を旅立つ方へと向けたことから
生まれた言葉です。

今の今まで”花向け”だとばかり思っていました。
勉強になるなぁ。

土佐日記』は、名前の通り土佐を出発して京都までの旅を
日記にしたものですので、先をに向けたはず。

馬鼻東方(ばびとうほう)です。
(もとの馬耳東風からはだいぶ離れました)

このnoteでは、上の巻トレッキング体験体験乗馬を経て、
いよいよ乗馬教室に挑戦することになった中の巻
の書き出しにピッタリですなのですが、
はたして、どちらの方向へ向かっていることやら。


乗馬における危険性

安全を祈願してのはなむけではじめた下の巻ですが
最初のテーマが”危険性”とは、面目無いことこの上ない。

ただ、語り手として責任をもって、
まずは乗馬危険性から語らねばならないと思う訳なのです。

乗馬危険性といっても、騎乗しているときだけではありません。
馬といる時は常に(適度に)ホースハザード全般に
注意をする必要があります。

噛みつき
もっともよくあるのは噛みつかれること。
気に入らないことがあったり、またふざけたりして噛みついてきます。
当然肉食動物ではないので、
人を食い殺そうという気はさらさらないのですが、
それでも硬い干し草をすりつぶす顎の力はあるので、
軽くかまれても結構痛いものです。

そうそう頻繁に噛みついてくるわけではないのですが、
開けた口を近づけてくるという予備動作的な動きは
しょっちゅうなので、知らず知らずのうちに慣れて、
サッと躱したり、逆に鼻っ柱をペチッとはたいて
噛む気をそらしたりするのですが、
中途半端に躱し損ねると、贅肉を摘ままれる感じに噛まれて
とても痛いことになります。

噛まれた腕、噛まれたて。

蹴り
馬の後ろには決して立ってはいけないといいますが、
インストラクターの方々を見ていると、結構無頓着に馬の後ろを
通過しているように見えます。
馬は(小3並みには)賢いので、
知っている人が今から後ろを通りますよ、とわからせてからであれば
大丈夫なのだそうです。

だだ非常に警戒心が強いので視界の外から急に背後に立たれると、
ゴルゴ13のように反射的に蹴りが出るのです。

SDゴルゴ13はネットでの検索ヒット率が驚異的に低かった!


当然素人は、
”馬からちゃんと見られているかを見極めて背後に立つ”
などという冒険をする気は更々なく
何があっても馬の背後には近づきません。

しかし馬には横蹴りという技もあります。
横蹴りとなると蹴りの力は格段に落ちる代わりに
明らかに、ずっと前から見えていた相手をめがけての行為ですので、
馬としては確信犯であり、
こんなことをする奴はさすがに、そうそうはおりません。

考えられる容疑者は二人
1人目は温厚だが、脇を触られるのが嫌いなリアルブラック

ところで人間ドックを受けると肝臓のエコーを取られるのですが、
あのジェルみたいなのを塗ってなんどもなんども脇腹を
ネリネリされるのがこそばゆくって仕方ない。

このあいだ会社で人間ドックの話になり、
『胃カメラの次に苦渋の時といえば、腹部エコーの検査で、
あのくすぐったいのを耐えるのが大変ですよね。』
というと、『えっ?いや別に・・・』というみなさんの反応

あれ?超苦手なの私だけ?
ということで人によって脇腹の感度の差があるようです。

馬でも脇が超敏感な馬は少数派で、
そういう意味でトトムと気が合うのが最近の相棒、
上の巻でも脇腹ブラッシングが苦手であることを紹介した
リアルブラックです。

ブラッシングしたりすると、
(もう!そこ、こそばゆいからやめて!)
尻尾でパシパシはたいてくるのですが、
それでも続けていると
(やめてっていってるでしょ!)
とつい蹴りの動作が出てしまう。

本気で蹴るつもりはないらしく当たったことはありません。

2人目はもともと性悪な小風
リアルブラックとは対照的に小風君は隙あればと狙って来るのである。

ちなみに蹄鉄というものがあるのをご存じでしょうか?

たくましい筋肉で支えられる馬の脚は、その力が1点に集中するように
その先端は意外にも小さく、人の掌くらいの大きさのになっています。
その蹄の先(くつでいえばソウル)に
5㎜くらいも厚みのある鉄のプレートが取り付けられているのは
蹄の保護が目的なのですが、
格闘の見地からみるとこれは、凶悪以外の何物でもない。

人間のパンチの威力を倍増させるメリケンサックのようなものです。

馬の蹄鉄、スケバンのメリケンサック!
ちなみに右の人はスケバン刑事の敵である三姉妹の部下三人衆の一人らしい。
”スケバン刑事 メリケンサック” の検索でヒットしたのですが、
その後同じキーワードでも検索できなくなったので、誰なのか全然わからない。


ある日、小風の馬装をしていて、脇腹辺りに立っていると
何の予備動作もなく、見事な横蹴り一閃が私の膝辺りにヒットしました。

まるで南米武者修行から帰って来た後の
一皮むけた海道卓(かいどうすぐる)のようです。

左 南米前の海道さん、右 南米後の海道さん
南米後の海道さんの目つきが死んでいるのは、すでにパンチドランカーの予兆があるため?
(出典: がんばれ元気 小山ゆう)



噛みつかれた時の痛さとは比べ物にならない。
立っていられないほどの痛み。

インストラクターに馬装の続きをしていただき、
しばらく冷やしたりして休んでいたのですが、
だいぶ痛みも治まったので戻ってみると
小風がうなだれて、妙にしおらしくなっている。

となりの洗い場で馬装をしていた、ポコぞうに聞くと
インストラクターにガチ怒されていたらしく、チュンとなったようだ。

馬とはいえお客様に手を上げる、いや足を上げるとは
ペナルティー行為なのだろう

あの性悪小風のあまりの変貌ぶりにかえって気の毒になり、
それ以降は”小風チュン太郎”と呼び、仲良くしている。


蹄の恐怖は蹴りばかりではない。

普通に引馬をしている時でも、ちょっと馬と歩調がズレると
足を踏まれてしまう危険性もあります。

歩いている時、馬は一本ずつ脚を前に出すので、
地面についている脚は3本。
すなわち足裏に均等に体重が掛かっているとしても500㎏/3=166㎏
しかも蹄鉄の幅が狭いので、圧力も高くなかなか危険。

ポコぞうは一度足を踏まれたそうですが、
普段のほのぼのとした馬とのふれあい中にも危険が潜んでおります。

それでも一番怖いのはやっぱり落馬ですね。
落馬についてはドンマイG.W. Part Ⅲで書いていますので、
個別の落馬体験についてはここでは省略。

個別というのはこれまで4回落馬していて、
それぞれに思い出深いものがあるわけですが、
総じて言うと、トトムが落馬するときは
時間がスローモーションのように感じ、
比較的冷静に、
”あ、これは今の自分の技術では持ちこたえられないな。
馬にしがみつくべきか?はたまた落ちるべきか?”と
被害の小さそうなほうを選択しています(少なくとも、そのつもり)

インストラクターには出来るだけ落ちないようにバランスを崩しても
なんとか馬にしがみつきなさい、と言われるのですが、
王子と出会う時ののように暴れる馬に長時間しがみつくのも、
それはそれで怖いではないですか?

インストラクターの方にそれを言うと、
「ああ、トトムさんはそっち側なんですね。」とのこと。

あーっと、話の流れを間違えました。
王子に助けられたい姫”側かどうかということではなくて、
落ちる時スローモーションに感じるかどうかということ。

ではあっち側は?というと
どうも落馬が一瞬の出来事で、気が付くともう落ちていた
という方々が派閥の一角を形成しているらしいです。


インストラクターとも出会いと別れがある

乗馬は今はやりのウェビナーなどでできるはずもなく
当然、馬とは対うなじ、インストラクターとは対面
教えていただくので、
まずは馬と同時にインストラクターとも出会いがあるのですが
三木ホーストレックではかしこまった自己紹介というのは全くありません。

レッスン中の視界

『〇〇です、本日はよろしくお願いします。』などと自己紹介せずとも、
(そもそも、そんなタイミングはないのですが)
インストラクターは、レッスンの予約表で
生徒の名前を知ることができます。
リストの名前はどうやって一致させるかというと、
乗っている馬がめちゃめちゃ大きな名札の代わりになります。
リストの馬名と生徒氏名を照合して、
それから生徒の顔を覚えるという順番と思われます。

そしてインストラクターの方の自己紹介はというと
全くありませんので、
実は今でも名前を存じ上げない先生がたくさんいたりもします。

ということで、noteで紹介する場合には、
仮名を使わせていただくのが常ですが、
本名を書こうとしても書けないので紹介にはうってつけ。

普段から(心の中で)お呼びしている実際のニックネーム
書いていきます。

なおインストラクターの方の中には、私の入会後4年半の間、
ずっと勤めておられる方と
比較的短期間で三木ホースランドパークを去って行かれる方がいます。

雇用形態の違いなのか、はたまた流動的な業界なのかはよくわかりません。

ボス
名前の通り三木ホーストレックを束ねるボス的存在でした。

無口かと思えばおちゃめなところもある紳士ですが、
馬にはめっちゃ厳しいらしい。
常に馬がピリピリして、ボスの指示にしたがって動いてくれるので、
ビギナーでも馬の操作にやっきになる必要がなく、
ひたすら馬の背に揺られて、馬の動きに慣れることに集中できます。

そういうことで、指導スタイル
”細かいことは言わない、どんどん乗って体で覚えろ!”

当然、生徒のミスを見逃すまいと、
一挙一動がその鋭い眼光に捉えられているはず。

”おっと、今バランスくずして騎乗姿勢悪かったかな?”
とチラっとボスの方を見ると、
ボスはあさっての方向を向いて、
帽子でアブを叩き落とすのに熱中されておりました。

ボスは約1年でお姿が見えなくなり、聞くと定年されたそうです。

アブ狙い中のボスのイメージ

メイちゃん先生
やさしい男の先生です。
余談ですが初めて駈歩練習&初落馬もメイちゃん先生のレッスンにて経験

練習生にも優しいが、馬にもやさしいようで、馬はのびのびやってます。

特に明藍メイラン)のことが大好きなようで、
明藍に乗る時に私が馬装をしていると
メイちゃん先生がトコトコ近づいてくるので、
あれ?馬装で何か間違ったところがあるのかな?
と思っていると
明藍をなでなでして、何も言わず去っていくことが何度かあり。

明藍は馬装前に水をがぶ飲みするのですが、メイちゃん先生曰く
明藍は喉が少し弱いので、
冬場は冷たい水でなくてぬるま湯を飲ませてあげてください。だそうです。
明藍自然でやっていけるのかな?

そういえばレッスン終わりのお手入れで、毛の間に入った汗とか汚れを
しっかりと洗い落としてくださいといわれます。
これかなり重労働なのですが、決してそれが
メンドクサイとか、大変だなぁとか、
動物なのにそこまでしないといけないのかなぁとか
思っているわけではないのですが、
或る時、『人間が世話をしない野生の馬って
どうやって汚れを落としているんですかねぇ』
とメイちゃん先生に聞いたことがあります。

乗馬用の馬は毛を短く刈っているのですが、
野生の馬は毛がもっと長くて
自分で分泌する油(馬油)でコーティングされているんですよ。
だから洗ったりする必要はないんです。

いつも優しいメイちゃん先生なので、この話、聞いたのですが
なるほどね、と考えました。

人間はすでに生物学的観点からの動物とは違う社会的な動物となっており
もはや自然の動物には戻れませんが、
人間と一緒に暮らす動物家畜
カラススズメも、そして
すでにもともとの動物とは違い、人間社会というシステム
構成員になっているのですね。

メイちゃん先生もいつの間にかお姿を見なくなりました。
まだ若いので定年退職ではないのでしょうが、
若いインストラクターの方が、結構いなくなっていくことに
気が付いたのはこの頃からです。

メイちゃん先生のイメージキャラクターは?
太陽にほえろにおいて、刑事が殉職で入れ替わるパターンを築いた立役者マカロニ

ポミちゃん先生
男まさりの女性インストラクター
娘のポコ(歩己)という漢字を
歩巳”と見間違えて、(ポミ)と自己流で読む。
それ以降我々はポミちゃん先生と呼ぶようになりました。

ポコぞうはちょっと苦手とする先生。
言葉遣いがちょっと厳しいのと、やっぱり名前を間違えられたのが理由。

でも教え方は理論的すぎず、感覚的すぎずの説明がナイスで
トトムは乗馬上達のブレイクスルーをずいぶん助けていただきました。
ただやはり少し前からお姿が見えなくなっており残念。

イメージキャラクター。そろそろ『太陽にほえろ』で見つけるのも限界が

馬さん
という存在が好きすぎて、その容姿、発する動作とも
限りなく馬に近づいています。
レッスンしていただく機会が何かと多いので、
お名前を聞く機会もあって本名も存じ上げておりますが、
なんせ”馬さん”という名前が自然過ぎ
話しかける時はつい『馬さん!』といってしまいそうになるのです。


ジャストイメージ



モチベーション

結局4年間で180回×30分くらい練習したのですが、
上達が実感できるほどの急激な進歩はありませんし、
上手く乗れるときもあれば、乗れないときもあってがあります。
馬の気分(インストラクターの厳しさも多分に関係)によっては、
全然うまく動いてくれなかったりすることも。

そんな時でも、いつか上達する時を信じて練習を続けるために
モチベーションが必要。

これまでのモチベ維持術をご紹介

乗馬道具の購入
いつの世も、どんな分野でも『まず形から』というのは
決して的外れではないようです。
乗馬の場合は、乗馬道具をそろえていくこと。
それらしい外見になる事に加えて、
必要な機能も備わっているのだからなおさらです。
(だからといって急に上達はしませんが)

第一段階
ヘルメットプロテクターレッグチャップス等の基本的装備。
これは安全のためには絶対必要
毎回乗馬教室の備品レンタルすることもできますが、
どうせ必要なのだから、
三木ホーストレック事務所にストックがあるものを実際に試着して
早々に買います。合わせて、ブーツグローブも購入

ヘルメットはクラシックなスタイルのもののみでなく、
スポーティーなデザインのものもあり、悩みますね。
 
ポコぞうは被り物は何でも似合うので、
気に入ったデザインで、艶消しカーボンファイバー風
カッコいいヘルメットにしましたが、
トトムは帽子など被り物はストライクゾーンが狭すぎる。

帽子の場合はキャップはたいていは似合わず、
似合うのは定吉丁稚帽子系。
ただしあまりに嵌り過ぎて丁稚そのものになるので、
帽子屋さんで試しはしますが、決して買いません。

似合う系帽子


ヘルメット微妙形状の違いで見栄えに差が出ます。
(と思っているのは自分だけか)
結局、艶有りカーボンファイバー風にしました。
よく見るとカーボンファイバー模様は印刷でした。


プロテクターはレンタルのものは衝撃吸収材がはいったベストですが、
より安全なエアバック式のものを購入。
騎乗時は馬の鞍にストラップを結び付けておき、
人が落馬するとストラップが引き抜かれて、
ボンベから出るガスで瞬間的にベストが膨らんで
騎乗者(いやすでに落ちているので落馬者か)を守ります。
トトムも何度助けられたことか。

今ではボンベ交換の達人です。

ただしボンベからガスが出てベストが膨らむ時に
パン”という大きい音が出ますので、
その音で他の馬が驚き、落馬が連鎖するというデメリットも。

パン!”、”ヒヒーン、パン!”、”ヒヒーン、パン”!と
次々に落馬が発生した時には
肩を落としたインストラクターの間で密かに、
『今日は、花火大会だったわ⤵』
とささやかれるのです。


レッグチャップス&ショートブーツセットで使います。
もっと道具に凝る人ならば革製のロングブーツを買ったりもします。

レッグチャップス
レッグですが、チャップスってなんだろう?

チャップ”系の言葉で知っているものといえば
チャップリン、チュッパチャプス、ポークチョップくらい。

なんとか類似点を見出そうとして、離れていくタイプ

調べてみると、チャップスとは”通常のズボンの上から穿く特別なパンツ”
ということで、こんなの! (☟)


ロッカーと言うか、カウボーイというかカッコイイな

でも”レッグ”チャップスということで、
というかのところだけに巻きつける、要は脚絆です。

革製で、馬体をふくらはぎあたりで挟んで体を安定させるための
パッド的な働きをするとともに、
足回りに少し重みを増すことでより安定感が得られる。

乗馬用のショートブーツは踵があまり高くないのが特徴で、
鐙に嵌り込んでも抜けやすくなっているのだとか。
ゴム製でお求めやすいお値段なのが魅力です。

ヘルメットと違ってレッグチャップスショートブーツ
デザインが1種類しかないのですが、
色がブラックブラウンの2種類あり
これだけでも、選ぶのに喧々諤々

4年間使い込んだブーツとレッグチャップス。右端のはポコぞうブラック

ポコぞうはブラック、トトムはブラウンにしました。
あとから乗馬を始めたゼニファーもブラックを選択。

革製品のブラックを選ぶか、はたまたブラウンかは
財布でも、キーホルダーでも永遠の問題。
もし違う色を選んでいたらどんな未来が待っていたんだろう。

いずれにしてもこれらの装備で、それっぽい感じになりました。

第二段階
乗馬をするなら第一段階が最低限の装備ですが、
乗馬ズボン(キュロット)を買うと一気に乗馬気分が高まります。

これもホーストレックで実物を試着して買う事が出来ますが、
安易に買ってしまうと

『ちょっと待って!そんなに急いで買うと迂闊でしょ!
それにデザインも違ってる!
いい、あなたのは二―グリップ! わたしのはフルグリップよ!』
ハーマイオニーにダメ出しされてしまうほど、
機能デザインも、ついでに価格も千差万別です。

ダメ出し萌え

幅広い候補の中からじっくり選びたいのですぐには買わず、
ちょっとは乗れるようになったかな?と思えたくらいに
自分へのご褒美としてネットで購入。

ネットでは『ジョッパーズ』などの乗馬用品専門店で簡単に見つかります。
さすがに乗馬用品を店頭へ行って買うという人はあまり
多くはないのでしょう、キュロットはネットで何着か注文して
自宅に届いたものを試着し、
一番気に入ったものだけを買うことができるという
親切なシステムです。

みんな実物を確認して買ったのですが、後からトトムのキュロットには
ハミモチーフの飾りが付いているのを見て、
ポコぞうのように『いいなー、わたしのもそれが欲しかった~』などと
残念なことになる人もいるのです。

いいでしょ!これ

ちょっとやめて。ストップ、ストップ!
そんなに羨ましがったら危ないでしょ!

第三段階
ある程度軽速歩のリズムに慣れてくると、先生から
を買ってください』というお達しが出るのです。

そのころには調馬柵が外れて自分の指示で速歩にしたり並歩にしたりと
スピード調整を中心に練習するのですが、
鞭は脚で出す指示の補助であり、
決して競馬の末脚の追い込みのようにバシバシと馬を叩いたりはしません。

ほとんどの馬は鞭が体に触れることに敏感で、
バシッと叩こうものなら、ぶっ飛んでいきそうになるので、
脚で指示を出しても、言う事を言いてくれないときに、
『ちょっと、あなた聞いてますか?』と注意をこちらに向けるのに
軽くピシッと当てるくらいの使い方です。

中には”鞭、何するものぞ!”とビシバシ叩かれても全く平気な馬も
いることにはいるのですが、
鞭に敏感な馬が、特に痛みに弱いわけではないようです。

お手入れで裏掘りなどをしているとき
『ニンジンくれないと、足上げたらへんで!』と
わがままを言う場合には、掌で肩などをバチコンと叩くのですが、
それにはどの馬もまったく動じないのです。

鞭に対しては昔競走馬だったときの鞭の使われ方によって、
馬それぞれの記憶が異なるのでしょうか?

ともかくを買いましょう。
これは乗馬教室に在庫のあるものから選びました。

馬によって、長鞭を使う馬もあれば短鞭を使う馬もあります。
(だいたい敏感な馬は短い鞭)

ということで上達度に応じてではなく、
最初から長短2種類の鞭を揃えることになります。

デザインになかなかのバリエーションがありますが、
ポコぞうはシンプルに長短ともブルーで揃えます。
(結構渋好みなんです)。

トトムはどれにしようかな~
あれこれ悩んで、『これにしようかな?』
と一つの長鞭を手に取ると、
ゼニファー乗馬教室の職員さんとともに、『やっぱり!』とニヤニヤ
なんだ、なんだ! 
トトムの趣味からこれを選ぶに違いないと予言されていたらしい。
まんまと的中

鞭本体は黒に金のストライプが入っていて、グリップにはビーズがちりばめられてたもの。

だって悪の首領が持ってるみたいでかっこいいじゃん
(ハワイで父親に買わせた黒豹の杖と同じテイストです。)

ウソか誠か、一本一本 Hand made in England と書いてある。



鞭を持つと騎乗の幅が広がるだけでなく、気分も上がります。

なお、もっと乗馬に入れあげている人は最終目標マイクラです。
マイクラといってもアレではなく、My 鞍。

もう古いか。

インストラクターも上達への近道は自分の体形にあったを作る事です、
などとチラチラとセールストーク(いや本当のことだとは思いますが)を
織り交ぜてきますが、オーダーメイドだとお値段は、
なんと50万円~ですよ。無理無理

50万円といえば、1979年に発売された初代スズキアルト(軽自動車)の
キャッチフレーズが
アルト47万円
で当時11歳であった少年トトムも
もしかして自分にも買えるのでは!とその安さにビックリしたものですが、
実際に走らすことが出来るよりも鞍(シート)のみのほうが高いのですから、さすがに大人買いという訳にはまいりませぬ。

この連立不等式は解けるのか!?

あと三木ホーストレックの受講期限が終わった後に、
その鞍どうしたらいいんでしょうか?


上の巻で馬とたわむる体験から書き始め、
この中の巻で、馬のはなむけとして乗馬教室の開始を宣言したわりには
乗馬教室で習っているはずの乗馬技術や練習を通じての進歩などを
いつ書くのか?とお思いでしょう。

とりあえず”乗馬始めました”という宣言をするだけで、
詳しい話は書きません。いや書けないんです。

”はじめました”で画像検索するとなぜか9割は冷やし中華

確かに練習中にはいろいろと注意をされたり、
気を付けたりすることがあるのですが、
そのようなHow toはおそらくインターネットの動画などでも
たくさん見つかるはず。

ただ思い返してみても乗馬を体験した主体として、
どのようにして乗れるようになったのかという感覚がありません。

厳密に言うと、習い始めの時の感覚を書いてみようとしたのですが
上手く乗れなかったという記憶はあるものの、
何故乗れなかったかという感覚が今一つはっきり思い出せません。

大丈夫?何回も落馬したので記憶がなくなったの?という心配はご無用。
誰でも、
『自転車に乗れるようになる前は、なぜ自転車に乗れなかったの?』
と聞かれて、きちんと答えられる人はいないと思います。
それと同じことなのです。

自転車の場合、移動の手段として自転車を使うときに
”自転車に乗る”といいますが、
自転車に乗るという行為自体はむしろ、自転車を漕ぐといいますね。
自転車は乗り物と言うよりも、移動の道具で体の延長線という感覚。

乗馬も馬に乗ると書くけれど、行為としては
人間は馬の背中にくっついて、行って欲しい方向を示すのみ。
騎乗者の動きは馬の動きの延長線で、あくまでも感覚の世界

馬は乗り物ではないので、マニュアルに書ける
乗る為の注意事項というものはないのです。

要するに”乗馬では馬には乗れません”ということ。


余談ですが、
いつか白馬に乗った王子様(素敵な男性)が迎えにくるはず
という話を信じるか信じないか、という議論がありますよね。

白馬の王子様について語りましょう(笑)
私はいるわけない…!と表では言う派ですが、心のどこかではもしかすると表れるかもしれない…!と思っている、やっかいなタイプです。
まだ私のところには現れていません(笑)

インターネットから適当にポチらせていただいたもの

トップガンマーヴェリックのBar ”Hard Deck”のシーンで、
『これだけの精鋭を集めてどんな任務なんだ!』
というTopGunメンバーの疑問に対して、フェニックスは
『問題はそこじゃない。精鋭ばかりに一体誰が教えるの?』
と言っていましたが、
まさに白馬の王子が来る、来ない議論も、重要なのはそこではない

白馬で王子(皇族でもよし、素敵な男性でもよし)が迎えに来ることも
それはあるのだろうが、
その時に姫はその白馬に乗ることができるかどうか
ということこそ問題なのである。

横乗りで馬の肩に乗れるとはこの姫、だた者ではない!

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