あこがれ
私には憧れの人や物がたくさんいる。
あの人になりたくて自分を着飾ったり、歌ってみたり、書いてみたり、描いてみたり。
あのバンドのフロントマン
昔に死んだロックスター
儚い目をした女の子
お洒落なモデル
どんなこともそつなくこなすあの子
仕事が早い先輩
誰かに向けて叫んでいるシンガーソングライター
一輪だけど真っ直ぐと咲いている花
どこかに向かって飛んでいく鳥
道端に寝転ぶ猫
飼い主に忠実な犬
それらになれたらどんなに楽だろうとか、生きやすいだろうとか。
そんなことをふと考えて寝付けない夜もある。
だけどもそんなことを考えていても私は私なのだ。
「あなたはあなたのままでいいんだよ」
誰かが言っていた言葉が私は苦手だ。
私があの子になれないようにあの子も私にはなれない。
みんな同じように誰かや何かに憧れて嬉しくなったり、時には傷ついたりしているのかもしれない。
「あなたはあなたのままでもいいんだよ」
私は私のままでもいいのだ。
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