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【投機の流儀】「落ちていくナイフを途中で掴む」(拙著の言い分)「落ちてゆくナイフを2度掴む」(タワー投資顧問の清原達郎氏の言い分)

第1部;当面の市況

(1)「SQに向かって高い。あるいは安い」ということは、しばしばある。

「SQに向かって高い、あるいは安い」ということは、しばしばある。そのことは、既報で何度も述べた。今回3月8日(金)は3ヶ月にいっぺんの第二金曜日、スペシャルSQ日であった。その前日、7日(木)は象徴的だった。日経平均で言う前日比381円高まであって、そこから873円下げて、39599円の終値となった。一日の値幅が873円ということも、最近では時々ある。

この波乱相場の中で前日と比べて高いものは、帝人(3401)・鹿島建設(1812)・東レ(3402)・東京電力(9501)の15円高、北海道電力(9509)の31円高等々の歴史のある古典的な銘柄であり、半導体ハイテク株ブームに乗っていなかった分野である。

このように横への広がりが大きく見えれば、息の長い相場になるであろうが、半導体銘柄だけで天井だけ高いという相場では、単なる半導体ブームで一旦は終わるだろう。「一旦は」と言っているのであって、今度の相場はメガトレンドの変化を買う相場であるし、また熱狂的に陶酔的熱病に浮かれた日本人がやっている相場ではなく、70%はクールな外人がやっている。
しかも、売買高が連日5兆円を超えている。民主党時代9000円から1万円を挟んだ3年間の保合の時は「売買金額が2兆円ぐらいなければダメだ」と言っていたものだ。そして、3兆円あれば活況の部類だった。ところが、今は連日5兆円の売買高がある。

外部要因で一番大きな材料は「もしトラ」であろう。ロシアのプーチン大統領は、メディアでこう語った。「アメリカ大統領は現職のバイデンに続けてもらいたい。何と言っても、彼の方が先を予測できるからだ」(「週刊Newsweek 3月12号)。
トランプの二期目があるとすれば、それは内容が予測できないということは間違いないようだ。ただ、こういうことだけは言える。11月にトランプが勝てば、その次の選挙は気にする必要はない。トランプは次の大統領になることは憲法上できない。既に第45代大統領を務めたから、今度第47代目の大統領に当選したとすれば、憲法の定めによって3回目は狙いたくても狙えない。故に「彼はやりたい放題。政敵への復讐心をたぎらせつつ、独裁者の地位を目指す」(前掲誌3月12日号)。

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