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【投機の流儀 セレクション】デフレマインドを脱却して、インフレマインドへ移る

「成長と分配の好循環」は、平たく言えば「分配」は「賃上げ」である。「ほど良いインフレ」が起こって「それを上回る賃上げが起こる」これが「成長と分配の好循環」だ。

ところで、大手は5%超の賃上げが続いている。順調である。春期交渉は人材確保に配分して、どこの企業でも賃上げをほとんど(8割)が満額回答である。特に、製造業の8割が満額回答である。
植田総裁が睨んでいるのは「2%インフレ」の実現と「それを上回る賃上げの継続」である。これが「好循環」である。これが順調に行きそうになってきた。黒田総裁が10年間力投しても、人類史上に無いような金融政策をとっても、実現しなかったものが今や実現しつつある。メガトレンドの変化とはこれを言う。つまり一言で言えば、デフレマインドを脱却してインフレマインドへ移ることを言う。

筆者のように、少年時代から青年時代にかけてインフレで育ち、高度成長期を過ごした者にとって、30年間続いたデフレマインドは非常に暗かった。株は上っても、マインドは暗かったものだった。

【今週号の目次】
第1部;当面の市況
(1)値幅も日柄も不明だが、調整に入った。
(2)11日(月)は、日銀のETF購入は終了したというシグナルを送った。
(3)11日(月)に日経平均三線転換法(新値三段棒)で陰転した─微調整入りのシグナル
(4)三線転換と十線転換
(5)当面は微調整、中長期では強気
(6)「押し目待ちに押し目なし」の状態が続いている。
(7)「地殻変動」の予兆か?
(8)東電株の第1幕は一応、幕を引いた─先週初め11日(月)に790円だった東電株は、週末には967円をつけた。

第2部;中長期の見方
(1)QUICK調査で、年末40000円から42000円が最多
(2)25年と予想される「マイナス金利解除後の利上げ」は、本当は祝福すべきことなのだ。
(3)「名目」が大切なのだ。名目と実質とを云々する俗風は、デフレマインドへの埋没の結果だ。
(4)デフレマインドを脱却して、インフレマインドへ移る
(5)劇的な調整があったら幸いだ─その時はこう考えよう。
(6)「10万円と言ってもおかしくない」という根拠
(7)PBRが1.0未満にあることは、当該企業の株価が解散価値よりも下にあるということであって、元々異常なことなのだ。
(8)25年に利上げするための「市場との対話」
(9)「市場との対話」「レビュー」「我々は時間を買っているのです」
(10)「地殻変動」の予兆はあるが、本当の地殻変動はまだ先だ─「地殻変動」が起きれば、日経平均は6万円と言っても10万円と言ってもよい。
(11)海外勢の売買動向の傾向─海外投資家の買い越しは単発的に終わらず、持続することが多い。
(12)再び、34年前の38915円との大きな違い
(13)「検証バブル 犯意なき過ち」
─1992年の宮澤政権時代の大蔵官僚の大きな過ちを知るべし

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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