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「コロナ禍で地方が注目される」は本当か

思考のメモ。

結論から言えば「コロナ禍で地方が注目される」は本当だろうが、かと言って「コロナ禍で地方に人が移動するか」はかなり疑わしい。

そして「それでも定住人口を増やしたいなら、フリーランスや企画屋を狙い撃ちすべきなんじゃない?」という話。

COVID-19の影響で、人口密度がリスクになると初めて認識した人は多いだろう。結果、「地方に住むのがいいんじゃないか」と考える人は増えるだろう。

ただ、「やっぱ無理そうだ」と断念するのがほとんどなのではないだろうか。あるいは「思ったより地方に魅力がない」という結論に至る人もいるだろう。

「コロナ禍で過疎地に人が移動するか」となると、基本的にはないだろう。

(最初に言っておくと、「いや、私は過疎地に引っ越したよ」って人は外れ値なので無視します。あなたが引っ越した過疎地はものすごく優秀なところなのかもしれませんし、あなたが大衆からするとイレギュラーな存在なのかもしれません。)

なぜか。

地方や過疎地から都市に引っ越した人が何で引っ越したかって、「そこに住み続けたら出会えない可能性や選択肢が欲しい」から。(もちろん、特に何も考えないで引っ越す人もいるけど。)

だから「地方に住み続けたら出会えない可能性や選択肢」を超える可能性や選択肢を提示したり、質の違うオルタナティブな可能性や選択肢を提示しなきゃ、引っ越しを検討させることすらできないだろう。

(これ、すげー大事な話で。「自然がいっぱい」ってどれだけアピールしても、普通の人はそこに可能性や選択肢を見いださないからね。やるなら「自然がいっぱいだから、こういう暮らしができるんです」ってとこまで言わなきゃいけない。

「自然がいっぱい」って、力いっぱいアピールしてるところは、その時点で定住人口増を放棄してる、と俺は思う。関係人口はまた話が違ってくるだろうが。)

そしてリモートワークの普及によって、「地方でも仕事できるやん」と思う人はごく一部であって、大多数は「オフィス以外でも仕事できるやん」までしか感じないだろう。

さらに、現状で「オフィス以外でも仕事できるやん」と思っている人も、コロナ禍以降、その人の勤め先がリモートワークをどれだけ許容するかわからない

だから、

「地方に住み続けたら出会えない可能性や選択肢」に夢中になってる人にどれだけ働きかけてもムダだし、「オフィス以外でも仕事できるやん」までしか感じない人に働きかけてもムダ。

さらに、「勤め先がコロナ禍でリモートワークを始めた」って人に働きかけてもムダになる恐れがある。

この時点で、相当に数が絞られる。

空振りになるところに当てに行ってもムダなのでやめよう。空振りしてる余力は地方にないんだから。いわんや過疎地をや。

じゃあどうするか。

勤め先がない人を狙う。仕事がないところに仕事を、商品がないところに商品を作るのを喜びだと感じる人を狙う。しかないでしょう。

結論。

定住人口を増やしたい地方や過疎地はフリーランスや企画屋を狙おう

しかし、大きな問題がある。

行政はフリーランスや企画屋が何を求めているのかがわからない。なぜなら、そんな働き方、そんな仕事をしたことがないから。

1700を超える基礎自治体があるなかで成功例がほとんどないのは、行政が主導してるからでしょうね。

以上。

唐仁原 俊博 a.k.a. 西和賀町のやべーやつ / とうじんばら としひろ
岩手県西和賀町 地域おこし協力隊 / 演出家 / フリーライター / ヤギ飼い

大学生・怠惰な生活・演劇の三足のわらじで、京都大学を10年かけて中退した、元フリーランスライター。ほんとは大してやばくないけど、最長3年の任期をフル活用するためにも、やべーやつを名乗ることにした。
ほんとに大してやばくない。

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