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岩井俊二『Love Letter』の柏原崇は世界一図書室が似合う


突然ですが、私の好きなタイプは下の3つです。

•中性的なきれいな顔
•頭がいい(仕事ができる)感じ
•雰囲気が野球部より図書委員

ちなみにドラマだとこの辺が役柄込みで大好きでした。

さて、3つ目の、「雰囲気が野球部より図書委員」ってわかってもらえます?

もともと「好きなタイプは図書委員」としか言ってなかったんですけど、大学生の時に、自分のイメージする「図書委員」と、周りがイメージする「図書委員」に大きな隔りがあることがわかったので、大人になってから上2つも追加しました。

「合うと思う!」と紹介された人が全くタイプじゃなかったという話を友達にしていたら、「でもあの人図書委員っぽかったよ」と言われて衝撃を受けたのがきっかけです。

え?!
図書委員ってああいう感じじゃないんですけど!
全然違うんですけど!
図書委員っぽいってどこが?!
図書委員を何だと思ってんの?!

と心の中で叫んだところで、じゃあ自分は何を図書委員だと思ってるんだと冷静に考えたらすぐに思い当たりました。

私の図書委員好きの原点は、岩井俊二の映画『Love Letter』で藤井樹を演じた柏原崇です。
小学生の私が日本アカデミー賞の授賞式を見ていたとき、『Love Letter』の紹介映像の柏原崇がやけに心に残り、自分でも不思議に思ったことを覚えています。
心に残ったのは何故か。

ーーーそれは柏原崇がイケメンだからだ!!!
ただのイケメンじゃない。人生で、テレビ越し•スクリーン越しでも何度遭遇できるか分からない、スペシャルイケメンだからだ!!!
他の人にとって知らん!でも、少なくともお前の中で『Love Letter』の柏原崇は理想の男として永遠に心に残り続けるんだ!!!!

と、「イケメン」という言葉はおろか「かっこいい」というのがどういう人を指すのかイマイチ理解できていなかった小学生の私に教えてあげたいです。

ただ、両親共に特に映画が好きなわけでもないので、私が『Love Letter』を初めて見たのは中学生のときでした。
兄が初めて連れて行ってくれたレンタルビデオショップで、朧げな記憶を辿って『Love Letter』を探し、これを借りたい!と兄にお願いしたのを覚えています。放課後だったのか、家に誰もいないタイミングで1人ビデオを見たことも。

(映画.com 解説)
事故で婚約者の樹を亡くした博子は、国道になってしまったという彼が昔住んでいた住所に届くはずのない手紙を出した。しかしその手紙は、婚約者と同姓同名の女性のもとへ届き、2人の不思議な文通が始まるのだった。

レンタルで見た後も『Love Letter』のことはずっと忘れられず、自分でバイトをしてお金を稼げるようになってからDVDを買いました。

もう、DVDのカバー(チラシ•ポスター)から素敵じゃないですか?
雪がチラつく中、空を見上げる中山美穂の横顔。
キャッチコピーは「拝啓、藤井 樹様。あなたは誰ですか?」

…完璧!!!!
完璧ですよ!!!
主人公が出す手紙の文章そのままなんですけど、これがもう全てを表してるんです!
中山美穂の横顔もほんとにいいんですよね。切ない気持ちが前面に出ていて、この映画がどんな映画かその表情だけでわかる。

そしてね、やっぱり2人の藤井樹の中学時代のストーリーが好きです。
同姓同名の男女ということでからかわれたこと、ふざけたクラスメイトに同じ図書委員にされたこと、先生が間違えて返却された英語の答案用紙が彼のものだったこと、彼がいつも誰も借りないような本を借りていたこと。
私の好きなタイプの原点、中学時代の藤井樹役の柏原崇が本当に本当にかっこいいんです。

あの、図書室の窓際に寄りかかって本を読んでいたあの斜めからの横顔。伏せたまつ毛。風に揺れるカーテンと微かに揺れるさらさらの前髪。
かっこよさ、少年っぽさ、危うさ、美しさ、やんちゃさ。全てが詰まってる!!!!!!!!!!!!!

中学生時代を演じた柏原崇に、アラフォー女がこんなに興奮して語っていることにドン引きされてる方もいるかもしれないんですけど、とりあえず今すぐググってください!

あの濃い緑のネクタイがほしい。あの答案用紙をそのままもらいたい。彼が読んでいた本を図書室から盗み出したい。彼が名前を書いた図書カードを集めて回りたい。

と、やばい奴の収集癖のような願望まで湧いてきてしまうほど『Love Letter』の柏原崇が好きです。
その上、ほぼ同時期と言いましょうか、スタジオジブリ『耳をすませば』の天沢聖司も好きだったんでね、もう自分のタイプは『本が好きな男』『図書委員っぽい男』だ!と思ったわけです。

私も本好きなので、私が読んだことのない面白い本をお勧めしてもらいたいとか、誕生日に大切な一冊をプレゼントしてほしいとか、そういう今考えると「そんなことされて引かないか?」という妄想をるんるんでしていました。

というわけで、周囲が思う『図書委員』と私の思う『図書委員』に相違があると気づいた私が、私の言ってる「図書委員」っていうのは『Love Letter』の柏原崇とか『耳をすませば』の聖司くんなのだと伝えると、そんな図書委員いるか!と猛烈に突っ込まれたのでした。

確かに。
40年くらい生きてますけど、見かけたことありません。うん。
しかも、よく考えたら私より本詳しいの嫌かもしれない。ついでに本をプレゼントされても自分の趣味と違ったら相手の趣味を疑うかもしれない。
理想と現実は違うというやつでしょうか。

でもやっぱりいまだに『Love Letter』の柏原崇も『耳をすませば』の聖司くんも好きなので、彼らのように本がよく似合う図書委員っぽいイケメンとまたいつかドラマか映画で奇跡的に遭遇したいと願ってます。発見したら教えてください。

そして岩井俊二のと言えば、新作『キリエのうた』が来月公開されますよ〜。
岩井俊二は『Love Letter』も好きですが『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』も大好きです。

なんとね、『キリエのうた』公開日、私の誕生日なんですよ。
監督が私の誕生日に合わせてくださいました。(違う)

皆様、10月13日は『キリエのうた』公開日です。
松嶋菜々子の誕生日です。
私の誕生日です。
よろしくお願いします。

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