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#43 【妄想】デビュー曲は「きみは小宇宙を感じたことがあるか」

アイドルって何?

先日NHKの「チコちゃんに叱られる」で「アイドルって何?」という内容をやっていました。そしてその答えは「アイドル=形を与えられた神様」とのことでした。

アイドルという言葉の歴史をさかのぼると、キリスト教の聖書にたどり着きます。英語に翻訳された旧約聖書には「idol」の文字があり、ここでは「偶像」という意味で使われていました。聖書における偶像とは本来「具体的に形のない神に、絵や像で形を与えたもの」を指すそうです。

番組では異教徒の神である「金の子牛」を偶像として人々があがめている絵が紹介されていました。しかし、このようにアイドル(偶像)を崇拝することはキリスト教においてはタブーとされてきました。唯一無二の神を簡単に複製できるのを防ぐ目的らしいです。つまり、聖書におけるアイドルとは批判を受ける対象だったんですね。

ふと十字架やマリア象は偶像じゃないのかと疑問に思って調べたら、それを拝んでいるのではなく、それによって神のありがたさをイメージする助けになっているだけなので、偶像じゃないらしいです。諸説あるみたいだし、よく分からないのでここではスルーさせていただきます。

今は「アイドル」ってどういう意味で使っているか

20世紀のアメリカでは、若者を中心にジャズやロックなどの新しい音楽が流行していましたが、大人たちは若者が熱狂するこの新しいミュージシャンを「流行に乗って一時的に活躍しているだけのまがい物」である、という皮肉を込めて「アイドル」と呼ぶようになりました。やがて「アイドル」という言葉は、日本へ伝わると独自の進化を遂げます。その背景にはアメリカと日本の宗教観の違いがあり、日本では神に形を与えた偶像を崇拝することは必ずしも悪ではなかったんですね。

例えば…
お寺にある仏像や各家庭の仏壇、商売繁盛祈願のために店に置かれた恵比寿様なども一種の偶像と言えます。偶像に日々手を合わせたり、愛着をもつ日本では「アイドル」という言葉からマイナスの意味合いがなくなり、単に若者が熱狂する対象を表わす言葉に変わっていって今に至っているわけです。

神道における八百万の神

もちろん、それらの影響もあるとは思うのですが、日本の神道における八百万(やおろず)の神信仰も、日本の「アイドル」事情に関係があるのではないでしょうか。自然現象なども含め、この世に存在するあらゆるものには神が宿るという考えです。つまりは多神教。これも日本にアイドル文化が根付いた理由なのではないでしょうか。多神教であれば、神がたくさんいても構わないわけです。様々なアイドルが乱立しても、「神7(セブン)」のように7人いてもいいんです。


日本のアイドルの海外進出について

AKB48をはじめとした日本の「アイドルのビジネスモデル」は、今や海外にまで広がっています。調べてみたら思った以上にあって驚きました。インドネシアのJKT48は知っていたのですが、それ以外にもタイのBNK48、フィリピンのMNL48、ベトナムのSGO48。そしてインドのMUM48が活動開始準備中とか。

まずは比較的近いアジアから進出しているんだと思うのですが、じゃあ、このビジネスモデルが欧米では可能かというと疑問も。先刻述べた偶像崇拝を認めていない宗教の国が多いので。まず「神7(セブン)」なんていう言い方は絶対できないでしょう。そう思うと仏像がある仏教や、多神教のヒンドゥー教などは受け入れられやすいのかもしれません。

そこで今回のイラストのお話

ここまで長々と書いてきたのですが、ここでやっと今回描いたイラストのお話なのです。多神教な国にAKB48のビジネスモデルが受け入れられやすいと仮定するならば、ギリシャいけんじゃね?と思ったわけです。ギリシャ神話は神様いっぱい出てくるから。そこでギリシャの首都はアテネなので、AKB的表記するなら「ATN48」じゃんと盛り上がり、イラストを描いたまでは良かったのですが…。

コラムを書く上で、その後色々調べてみたら、現在のギリシャはキリスト教の一派である「ギリシャ正教」が主な宗教みたいです。ギリシャ神話の神様はもう信仰されてないようです!理由を調べて納得。ローマ帝国のせいでした…。

でも描いてしまったものはしょうがない。うろたえていてもダメだと『聖闘士星矢』で牡羊座のシオンも言ってました。

デビューシングルは『君は小宇宙を感じたことがあるか』。カップリングは『あなたに逢えない別次元(アナザーディメンション)』とか、『導いて絶対零度』とか、『心の星雲鎖(ネビュラチェーン)』とかって全部聖闘士星矢つながりかよ。

アイドルの語源等については諸説あるのでそこらへんはあしからず。

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