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サイクロンの思い

2024年も、どうぞよろしくお願いいたします。

今年は元旦から最大震度7の能登半島地震が起こり、
2日には日本航空旅客機と海上保安庁航空機の衝突・炎上事故が
発生するなど、多くの人が悲しみにつつまれた年始となりました。

犠牲となった方々のご冥福を心よりお祈りします。

また日航機に乗っており、
救助が間に合わなかったペットの猫ちゃんにも
哀悼の意を表します。

2023年は『マヴェましておめでとうございます』で幕開けしたnoteですが
今年はこのように、不幸が連続したお正月であることに加え、
昨年3月、父が他界しましたので、
”おめでとう”の無い新年ご挨拶とさせていただきます。

とはいえ、今年も年の初めはトップガンマーヴェリックから!

1月3日にチラっと調べると、
新春特別上映日本各地でやっているではありませんか!
(スマホのお気に入り
映画com.「トップガンマーヴェリック」の映画館(上映館)検索
を入れているので、いつでも一発でチェックできるのです。)

青文字は上映館のあるところ

近畿では大阪はユナイテッドシネマ枚方一館のみですが、
4DXの上映を見る事ができます。

その日のうちに迷わず1月4日13:00~上映のインターネット予約完了。

予約してから調べるのも順序が違うように思うが、
ユナイテッドシネマ枚方への行き方を調べると、なかなかに遠い。
ドアtoドアで片道2時間半。

そして最寄り駅である長尾もしくは樟葉からバスに乗らないと
行けないところにある映画館というのは初めてのパターンです。

だが、行きます!

  乗換案内で確認すると、時刻によって”長尾駅からバス乗車”と
”樟葉駅からバス乗車”の2パターンが表示されます。

12時30分にユナイテッドシネマ着で調べると最寄り駅は長尾

本日は早朝から、”路線内で自動車が立ち往生した”とか、
線路の点検をした”とかでJRダイヤ大乱れ

それでも前後の普通電車に15分~20分遅れが生じる中、
乗ろうとしていた快速電車だけは、なぜか時間通りに出発。

途中で前の普通電車に追いついて、少しスローダウンしたため
3分だけ遅れましたが、奇跡的ほぼ時間通りに長尾駅に到着。

長尾駅のバス停で、乗るべき(そしてこれでしか行けない)
路線バス90系統の時刻表を調べると、なんと1時間に1本のみ!

いやこれ、ちょっと電車が遅れると本当にやばかった

無事バスに乗ることが出来まして、ユナイテッドシネマに到着。
Foleoというショッピングモールの中に入っているのです。

左:長尾駅 バス乗り場の反対側はなかなかにのどかな風景
右:ユナイテッドシネマ ウリは4DX(これマジで)

QRコード読み取り式ではなく、予約番号電話番号を入力して発券。
半券には、特別上映の””の字が! 
なんかした気分。
(特がついて得した気分だけど、特に何か貰えたわけではない。)

これはいいな。

予約した席はE-9

実は座席には少しばかり心残りがあったのです。

トップガンマーヴェリックは、視界からスクリーンが
はみ出さんばかりの前方の席で見るのが私の通例

ただし3画面の4DX Screenのみ、全体が見渡せる後方の席を
選んでいたのですが、今回は通常の1画面4DXのところを
4DX Screen間違えて後方の席を予約してしまったのです。

実際に席に座ってみると、
スクリーンが視界の中にしっくりと収まって非常に見やすい
首の角度も上を向かずに楽に観れそうです。
ということは、とりもなおさず臨場感が足りない!の評価です。
苦労臨場感をはき違えての発言ですが、経験上そうなっているのです)

私を含めて、観客は6名程度。
左にアベック親子?(女性の方スミマセン。暗くてよく見えなくて)
右前方に老夫婦
二つ前の列に若者一人という具合。

映画が始まったら、もっと前の空いている席に移ろうかな?と考えていると
4DXデモンストレーションが始まりました。

このデモンストレーション4DX の効果を最大限アピールするために
座席の動きとか、水しぶきとかが、
とにかくパワーMAXで観客に襲い掛かるのです。

それにしても、激しい
水しぶきは109シネマズHAT神戸に一歩譲りますが(HAT神戸はミストというよりも、完全に水の塊なんですもの)、座席に動きがとにかく激しい

振動方程式にするとm項のみでc項k項もない、
非常にダイレクトゴツゴツした動きですし、
移動の量自体もすごく大きい。

注)
m項:加速度に比例する慣性力の係数
c項:速度に比例する減衰力の係数
k項:変異に比例する復元力の係数

デモンストレーションが終わった瞬間
『こりゃ年寄には無理じゃ!』という声が前方から聞こえる。
声がした右前方を見ると、
背もたれからはみだした白髪の頭頂部のみ見えているご婦人が、
息も絶え絶えにしゃべっている。
さっきの老夫婦か!
さらにこのおばあちゃん
びっくりした~』といいつつ、はぁはぁパニック気味の息遣い。

いかにこの座席の動きにびっくりしたかを旦那さんに訴えようと
しゃべり続けるおばあちゃんに向かって、旦那さん
”もうすぐ始まるから静かにして”ということを伝えるのみ。

この一番最初のデモンストレーションの動きは激しいですが
映画本編ではそれほどでもありませんよ
と後ろから声を掛け、落ち着かせてあげようかと思うも、
さすがにそれはお節介であろうと思いとどまる。

その代わりに、映画上映中にこのおばあちゃんの心臓
ショックで止まったりしないか、この席で最後まで見守ろう
という決意を胸に秘め、この席に留まることにしました。

そしてこの特別なMissionをはらんだ
26回目トップガンマーヴェリック映画鑑賞が始まったのです。

まずはハイウェー・トゥー・ザ・デンジャーゾーンオープニング
本当にデンジャーゾーンに突入しなければ良いのだが!

次に序盤の最も美しいシーンである
ダークスターによるマッハ10への挑戦。

マッハ9.5を超えたあたりからマッハ10.0に達するまでの
機体の(つまり座席の)振動がハンパなく激しい。

マーベリックダークスターに対して”もう少しだ、頑張れ!”
Come on! Come on!と声を掛けるのだが、
トトムとしては、マッハ10を超えたら映画の演出上も
座席の振動が少し楽になるよ、と思いつつ
心の中でおばあちゃんもう少しだ、耐えろCome on
と声を掛け続ける。

次はペニーさんのBar ”Hard Deck”でのトップガンメンバー登場シーン
ここはせいぜいBarで流れる音楽ビートに合わせて
座席が心地よいマッサージ椅子のようにぶるぶると震える程度なのですが、
あれがいけねぇ。
そう、フェニックスビリヤードキューでルースターの胸を
ドンと撞くシーンです。
ルースターが知らぬ間にアメリカに帰って来ていて、
びっくりさせられたことに対する可愛い仕返しですが、
初めて見る人にとっては不意打ちで、
ある意味アクロバット飛行のシーンより質が悪い
おばあちゃんの心臓もいっしょに飛び出なければ良いが…

その後、ドッグファイト低空飛行で渓谷をすり抜ける
訓練のシーンの連続。
ここもこれまで経験した4DXでは、左右にうねる程度
比較的生ぬるい演出のハズなのだが、
なんだか座席から投げ出されんばかりのビッグムーブです。
ひとしきり終わると、
おばあちゃんが旦那さんに何やらしゃべって訴えかけている
息も荒い。ここでリタイヤなのか?

いや何とか続けるようです。

ところで上映中はなにもこのおばあちゃんばかりに
気を取られていたわけではなく、ちゃんと映画に集中して、
大好きなヨットのシーンアイスマンとのシーンにしておりました。

しかし激しいシーンになるとどうしても気になるのは
おばあちゃんの心臓。
マーベリック2分15秒アタックは、海軍最高峰パイロットである
マーベリックの渾身機動飛行です。

トップガンの若造操縦にに合わせた座席の動きなどぬるいぬるい
と言わんばかりにガタガタドッカーン、体に伝わる振動のみでなく
なんだか映画館全体で座席シート暴動を起こしているような動きで
視覚的にも大変な事に。

やっとひと息付くと、先ほどまでシートの背もたれ越しに見えていた
おばあちゃんの白髪が見えない!
コヨーテのように意識を失って倒れているのでは?
と慌てるが、なんとかムクムクと白髪頭が持ち上がってきました。
マーベリック並不屈のおばあちゃんです

そしてとうとうウラン濃縮プラント爆撃ミッションへの出撃。

ここは映画のクライマックスだけに、
4DXムーブにも気合が入っている事が予想されます。

マーベリック達が命を懸けて出撃するシーン。
司令官サイクロンは、何よりパイロット無事を祈って
なんども『生還せよ』と声を掛けるのだが、
こちとら本当に(?)人の命が掛かっている
なんとか最後まで乗り切ってくれ、おばあちゃん!

このミッションでは敵地に侵入し
2分30秒以内にウラン濃縮プラントの爆撃をしなければならない。

このシーンは映像としてマーヴェリック&フェニックスチームと
ルースター&ペイバックチームの両方交互に描写する関係上
アタックの映像は2分30秒以上かかっているのです。
(逆にマーヴェリックの2分15秒アタックは、
映像としては2分15秒より短いのです。)

要するに、おばあちゃんへの負担が最も大きく
且つ長くかかるシーンであるということ。

ハラハラ!

とにかくリスクを伴う時間はなるべく短くしてあげたいのだが、
そのためには理屈の上ではより激しい動きをしなければならず、
リスク度合いが上がってしまうというジレンマに陥るのである。

序盤サイクロンはマーヴェリックの作戦に懐疑的
マーヴェリックを推挙しているアイスマンの死に際して、
自分が教官に成り代わり、作戦のパラメーター
より高い高度、より遅い速度に変更しようとしました。

これは軍のマニュアルにある常識的な作戦に固執したというよりも
真摯にパイロットの安全心を砕いていたのではないかと
このおばあちゃんを前にして、サイクロンの思いを実感したのです。

ここからはサイクロン目線でおばあちゃんを見守りつつ映画に没頭。

爆撃成功後も地対空ミサイルSAMとの格闘で
座席の動きは更に激しさを増す

そしてマーベリック機撃墜で、静寂が戻って来る。

次はマーヴェリックが、撃墜された機から脱出して
雪の上で気を失っているシーン。

まずマーヴェリックの息遣いがスピーカーから流れるのだが、
その前により近いところから、
はぁはぁというリアルな息遣いが聞こえてくる。

あ、おばあちゃん?

ちょっと苦し気だが、何とか息をしていてくれてよかった。

2023年新春上映ではイオンシネマ加古川で3Dおじさんに出会ったのだが、
本日はDolby サウンドおばあちゃんである。

さて、映画はF14 対 第5世代戦闘機の戦いにも決着がつき、
マーベリックは無事空母に帰還いたしました。拍手!

エンドロールも終わり、いよいよ照明が明るくなります。
当然右前方のおばあちゃんに注目

後方からの注目に答えるかのように、おばあちゃんは一言
疲れた!

う~ん、70台後半? 
お顔はなかなか元気そう、というかしぶとそうである。

ただ左脚の膝にサポーターを巻いていて、
旦那さんに支えてもらい、足を引きずりながらの極めてゆっくりの歩行。

あまり無理しないでくださいね本当に!

帰りはまたバスに乗って長尾駅に向かいます。
バスの中で、本日の事をスマホメモに書き留めておこうとするのだが
行きは気付かなかったバスの揺れが、ゴツゴツとなかなか激しく
文字のタップがズレまくる。

あっ💡 
日頃路線バスのこんなに激しい振動に慣れている枚方市民の皆様なので
ユナイテッドシネマ枚方4DX
あんなに過激なセッティングになっているのだな。
と妙に納得しながら家路を急ぐのでした。

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