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上質な旅づくりのために、今できること。

この時期によく耳にする言葉、三寒四温。ぽかぽか陽気と思いきや、真冬のような気温に逆戻りしたりと、春が行ったり来たり。こんなふうにゆっくりと、それでも確実に進んで行く季節がうらやましく思えたりします。

今週は「これからの上質な旅づくり」セミナーでお話させていただく機会を頂きました。近畿運輸局様はじめ株式会社ジェイ・リンクスの金馬社長、そして関係者の皆様に心より感謝申し上げます。他の錚々たる登壇者の皆様の貴重なお話を聞かせていただき、御礼申し上げます。

「上質な旅づくり」「富裕層」というお題に対して、どのような内容がふさわしいか、中国語スペシャリストの由良さんと一緒に何度も打ち合わせを重ねました。

(由良さんも私も富裕層のお客様をアテンドしたことは数多くありますが、富裕層だからこそ赤裸々に語れないこともあります。)

そこで、わたしたちの最大の強みであるインバウンド対応とコミュニケーション力向上のためにサポートしてきた経験から以下のようなお話をさせて頂きました。

富裕層を対応させていただくときに私が気をつけていること。
  あまり過剰に意識しすぎないこと、
  どなたにも丁寧に対応していくこと、
  これを積み上げていくことが大切
と思っています
  お客様を見た目で判断したりしないで、
  団体のお客様だからと言って、個人のお客様と比較して、
  サービスに差が開きすぎないように気をつけています。

例えば、ツアーに参加されているお客様は、日本の団体ツアーに参加されている方とは、少し認識が違うような気がします。グループであるというより、たまたま同じ乗り物に乗り合わせているだけ、それぞれが個人という意識が強いように思います。

だから、多少のことには目をつぶって、みんなと同じメニューを、横に並んで食事をいただくというような、私たちにとって当たり前のことに抵抗がある方もいたりします。

地域ならではの、素晴らしいメニューであっても、このあたりの配慮が足りないことで、印象が悪くなってしまい、これが地域全体の印象に影響することもあります。

アフターコロナの旅先について、海外から問合せを受けることが増えてきました。日本語を全く話せない方へ推薦する場合は、コミュニケーションの問題がありそうな場所は、候補から外れてしまいます。

大切な友達には、不安や困りごとのない、楽しい旅をしてもらいたいからです。

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こちらのグラフは、訪日外国人が旅行中に困ったことについて観光庁が2017年から2019年にわたり調査した結果です。(引用元はグラフ内に表示)

日本を訪れた外国人が困ったことに挙げた回答は、施設などのスタッフとのコミュニケーションが取れない! 3年連続で一番でした。

コミュニケーション関連の2つの項目に着目してみます。
20.6% コミュニケーションが取れない。
16.4% 多言語表示の少なさ・分かりにくさ。
【これら2点が解消されると、37%改善 ⬆︎】

例えば、とある施設で、コミュニケーションが取れなかった、多言語表示がわからなかったというマイナスイメージは、施設だけでなく、地域全体の印象につながる場合があります。

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魅力あるコンテンツづくりは本当に大切です。それに加え、外国人のお困りごとを解消することで、満足度を上げて行き、その結果、地域の価値向上につなげていくというインバウンド対応策を講じている地域もあると思います。

旅を楽しむ上では、お困りごとの解消は優先順位が高いはずです。極端な例になりますが、お腹が痛い時に、どんなに素晴らしい歴史やストーリーを語られても、聞く余裕が無かったりしますよね。

まずはお困りごとやお悩みを解消、快適な環境を整備すること、これが上質な旅の根底にあって欲しいです。多くの地域で外国人を受け入れる体制が整って来るならば、インバウンドの受け皿が広くなり、全体として、対応力の強化につながると信じています。

コミュニケーション能力を強化することに取り組むのは、案外、富裕層を取り込むための近道になるのかもしれないと考えています。

多言語のわかりやすい地図で、不自由なく移動ができる。
コミュニケーションがスムーズで地元住民とのふれあいができる。


そのような地域は、地域自体が上質なコンテンツとして仕上がっていて、大きな魅力になっています。

もう一つだけ大事なことがあります。グローバルサステナブルツーリズムの考えには、地域事業者の支援やインタープリター育成に関する提唱があります。持続可能性の観点から、地域性を配慮した、専門性の高いインバウンド研修をおすすめしたいです。

ここまでお読みいただき、どうもありがとうございました。

大切な海外の友人にオススメの場所、もしあれば教えてくださいね。
まずは私が行ってみます。これも今のうちにできることですね。

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