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俳句を"読む"人がもっと増えますように

こんにちは。もしくは、はじめまして。三倉十月と申します。

私のnoteでは、誰にでも楽しんでもらえるような形で、様々な俳句や、現代の俳人、そして句集の紹介をしていきたいと思います。誰にでもというのは、つまり、俳句の世界に足を踏み入れていない人たちにもという意味です。

また、俳句の読み方(詠み方じゃないよ!)が、よくわからない方に向けて、とても簡単に読む時のコツをお伝えしてみようと思います。俳句は独自の型があって、それを知ることでより良く句の内容がわかりやすくなると思います。

俳句の「詠み方=作り方」の話は出てきません。作り方については書店にもネット上にも素晴らしいコンテンツがいっぱいありますので、是非そちらを検索してみてください。(リンク集をそのうち作るつもりです)



何故このnoteを始めようと思ったのか。

一般的に、俳句を作らないけど読んでいる、という方は、あまりいないのではないかと思います。例えば「俳句を作ったことはないし、今後も別に作りたいとは思わないし、俳句関係の知り合いは一人もいないけれど、句集ならいっぱい持ってるし、現代俳人もいっぱい知ってるし、角川俳句を定期購読しているよ〜!」という人を、私は一人も知りません。(もちろん、どこかにはいらっしゃるでしょうが、少数派だと思います)

「え〜、そりゃ、俳句の世界にいない人はそうでしょう」
「作らないし、読み方わからないし」
「文語体とか旧かなとかよくわからないし」
「古いのしかないし」
「プレバトは楽しくみてるけど、知らない人の句集を買おうとは思わない」
「どこで売ってるかもわからないし」
「そんなもんじゃない?」

うんうん。ですよね。

でも、やっぱりちょっと、不思議なんです。
だってよく考えてみてください。
小説を書かない、小説の読み手は山ほどいます。むしろ小説の読み手人口の(おそらく)99.99%は、自分では小説を書かない人です。

だったら俳句だって、作らない人が読んでもいいものなのに、何故ほとんど読まれないんだろ?
世の中にはこんなに素敵で、ぎゅっとなって、グッときて、じんわりするような、あるいは「ああっ!」と膝を打ちたくなるような、あるいは「ええ……」と身震いするような、いろんな面白い俳句が、本当にいっぱいあるのに。年齢や年代や性別に関係なく、現代の俳人の、おもしろい俳句や、瑞々しい俳句や、怖い句、優しい句、ぐっと深い句、色とりどりにたくさんあるのに!
どうして俳句の世界の外ではそれが知られるチャンスが少ないの?
え、まじなんで?(ちょっと怒)

うん。

まあ、でも、仕方がないとは思うんです。
読みたくても、普通の街の本屋さんに、句集はほとんど置いてない。
俳句の入門書は「俳句の作り方」がメイン。
俳句鑑賞の本はいろいろありますが、どれもなんとなく「俳句の世界の人」に向けて書かれているものが多いように感じます。「俳句の約束ごと」を読み手が知っていることを前提としているような。
そして、図書館の俳句の棚はよくて一棚。しかも歳時記や入門書や俳句関連の随筆がほとんど。句集は数冊しかない。しかも古い……。

もちろん、古くてもいい句集はいっぱいあります。でも例えば、図書館で「うちは小説ってジャンルは川端康成と芥川龍之介と太宰治しか置いてません。小説が読みたいならそちらをどうぞ」ってなったら、ちょっとなぁってなりません?彼らは彼らでいいけれども、もっと最近の、同性の書いた、日常的な小説が読みたい気分だったんだけどなぁ、とか。

そりゃ、図書館や本屋に置かれる句集の数が少ないのは、俳句が小説に比べて売れないからだ、本屋も商売なのだ、資本主義社会だ、と言われたら、ぐ、ぐぐう〜と息を飲み込むしかないんですが。でもでも。

やっぱり、俳句を「読む(だけ)の人」用の間口が、あまりに狭すぎる。ないわけじゃないんですけど、小説に比べたら無いにも等しい。
これじゃあ、どうやってもそもそも俳句の読み手が増えるわけがないと思うのです。

俳句の世界の人たちは、わりと「俳句に興味あるの?じゃあ、作ればいいじゃん💖」ってなりがちな気がするんですが(それもわかる!!とってもよくわかるんだけれども!!)この世の中には、例えば私の母や夫のように「作品を作って自己表現する」ことに、一切のアンテナが立たない人は、割といっぱいいます。あるいは、他形態の作品で自己表現をしているからこそ、「作る」回路が既にいっぱいいっぱいで埋まっている人もたくさんいます。

だからこそ、俳句は読むだけでも楽しい、ということを伝えたかった。
大丈夫、作らなくていい。全然いい。でも、少しでも興味が出たら、読んで欲しい。自由に触れてみてほしい。
「作れないから、そちらの世界に足を踏み込まない」は勿体なさすぎる。
何故なら、俳句を味わうことは、とっても面白いことなのです。
そんなに難しくないし、こんな短い言葉たちで、自分の胸の奥をぎゅっと握られるように揺さぶられるのは、本当にすごいことだと思うから。

もっとカジュアルに、気軽に俳句に触れて欲しい。そして夜空に散る数多の星ほど存在する句の中から、それぞれ、自分の胸に響くような、みんながそれぞれ持っている世界観と響き合うような、宝物のような一句を見つけて欲しいなと、願ってしまうのです。そうしてそれをシェアしたい。教えてほしい、あなたの推し句。

私はこのnoteを通じて、普段俳句を作らない人、あまり俳句に触れたことない人にも、いろんな俳句、そして俳人と出会ってもらえるように、鑑賞を付けて、いろんな俳句を紹介していこうと思います。

キーワードなどで分類しながら、できるだけ、わかりやすく。できるだけ俳句の専門用語を使わず(使う場合は解説を加えて)軽やかに、楽しく、面白く。

一人でも、俳句を読む面白さ、楽しさに芽生えてくれる人がいたら嬉しい。それを共有しあえたら、本当に嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。


そして、最後に。
私より遥かに俳句に長く携わっていて、詳しい先輩方から見ると、中にはあまりに軽く、眉を顰めたくなるような表現があるかもしれません。申し訳ありません。
既に公開済みの記事含め、ご自身の句を取り上げられては困る、という場合はお手数ですがご一報いただけますと幸いです。

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