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【投機の流儀】アベノミクス相場始まって以来この数年間で最も逆境に置かれたのは銀行業だ

「動画」の要約報告
〈前編〉
〇愛称「街角景気」は「弱保合だ」。〇景気持続中での利下げ反復は後年ロクなことは起きない。例・80年代の日本(平成バブルへの道)、90年台の米(ITバブルへの道)、〇当面はサンドウィッチ相場だ。〇トランプの思う通りにはNY相場は動かない可能性あり。(江戸時代に徳川吉宗将軍でさえ大阪コメ相場を制せられなかった)。○景気調整に入ってからの消費増税は傷を深くする,〇米中摩擦は長引く。
〈後編〉
①筆者自身の報告:昨年のリラ暴落の「有事」に買ったトルコリラ建て債券を一部分、利食い売りした。昨年8月の急落時に「引かれ玉」の手当として乗り換えたものを利食った。約25%の利益を得て半分を手じまった。

今年に入ってから買ったものも、エルドアンの発言で通貨が6%戻したところへ債券価格が急騰したからである。②学生時代に憧れたエルネスト・ゲバラの出身地を訪ねて感傷的に買ったアルゼンチン・ペソ建て債券を「問題先送り」した。ペソが極めて安いところで償還になってしまうから、利率44%(ミスプリントでなく44%)の債券に乗り変えて時間を稼ぐことにした。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況
(1)NY株、史上最高値を示現、2万7000ドル
(2)週末は所謂「幻のSQ値」
(3)牽引役不在・物色の短期化・PERの高いグロース株に集中・その背景は?
(4)①「国策」となっている高株価政策、②NY株高、③一方で企業業績はピークを過ぎた、④長期景気は終焉を迎える、この4要素は巴となって深押しはないが上値抵抗線も高くはない――こういう期間の過ごし方こそ重要だ
(5)円高に働く力に対抗できない日銀の存在感は薄まった
(6)FRBにECBも日銀も付き合わざるを得ない
(7)米利下げ期待で原油高・NY株高、日本株はサンドウィッチ相場
(8)REIT指数がリーマンショック以前の大天井以来11年ぶりの高値を付けた。「大底圏内を買って持続し6年で2倍にする」ということは何も株式に限らない。
(9)利回りでもないし騰落レシオでもない
(10)PBR割安銘柄の上昇が目立った
(11)市場の目から言えばこうなる
第2部 中長期の見方
(1)米中摩擦は長期化し深刻化する。米国のホンネ:米国は経済・軍事共に背後から追撃される恐怖を今のうちに経済面から叩いておきたいのだ
(2)一方、中国内部の実情:「8964のトラウマ」
(3)「振り上げた拳を降ろすに降ろせなくなったトランプ大統領」
(4)トランプの命運と、リアリスト安倍晋三の真価の「見せ場」を作るには?
(5)トランプがイランに敢て喧嘩を売った狙いは何か
(6)官製の下値支持線と外部要因、「見せ場」→「正念場」→「修羅場」→「土壇場」??
(7)この現象は「工業国日本」の象徴か
(8)年初の予想を顧みる
第3部 銀行株は数年内に大化けするという見方とトルコリラの話
(1)アベノミクス相場始まって以来この数年間で最も逆境に置かれたのは銀行業だ
(2)再びトルコリラについて:ここで筆者の摂った行動を報告する。
第4部 「『金融庁の報告書』はいいきっかけになった」
第5部 補足:「奇妙なハト派と化すトランプ大統領」

第1部 当面の市況

(1)NY株、史上最高値を示現、2万7000ドル
6月に一回、瞬間、史上最高値を付けて見せて一旦押してダマシを見せて振り落とし、先週ついにNY史上初の2万7000ドルを示現した。得意のトランプガまたぞろ何か突飛なことを言い出したい時だ。
FRB議長は10日、議会証言で「より緩和的な金融政策の必要性が高まった」と言って利下げを示唆というよりも明言したに等しく語った。
実に10年半ぶりの利下げである。
FRBが重視するのは個人消費支出だ。これが米GDPの7割を占める。これの物価指数が目標の「2%」を下回っている。
ECBも日銀も緩和にツキアウことになろう。そうでないと自国の通貨高を招くからだ。
これで一旦、三尊天井説派は退くが、長期で見れば次の下げ幅を自ら広げたことになった。

米の金融緩和が世界の株高を支えてきたが、総楽観からはほど遠い。売買代金の2兆円割れが9日も続いた、壮年期相場の終焉後の2016年以来、3年ぶりの「長期低迷・薄商い」はまさしく「閑散に売りなし」で、①昨年10月2日の、2本稿の言ってきた「老年期相場の大天井」と12月25日の「当面の陰の極」との半値戻し(約2万1700円)と「ドル換算200ドルの壁」(週末で約2万1500円)を中心として長い膠着が続いた。或るセミナーで「今後は膠着相場でしょう」と言っていたが「膠着相場」というのは「無相場の謂い」であって臨時の姿である。相場という生き物が、上下いずれかに動きたくて迷っているのだ。

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