川下の生活課題から、社会構造を創造する~2022年度 ソーシャルワークアカデミーのご案内~

6月9日にオープニングイベントを行った「ソーシャルワーク・アカデミー」がいよいよ来週から開講します

2014年に国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)によるソーシャルワークのグローバル定義があります。

ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、そして人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。社会正義、人権、集団的責任、多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核をなす。
ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学および民族固有の知を基盤として、ソーシャルワークは、生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう、人々やさまざまな構造に働きかける。
この定義は、各国および世界の各地域で展開してもよい

Global Definition of Social Work
Social work is a practice-based profession and an academic discipline that promotes social changeand development, social cohesion, and the empowerment and liberation of people. Principles of social justice, human rights, collective responsibility and respect for diversities are central to social
work. Underpinned by theories of social work, social sciences, humanities and indigenous knowledges, social work engages people and structures to address life challenges and enhance wellbeing.
The above definition may be amplified at national and/or regional levels

過去2年間、寝屋川市民たすけあいの会NPO法人 み・らいず2 実践研究所 が共催してきた「ソーシャルワークアカデミー」も今年で3年目のクールに入ります。

そして、過去2年間を踏まえて、今年は現在、日本社会ではまだまだ「サービス」がないと言われる(支援がないではなく)【こども・わかもの】の支援分野を念頭において、ソーシャルワークを考えてみようというコンセプトになっています。

 英米、そして、日本でも、1990年代からケアマネジメントが支援方法論として広がり、その前提となる「援助サービス」が社会に整備されるようになりました。もちろん、古典的なケースワークでも社会資源へのつなぎは重要な機能の一つなのですが。。。イギリスの例などをきいていますと、ケアマネジメントが拡がる中、児童の分野では逆にソーシャルワークの専門性を高めていく必要性の議論が拡がったともきいています。

 また、上記に引用したソーシャルワークのグローバル定義をみると、ソーシャルワークの対象は、個人と社会構造であると読めます。「個人を治す」といった医療モデルのアプローチではなく、empowerment and liberation(エンパワメントと解放)であると書かれています。

 私はソーシャルワークの専門性を高めるためには、その専門職性を高めていく必要性があるという立場でしたが、現在の日本の中では残念ながらそのようなスタンスでは、ソーシャルワーク的な実践が拡がっていかないという危惧をもちはじめていました。その課題意識の中から、このソーシャルワークアカデミーの企画もはじまっています。

 過去2年間、寝屋川市民たすけあいの会とみ・らいず2さんが取り組んでいるのが、障害福祉分野が主であるというイメージがあるからなのか、どうしても、サービスが拡がっている分野でのサービスによる解決という設定にどうしても傾きがちだったことを踏まえて、今年度は、サービスによる解決ではなく、そもそものソーシャルワーク的な支援を身近なところから、とらえなおし、ソーシャルワーク(的)な実践は、人々の生活課題の裏側にある社会構造をどうとらえて、どう働きかけをしていくのか、を学びあっていきたいと思います。

 今年度もメインプレゼンターとして、私、冨田が務めさせていただきます。特に前半の3回は、私たちが身近に接する人たちがかかえる生活課題が、流れる川の川下でしか見ていない現状から、その構造を、社会的文化的に見るの必要性を学んでいきたいと思っています。

 ぜひ、ご参加くださいませ

申し込みは以下からお願いします
https://www.kokuchpro.com/event/e9c23a431fe7cd223889efb5d8525a84/

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